[LCW-05] いじりれき 2002/11
偽ブレンボDIY・スピーカー移植・そして手放した:
I氏が自分のLCWをまじまじと見つめて、悪魔のささやきを投げかけてきた。
「このブレーキキャリパーさ、折角だから赤くしない?ブレンボみたいになってカッコいいと思うんだよね。」
まぁ、車をDIYで改造させることに並々ならぬ心血を注ぐI氏の言うことであれば、素人臭い出来栄えになることはないだろう、ということでチャレンジしてみることにした。
購入してきたのは、トタン用の赤ペンキと筆。まじで?
「耐候性があって熱に強い物なら大した違いじゃないから大丈夫だよ。」
と言っているが、果たして。。。
この加工も例によって写真は撮っていない。ホイールを外すのは面倒だから、と、ホイールの隙間に筆をさしこんで、直接キャリパーに赤ペンキを塗りつけた。
ホイールにペンキを垂らしたり、筆を当てて汚してしまったりしないか心配だったが、そこは丁寧さで定評のあるI氏の仕事である。一滴もはみ出すことなく、2時間ほどで4本を塗り終えた。仕上がりはどうだろうか?
うーむ、ブレンボと較べたら赤が明るい気がする。。。まぁキャリパーなのでそのうちブレーキダストや道路の汚れが付いて、だんだん薄汚れていくことだろう。そしたら丁度いい感じになるかもしれない。
それから数日後に、スピーカーを交換した。
LCWのスピーカーは前後4スピーカーと標準的な構成である。一応純正にしてはそれなりに品のいい音が出るスピーカーだったが、それでもやはり音のクリアさ、という点ではイマイチだった。
と言うことでアトレーから外したスピーカーと、新たに購入したスピーカーを使って交換することにした次第。
例によって設置時の作業工程の写真がないので、その辺はバッサリ省略。参考にしようと思ってアクセスいただいた方(いないと思うが。。。)、申し訳ない。
LCWは新車だけに各所のパネルを固定するプラスチックビスがまだ緩んでおらず、クリップを外す時にこれまでとは違う力のかけ方が必要だった。が、作業は無事完了。
アトレーのスピーカーに付属していたツイーターも移設し、写真の場所に取り付けた。
ついでにリアに付けていたリアツイーターも移植。
一般的なセダンやステーションワゴンのリアスピーカーは主にリアシート足元のドアパネルに設置されていることが多いが、LCWはラゲッジルームの柱に設置されている。
こちらの方が指向性が良好でどのシートに座っていても程よい包まれ感を味わうことが出来るなかなか良い設計だと思った。
当時、近所のカー用品店でJVCのサブウーハーなるものが特価で売られていて、思わず購入してしまった。
で、そのうちこれも設置しようと思っていたので、スピーカー交換のタイミングで一緒に交換した。
とはいえ、大音量でズンドコいわせる趣味はないので、ボリュームは絞ってちょっとだけ低音を補うくらいのセッティングにしてある。
シート下に設置したので、微調整はしづらいのだが、ナビ側で接続したウーハーの強さやフェーズ設定を調整することが出来るようになっていたので、そちらでもコントロールしてベストポジションを探り出した。
いっぺんにスピーカー8個+ウーハーの交換と言う大掛かりな交換をしたので流石にくたびれたが、音は段違いに良くなった。
上のスピーカー交換をしたあとは、これと言っていじらずに乗っていた。なので、いじりれきに書けるようなトピックもない。
というのも、当時常駐していた派遣先が契約終了になり、その後暫く次の現場が決まらないという事件があったせいだ。
派遣という業態は、案件が終了した時に次の案件があるかどうかはその時次第。この時はなぜか次の案件の紹介があまり来なくて、紹介された仕事も面白くなさそうだったのでお断りしていたら、ズルズルと決まらないまま1か月が過ぎてしまった。
選り好みをしている場合じゃないのだが、もう少し待てばやりがいのありそうな仕事があるのではないかと思うと、なかなか踏ん切りがつかない。だが、このままでは食っていけない。当時既にLCWだけではなくデルソルのローンを抱えていて、なけなしの貯金は瞬く間に食いつぶされていった。
それからも一向に案件が入ってこなかったので、結局転職することにした。幸い新たな転職先は探し始めてほどなく決まり、無職生活は2か月で済んだが、新たに就職した先は月々の手取りが今よりも少なくなる見通しとなった。となれば、とてもじゃないけど2台のローンを払い続けるのは厳しい。それにLCWはローン支払いのみならず何かと金食い虫な車である。エンジンオイルしかり、ハイオク限定しかり、燃費の悪さしかり。。。
何時破綻するか分からない不安と戦いながらの生活は流石にご免蒙りたいので、もっと負担の少ない車に買い替えることにした。
車を買い替えるにあたり、LCWのローン残債を減らすために少しでも高く売りたい。一般に下取りで買い取ってもらうよりは、買い取り専門店に持ち込んだ方が高額査定が得られる可能性が高いので、あちこちの買い取り専門店に持ち込んで査定してもらった。
・・・のだが、どの店でも納得感のある査定が出てこなかった。まだ購入して1年も経っていないしどこも傷つけてないのに?
