(Spec : i486SX 33MHz HDDなし)
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(Xeonのロゴは会社のサーバを導入した時に余った物をパクってきました。
一つご愛嬌、ということで・・・^^;)
メインPCについてはとりあえず自作機で事足りるようになったので、お遊び用に一台PCが欲しくなりました。
以前ネットで486SE使って最強のPCを作る、という記事が出ていたのを思い出し、原付も(安価に、486SEの)最強マシンを作ってみたくなりました。
最強という意味では手元にある25MHzのSEより33MHzのSRの方が実用的だろうという事で倉庫に眠っていたSEは使用せず、改めて某オークションで入手する事にしました。
この機種は、縦横30cmというコンパクトモデルながら内蔵バスでRAMを64MBまで増設でき、ODPソケットもあるためクロックアップも出来るようになっています。
またビデオカードも内蔵バス経由の専用スロットがあり、HDDも専用バスで内蔵できるようになっているため、外付け、拡張スロットを使用せずに基本的なWindowsマシンを構築できるようになっています。
とはいえ発売された当初はこれらのオプション品が大変高価だったため、殆どの人はDOSマシンとして使っていたようです。
しかし、この頃になると既に懐古趣味向けの存在となり、オプション品なども殆どが捨て値で売られるようになっていたため、それならばあの頃の夢をもう一度!という事で作業開始!
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まずメモリは486MVにつけていたアイオーデータのEP-RB02を剥ぎ取り設定をSR用に変えてそのまま取り付けます。
メモリはその辺に転がっていた16MBのSIMMを4枚かき集めて64MBにしました。
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HDDはEPSONのノートPC用のHDDパックがそのまま付けられるのですが、最大で540MBまでしかなく、これではwin95で使うには若干容量不足です。
HDDパックの中身は実はただの2.5インチIDE HDDなので、ケースを分解してこれまたその辺に転がっていた2GBのHDDを取り付けました。
そのままでは当然の事ながら認識しないので、CLMODIFY.COMというツールを使ってシリンダ数などをだましてフォーマットを掛けてやると、不思議なことにちゃんと認識されて使えるようになります。
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ODPに付いてはアイオーデータで発売されていた3倍速ODP(EP-PK586x3)を入手したのでこれを実装します。
この486SE/SRシリーズにはODPソケットがロッド?によって二種類有り、ソケットをリリースするラッチの形状に違いが有るのですが、アイオーデータのODPはラッチの形状によって下駄がラッチに当たってロックできないので装着不可、となっています。
原付の落札したSRは残念な事につけられないタイプの方でした。
そこで、物は試しにODPの下駄を外してみると、引っかからずにラッチをロックさせることが出来ました。
それで起動してみたところ特に問題なく動作するようなので、そのままで様子を見ることにしました。
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ビデオカードは内蔵バス経由で接続したい所ですが、内蔵バス用の物は、EPSONのPCSKB5とメルコで出しているWAP-4EPとカノープスが出しているボード(型番は失念)があります。
カノープスのボードは殆ど出回っておらず、落札するのも困難なのでパス。
WAP-4EPはVRAMを4MB搭載でスペック的には最高なのですが、ドライバの設計がマズく32ビットバスで接続しているクセにあまりパフォーマンスが良くないという話だったのと、メインメモリの容量に制限が出るということなのでこれもパス。
本命のPCSKB5は標準でVRAMが2MBしか乗っていないのですが、確かオプションで4MBにすることができたはずです。
もっとも、2MBしか乗っていなくてもメルコのものと違いドライバの出来がよくなかなかハイパフォーマンスと評判です。
うまく使えればオークションで探してみようと、試しに586RXに付いていたものをひっぺがして付けてみたのですが、どうもどこかに設定があるようで全く認識してくれません。
仕方ないので、32ビットバス用を使うことは諦め、素直にCバス接続のもので行くことにしました。
オークションを探していると、アイオーデータのCバス用アクセラレータボードGA-DRV4/98が落札できたのでこれをを使用することにしました。
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98シリーズの秀逸な設計かつ、負の遺産となっているCバス。
スロットに拡張機器を装着する時、AT互換機のようにいちいちケースを開ける必要が無く、外から差し込むだけなので、装着が格段に簡単です。
98シリーズは互換性を重視し極力拡張系の仕様を変更せずに新機種を作っていたので、以前の機種から乗り換えるときにそのまま拡張ボードを流用できるのはメリットでしたが、その代わり、ボードの形状を変更できないというデメリットがありました。
VMやVXのような巨大な筐体に設置する分にはそれでも大した問題にはならなかったのですが、近年のPCのダウンサイジング化に際してこの仕組みが足かせになってしまいます。
