0244 – STEINBERG UR22mkⅡ
前回、リモートセッションのためのオーディオインターフェースとして、M-TRACK DUOを入手したが、遅延が酷くてリモートセッション用としては使い勝手がイマイチだったので、改めて買い直したのがこれである。
Steinberg、Behringer、Presonusなど、同価格帯でオーディオインターフェースを発売しているメーカーが複数あるが、前回の記事にも書いたとおり、ASIOドライバという低遅延が売りのドライバはYAMAHAが開発しており、そう言った意味ではYAMAHAに近いブランドであるSteinbergにしておけば間違いないだろう、ということで選んだ次第だ。
ついでに言うと、オンラインセッションで使うSyncRoomもYAMAHAが開発している。それならこのモデルでも一度くらいはテストして問題ないことを確認しているだろう、と期待したのもある。
基本的な構成はM-TRACK DUOとほとんど変わらない。入力2系統で、ファンタム電源付き。値段は一万円近く高かった。
ものが届いたので早速接続。それからパソコンにドライバをインストールして、くだんのメンバーと再びセッションしてみた。
目論見通り、遅延はほぼ感じられないレベルまで抑え込めている。ドライバの出来でこんなに変わるとは。。。
ということで、オンラインセッションの計画を立てる。
今の我がバンドの構成は、ドラム、ベース(自分)、ギター(2人)、キーボードという5ピースバンドだ。ドラムは家で叩くことが出来ないという理由で、また、ギターのうち一人が自宅でリモートセッションの環境を整備できないという理由で、スタジオ入りしなければならないという。
キーボードはリモートセッション環境は整っているので自宅でもスタジオでもどっちでもいい、とのこと。
スタジオに入るメンバーがいるということは、スタジオにインターネット回線とリモートセッション用機材一式が必要になる。今のところその環境を用意できるのは自分か、もう一人のギターしかいない。ところが、ギターは根っからのバンドマンなので、自宅でチャカチャカやるのはまっぴらごめん、と言う。
あれ?リモートセッションやりたいと思っているの自分だけじゃ。。。
バンマスたる自分がリモートで参加、と言うのもなんかバツが悪い。
なんだよ、結局全員スタジオ集合じゃねーかw
そんなことで悶々としているうちにコロナの感染者数が減少に転じ、だいぶ落ち着いてきたので緊急事態宣言も解除された。
じゃあ、久しぶりにみんなで集まりますか、という話をしようと思ったら、なんとキーボードの転勤話が飛び込んできた。場所は岐阜と言う。遠いなー。
いやいや、そのためのリモートセッションじゃないですか!キーボードもリモート参加はやぶさかではないという。じゃあ、やってみましょう。
ということで、キーボードの転勤先の住居とネット環境の準備ができるのを待ってスタジオ入りした。
もちろん、有線LAN経由でインターネット接続が出来るスタジオを選んでいる。
自粛期間中に毎日楽器に触っていた人、ほとんど触っていなかった人、何なら楽曲を忘れてしまった人、様々だったが、みんな感染せずに再会できてうれしい。
それはさておき、岐阜と繋げなくては。
ここで今回持参した環境について。
パソコンはT101HAを使うことにした。こいつはNICが付いていないので、USB接続のNICとして、BUFFALOのLUD-U3-AGHSV/Nを入手した。USBハブも兼用となっているので、そのUSBポートにUR22mkⅡをつなげる。
UR22mkⅡの入力側にスタジオ設置のエアマイクを繋いで、スタジオ内の音声をキーボードへ送る。一方、キーボードの音声はSyncRoomとUR22mkⅡを経由してスタジオのミキサーへつないでモニターから出力する。
スタジオは携帯の電波がほとんど入らないので、SyncRoomのチャットを使って状況を確認しながら準備を進める。
いかんせん顔が見えないので、向こうからの声が聞こえないと、接続不良なのか、向こうのマイクがオフなのかが分からない。
ゆくゆくはWebカメラも必要かな。。。
1時間近く格闘して、どうにか音声の疎通は出来るようになったが、音量のバランスがとりづらい。ボリュームを上げるとこちらのマイクから拾った音声がループバックしてハウリングしそうになる。ハウリングしないレベルに下げるとキーボードの音が聞こえない。丁度よい所に設定するのがなかなか難しい。。。
それもどうにか折り合いをつけて、いざ演奏スタート。
こちら側の音圧が強くてキーボードの演奏が不明瞭な部分もあるが、遅延は思ったほど気にならなかった。
少なくとも、今自分が岐阜県にいる人と同時に演奏しているという距離感は全く感じなかった。
ただし、全く遅延がないということでもない。テンポ120くらいの曲で16分音符1個分くらいずれることが数回あった。
もっとも、遅延によるものかキーボードが演奏をミスったことによるものかまでは分からなかったが。
その辺はビットレートを下げ、モノラル音声にし、圧縮率を高めたらそれほど気にならなくなった。ヘッドフォンで聞いていたら気になるだろうが、モニタから出力しているので音質の悪さも目をつぶれる範囲である。
演奏が終わって感想を聞いてみた。向こうではオーディオインターフェースにヘッドフォンをつなげて演奏しており、こちら側のスタジオ内に送られた自分の音声がスタジオのマイクで拾われて自分のところに遅れて戻ってくるのがやりづらかった、と言っていた。
流石にループバックからは逃れられないか。。。
ドラムに別室で叩いてもらって他のメンバーが全員ミキサーに入れるか、キーボードの音声をヘッドフォンで聞くようにすれば避けられるが、なんかどっちもイマイチなんだよなー。
やっぱり、デモ演奏のようにはうまくいかないものだな。
生楽器をマイキングしている以上、これはどうしても避けられない。
というか、そもそも、ライブの時はどうするという問題もある。こればかりは本人に東京に戻って来てもらうしかなさそうだが。。。