I氏は、まぁ、車なんて新車で納品されたらその時点で半額だからね、なんて言っている。
リコール隠し問題によってブランドイメージが下がったせいだろうか。だが、買い取り店の店員が言うには、そうではなく、このところステーションワゴンの人気が下火になっていて、このタイプの車の査定が全体的に低めに出る傾向がある、ということだった。
それはさておき、次期マイカーはモビリオスパイクと言う車になった。ディーラーで試乗させてもらって気に入った、と言うのもあったが、とある中古屋で程度の良い車が見つかったからである。
で、その店でLCWの下取り査定をして貰ったら、他の買い取り専門店の査定より高い金額が提示されたので、その店で契約を結び、冒頭でも書いたとおり1年の節目を越えることなく手放すことになった。
後付けしていたものを一式取り外して、ほぼ購入時に戻した。
そして、最後に車を洗車して、車内も掃除してピカピカに仕上げて、その店に持ち込んだ。
だが、最後の最後で、やらかした。
お店の駐車場に車を停める時、背後に停められていた売り物のセンチュリーに後ろのバンパーをぶつけてしまったのだ。
慌てて確認したら、幸いセンチュリーの方には傷ひとつつかなかったが、LCWのリアバンパーは角がべっこり凹んでしまった。
幸い?その瞬間は店員には見られていない。ごめんなさいする勇気が無くて、小賢しくも空っとぼけてそのまま手続きを済ませてしまった。もし、店から何か言ってきたら、どこかで自分も知らないうちに当て逃げされたことにしようと思った。
契約を済ませて、スパイクが納車されるまで2週間ほどの間があったが、その間、いつ店から連絡があるか不安におびえる日々だった。。。
ところが、結局スパイクを受け取るまで店からの連絡は一切なかった。
凹んだバンパーを戻す方法を熟知していて隠密裏に解決してくれたのだろうか。スパイクが納車されてからも暫くの間は、連絡が来ないか不安で仕方がなかった。
と言うことで、最後に撮った写真はこれである。
いい車であり、気に入っていたんだけど、買うべきではなかったなぁ、というこの気持ち、共感いただけるだろうか。。。
もしかしたら、ラリーアートのNAでアイゼングレーの物にしていたら、もう少し違った未来が展開されていたかもしれないが。
三菱はリコール隠しで一通りの処分を受け、新生三菱として再出発することになった。その後、車種整理が為され、新たに発売された車が、LCW、エアトレック、コルト、eKワゴンの4車種だった。
心機一転再出発を図るタイミングでいい加減な車を作る筈がない、どの車も真面目に作られていて、リコール要素なんかないものと思っていた。だが数年後、三菱は再びやらかすことになる。。。
同じ過ちを繰り返したのだから流石に悪質である。ブランドイメージも完全に失墜した。自分がLCWを手放した2年後くらいの話である。
そう言った意味で、この時に手放しておいたのはある意味正解だったのかもしれない。