005144 – HONDA STEPWGN – 2
2015/07/20
ディーラーに用事があって出かけたときに置かれていた試乗車。
このモデルが発表されたとき、ダウンサイジングターボを採用して排気量を1.5リッターとしたことと、リアゲートの一部を横開きのドアにするというトリッキーな仕組みを採用したことが相当話題になっていたので、期待して試乗させてもらった。
当時は欧州辺りのモデルでエンジンを小型化しつつ効率の良いターボを組み合わせることで、環境負荷の軽減を図りつつパフォーマンスを維持するダウンサイジングターボがブームになっていた。
一方の日本では環境負荷低減と言えばハイブリッド、という風潮だったので、このステップワゴンくらいしか発売にこぎつけたものはなかったような気がする。
(ハイブリッド+ダウンサイジングエンジンの組み合わせはトヨタなどで見られたが)
そもそも日本では、ターボ車といえば燃費が悪くて挙動がぎくしゃくしがち、というイメージが先行していたので、印象が良くなかったというのもあると思うが。
このサイズの車で、1.5リッタークラスのエンジンを搭載すると一般にアンダーパワーとなるので、あまり採用されないが、ターボを組み込んでまであえて1.5リッターエンジンを採用したのは、一般的な2リッタークラスと比べて自動車税のカテゴリが1ランク下がるので、その分ランニングコストが抑えられるという点がアピールポイントになると踏んだからかもしれない。
最初に見た時の第一印象は、一回りこじんまりして見えたことだ。たぶん寸法的にはこれまでのステップワゴンとも大差ないと思うのだが、幅が狭くなったのか、デザインのせいか、なんとなく細面に見えた。
走り出してみると、街乗りの加速については特に不満は感じなかった。ターボのかかりもマイルドで、急に加速するとか、そのような90年代のターボエンジンのそれではないことは明らかだった。
このサイズのワンボックスでこれだけ走るなら、1.5リッターで十分という感じだ。
当時乗っていた2代目ステップワゴンの後釜として結構有望な選択肢ではあったのだが、義理の兄が一足早く入手してしまい、身近な人と同じ車に乗るのがあまり好きでない自分的に何となく選びづらくなってしまった。
自分が乗っているのと同じ車を同僚や身内ががいつの間にか購入しているケースは何度かあるが、それはまぁ別にいいんだけど。
この車のもう一つの特徴である、リアゲート。かなりトリッキーな構造になっている。
ゲート左側のブラックアウトしている所についているハンドルを操作すると、左側半分強の面がドアのように開閉できる。
また、ナンバープレートのところのハンドルを操作すると、ゲート全体が上に開く。
このギミックを実現するためにゲートやリアガラスは複雑な構造になっている。
確かにリアのラゲッジ内へのアクセスに、いちいちリアゲートを開けるのが煩わしいと感じる人もいるだろうし、背の小さい人には操作しづらいと感じると思う。
また、後ろに余裕のない場所だとゲートが開けづらいというのも、よくあるシチュエーションだと思う。
解決策として、サイドオープン式や観音開き式のドアが採用して、アクセシビリティを向上させる工夫がなされた車があった。
あるいは、ガラス部分のみ個別に開閉する仕組みを採用した車もあったが、どれも一般的に定着したとは言いづらい。
このステップワゴンのゲートはそうした課題に対する一つのアンサーと言えると思うが、何となくそこまでやる意味あるのかな?という気がしたこともまた事実である。
メーカーの提案で、リアゲートからの乗降のしやすさがアピールポイントとされていたが、それもまた、リアゲートから乗り降りしなければならないシチュエーションがどれだけあるか、と考えると何とも言えない感じがするのである。
少なくともサードシートを展開している状態では、ラゲッジルームへアクセスすることはできないし。。。
デビューから数年、街中でもちょくちょく見かけるようになってきたが、リアゲートから人が乗り降りしているところは一度も見たことがない気がする。
まぁ、室内側にもリアゲートの開閉レバーがついているのは結構便利な気がする。
たまに車中泊や車いじりで雨が降っているときなど、リアゲートを室内側から開けたい時があるからだ。
まぁ、欲しいといえば欲しい車ではあるけど、マイカーとして買うかといわれると、価格面含め微妙だな、という感じである。