設計当初は各種拡張機能の実装にこのくらいのサイズの基盤が必要だったのだろうと思いますが、近年ではチップの集積が進み、拡張ボードの基板上には殆ど疎らにチップが配されているような製品ばかりとなっていたにも関わらず、本格的な専用バスへの移行ができなかったため、SRのような小型の機体にはせいぜい2スロットしか拡張バスが設置できなくなってしまっています。
しかし現在のPCと違い、当時の機種はWindowsの動作に必要なビデオカードしかり、LANカードしかり、サウンドカードしかり、MIDIボードしかり標準では一切内蔵されていなかったので、拡張スロットが少ないのは致命傷でした。
そのままでは上に書いたボード類を全部を取り付けるのは当然無理なのですが、そういうユーザーたちの救世主となったのがアイオーデータで、セカンドバスと言うシリーズを発売しました。
これは、一つのバスを2枚の拡張ボードで共有するというもので、何らかの機能を持ったベースボードの上にもう一枚サブボードと呼ばれる別のカードを取り付ける事ができるようになっており、SRでも最大4枚の拡張カードが取り付けることができるようになったのでした。
ということで、他に増設したいのが、CD-ROMを接続するためのSCSIボード、音はやっぱり出てほしかったのでサウンドカード、メインPCとの間でデータのやり取りをするためのLANカードです。
1枚目は既にビデオカードを挿したので先にセカンドバスの商品から探します。
サウンドカードはキュービジョンのセカンドバススターが非常に秀逸で、9801-86音源ボードの互換音源でありながら、MIDI音源としても動作するというもので、恐らく98のサウンド系では最高峰ではないかと思われます。
執念深くオークションを探した所、出品があったため無事落札。
次に先に見つけたのはセカンドバスのLA-T98SBというLANカードでした。
これも無事落札したので、残るはSCSIカード。
こちらはベースボードの方を買えばよいので、機種は割りと豊富に揃っています。
今回落札したのはSC-98Ⅲ。格安にて落札しました。
(見事に埋まったスロット。キュービジョン製品はブラケットがないのがたまにキズ)
という事で無事全てのハードが揃い、Win95のインストールをするのですが、その前にまずリソースを設定しなければなりません。
98系列は基本がINT表示で、物によってはIRQ表示になっているため、頭の中で混乱しながら変換をします。
またマウスがバスマウスと言うものを使っていて、これにもINTを消費しているので、リソース不足が起こらないように気をつけて競合を避けてセッティングします。
ただ、この時期のボード類はさすがにソフトウェア上でINT設定が出来るので、ディップスイッチをいじらなくてすむ分いくらかは楽に設定できます。
その後一癖も二癖もあるWin95のインストールを完了させて、上記拡張機器類のドライバをインストールするのですが、なぜか、ビデオカードが認識してくれません。
何度ドライバを入れなおしても起動時にいきなりエラーが出て再起動するとセーフモードになってしまいます。
マニュアルを何度も見直して、どうやらBIOS設定で16MBメモリ空間を「使用する」に設定すると、何らかのリソースが競合してしまうようなのです。
BIOS上で16MBメモリ空間を「使用しない」に変更して再起動すると、何事もなかったかのように普通に起動してきました。。。
せっかくメモリを64MB積んでいても、これでは宝の持ち腐れ。。。
まぁ、動作自体はそれなりの速さで動いてくれているので、とりあえずはこのままで行こうと思います。
そして、デバイスマネージャを見てみると、SCSIのところが「!」マーク。
こちらも何度もドライバを入れなおしてみましたが、うまく入ってくれません。
Windows上でINTの設定を変更しようとするものの変更が有効にならず、うまく行きません。
再びマニュアルとにらめっこすると、ドライバディスクの中にDOS上でデバイスのセッティングをするドライバがあるということなので、こちらを起動して現状の設定に合わせて更新してあげると、今度はうまく行きました。
ということで、試行錯誤の末、設定したリソースは以下のとおり。
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数字はIRQ。()内は対応するINT。
3 ( 0) : LANカード
5 ( 1) : SCSIカード
6 ( 2) : セカンドバススターのMIDI用
9 ( 3) : IDEハードディスク
10(41) : あき
11(42) : 外付けFDD
12 (5) : セカンドバススターのFM音源用
13 (6) : マウス
DMAは以下のとおり
0 : SCSIカード
2 : 外付けFDD
3 : セカンドバススターのMIDI
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と言うことで無事にインストールも完了し起動してみた所、元のPCがDOSマシンだったとは思えないほど、さくさくと動作します。
グラフィックがやや弱い感じですが、まぁ、許容範囲だと思います。
その後CD-ROMをSCSI経由で接続してアプリケーションを幾つか入れてやって完成です。
出来上がってしまうと満足してしまい、その後は余り使っていませんでしたが、結婚を機に古い資産を整理する事になり、そのまま残っていた98のFDを全てネットワーク経由で現在のメインマシンに移行する際に活躍してくれました。