001025 – いじりれき 2020/06-2

ヘッドアップディスプレイの取り付け

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最近、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を標準装備している車を見かけるようになった。
HUDとはフロントガラスのガラス面に速度などの情報を映し出す装置で、インパネ内のスピードメーターと比較して運転中の視線の移動が少なくなるメリットがある。なにより、何もないはずのガラス面に情報が映し出される、という近未来感がかっこいいアイテムだ。
そんな近未来アイテムだが、それ自体はかなり昔からある。当時はデバイスの価格が高かったのか、一部の高級車に着いている程度で、一般的には見かけなかった。
(付けている車は窓に乱反射防止のフィルムが貼られていたのですぐ判別できた。)

一時は廃れたような感じにすらなっていたが、ここ数年再び装着される車が増えてきた。コストが下がったのか、軽自動車でも装着されている車を見かける。
そういう車が増えてくると、アフターパーツメーカーも盛り上がる。特に中国辺りのメーカーはこぞって作り始める。
ということで、ネットで調べてみたらやっぱり売られている。しかも中華製なので数千円程度ととても安価だ。ほんと、中国は何でも作るなぁ。

それなら気軽に付けてみようか、と思うところだが問題が3つある。
1つは配線。よく売られているHUDは速度の計測にGPSかOBD2のいずれかを使う仕組みになっている。

GPSを使うなら、GPSからの信号が届くところならどこでも計測可能で、配線も電源のみとなるので設置も簡単なのだが、いかんせんGPSなので、実際の速度と多少の誤差が出ることと、GPSを計測できない場所(トンネルとか)に入ると計測できなくなってしまう、という問題がある。

一方のOBD2は聞きなれない略称だが、車両の点検時に車載コンピュータのデバッグ情報を取得する専用機器を接続するためのコネクタである。このコネクタから車両側で計測した車速情報が出力されるので、それを取ることで正確な車速を表示させることが出来る。
OBD2コネクタ自体は最近のクルマには大抵装着されていて、もちろんスペーシアにも取り付けられている。

じゃあ、このコネクタに繋いだ方がいいじゃん、とシンプルに考えたいところだが、そうもいかない事情がある。
前述の通り、本来車両の点検時に専用の機器を繋ぐためのコネクタなので、そこに得体の知れない機器を接続した場合にどんな不具合が起こるか予想できないことである。メカニックによっては、ここに何かがつながっていると嫌な顔をする人もいるらしい。

まぁ、その辺は点検の時は予めコネクタから線を抜いておけばいいか。

それよりも、もう1つの問題の方がクリティカルである。
HUDはOBD2コネクタから、車速信号の他に電源も取り出している(機種によってはそのほかの情報も)。
ところが、このコネクタに来ている電源は常時電源であり、ここに機器を繋げておくと未使用時にも暗電流という微弱な電流が流れてしまうらしい。その状態で車を動かさないまま長時間放置するとバッテリ上がりの原因になったりするということだ。

逆に言えば、毎日のように車を使う環境であれば、走行中に充電されるのでそれほど心配しなくて良いのだが、我が家では今のところカミさんがチビの送り迎えで毎日のように乗っているものの、ひと段落して乗らない日が続くようになったら影響が出るかもしれない。

最後の問題は、どうしても後付け感がぬぐえないことだ。まぁ、そこは後付けなのだから諦めだろうか。。。
インパネの上に置かざるを得ないので、どうしても何か設置しているな、という感じが出てしまう。ものによっては比較的スマートなデザインの機種もあるが、こだわりがなさそうなデザインの製品も多く、そういう所も含めて探すと意外と選択肢が少なくなってしまう。

ということで、だいぶ前振りが長くなったが、ようやく設置について書いていく。

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アマゾンで売られていたいくつかの製品から選んだのが、ニコマクというブランドのM7というモデルである。価格は3500円ほど。
通電時に最初にバッテリ電圧を表示してくれたり、エンジン回転数をグラフ表示させたりする機能も付いている。

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まぁ、お世辞にもスマートなデザインとは言い難いが、それでもマシなものを選んだつもり。
本体と、OBD2コネクタ、USBケーブル、台座ゴムシート、乱反射防止フィルムが同梱されていた。

まずは、動作確認。

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スペーシアのOBD2コネクタは運転席コンソールのセンター寄り、パーキングブレーキペダルの上のあたりにある。
特にパネルなどを外さなくてもアクセス可能な位置にあるが、写真は本設置の時にあれこれいじっている最中に撮影したもなので、パネルを外している。

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コネクタに接続してエンジンを始動する。問題なし。少し近所を走らせてみたが、ちゃんと速度も計測して表示してくれている。
ということで、いったん取り外し。

ここで、電源の加工をすることに。
ネットで調べていたら、上記2番目の問題の根本的対応として、電源を別途アクセサリー電源から取るよう加工している人がいた。
アクセサリー電源なら、キーをOFFにしているときは電流が流れないのでバッテリ上がりを防ぐことが出来るという寸法だ。

ということで、その方の記事を参考にコネクタを加工する。

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コネクタ部分は、2カ所でねじ止めされていた。このねじを外したらコネクタが分解できた。
バラせないコネクタの場合は、ケーブルに切り込みを入れて途中から電源を取り出すなどの加工が必要になると思う。

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で、こんな感じで、外したコネクタカバーの一部に電線を逃がすための切り欠きを作る。

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コネクタ内はこんな感じに結線されている。結線のアサインはネットに出ているものを参考にした。
この写真では赤色の線が電源である。

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この線を切断して、

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アクセサリー電源へとつなぐ線と細線用の圧着端子を使って接続。圧着端子はギリギリコネクタ内に収まってくれた。

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で、アクセサリー電源への線を切り込みから外に逃がしながらコネクタを閉じれば完成。

次は本設置。
アクセサリー電源行きの線はヒューズボックスから電源取り出しコネクタで取り出した線に接続。

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ガラスにはこんな感じで映り込む。
できればもっとガラスの右端に映るように設置したいのだが、ツイーターが邪魔でこれ以上右にずらせない。まぁ、ここで様子を見よう。

ちなみに写真で分かると思うが、若干ブレているように見えると思う。ガラスの内面と外面にそれぞれ反射するため、二重になってしまうのだ。これを防止するためにガラスに貼るフィルムが同梱されていたが、一度貼ってしまうと位置を変えられなくなってしまうのでまだ貼っていない。
気になるといえば気になるが、慣れの問題のような気もするので、これももう少ししてから検討したいと思う。

とりあえず、設置はこれで完了である。あとは、本体側で表示する内容や接続方式などを設定すればおしまい。

・・・なのだが、やっぱり、後付け感が否めない。特に車外から見て、ダッシュボード上で何かが煌々と光っている感じがいただけない。

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ガラスに映すのではなく、アクリル板を挟んでそこに映し出すように加工している人もいたが、なんか本末転倒のような気がする。。。
要は、運転席の視線からは遮られることなく、車外の視線からのみ遮ることが出来ればいい訳だ。
なにか置かれているな、という状態であることには変わらないが、そこは言い出したらキリがないので、考えないことにするw

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ということで、だいぶ以前に買って余らしていたアクリルボードを使って加工。

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フリーハンドでカットしたので、雑なことこの上ないが、まずプロトタイプ、ということで。。。
簡単に解説すると、左側にHUD本体にもたれかかるようになっている板が遮蔽版になる。門型に開けてあるのはコードを通すためと、設定変更用のスイッチへアクセスできるようにするためだ。
角度や高さは、外から見て見えず、中から見て見える程度に何度も見比べながら微調整した。

下にはこの遮蔽版を支えるための板を張り付けてある。
一番左端の端切れのような板はストッパーである。接着剤で接着した方がスッキリするが、位置の微調整を考えて暫定的に両面テープで貼り付けるだけにしてある。

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で、これを車に設置したのが上の写真。ガラスに映る情報は遮られていないが、、、

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車外から見るとこんな感じで光る部分が見えない。近くで見たら分かってしまうが、すれ違う車でまじまじとここを注視する人などいない筈だから、これで充分。

Posted by gen_charly