[飼育-01] オタマジャクシを育てた話

これまで我が家では生き物を飼ったことがなかった。
実家では犬を飼っているのだが、犬は散歩が面倒だし、猫は毛が大変だ。個人的には猫が好きなのだが、アレルギー持ちなので、猫がいる部屋にいると覿面に症状が出てしまう。

ハムスターとか魚とかの小動物なら飼育できるかな、と思ってカミさんに持ち掛けたことがあったが、あまり色よい回答を得られなかったので、結局生き物とは縁がないまま今に至る。


チビが成長するにつれ、生き物に興味を持つようになってきた。
それなら実際に生き物の姿を間近で見てもらおうと、軽い気持ちで近所の池に網を持って行って見たら、オタマジャクシとエビが採れた。

その様子を見てチビが興奮。家で飼いたいと言い出した。
まぁ、生き物が成長する姿を見るのはいいことだと思うので、軽い気持ちで持ち帰って水槽で飼育してみることにした。
まぁ、水槽と言ってもプラスチック製の虫かごだが。

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自分はなかなか手に入らないものをようやく手に入れると、なぜかそのあと立て続けに同じような物への巡り合わせが続くことがよくある。

CDコンポも長いこと家になかったのだが、ようやく手に入れたと思ったら、知り合いからいらないのを貰ったり、安く売られているのを見つけてつい買ってしまったり、いつの間にかコンポが家じゅうにあるような状態になった。

この生き物の飼育も同じ経過をたどった。

ささやかにエビとオタマの飼育を始めたら、少しして近所の人からメダカを貰った。一緒に飼い始めたら、今度は公民館の池で飼っているメダカを分けてもらった。結果15匹の所帯になってしまった。

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その後も、公園で捕まえてきたザリガニが仲間入りしたり、金魚すくいで捕まえてきた金魚が仲間入りしたり、と言った具合で、いつの間にか水槽の数も3つに増えてしまった。

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更に虫ガールのスキルも手に入れたチビが、セミの幼虫を持って帰ってきて羽化するところを観察したり、庭のキンカンに集った芋虫を育ててアゲハ蝶になる所を観察したり、スズムシを捕まえて家の中で夜中に盛大に鈴の音を響かせたり。。。まぁ賑やかである。


エビは調べてみたらヌマエビと言うものらしい。見るからに儚げですぐに死んじゃうかな、と思いながらの飼育だったが、どっこい1年以上たった今現在も元気に生きている。

一方のメダカや金魚、ザリガニの類は飼育の仕方がまずかったか、少しずつ数を減らしている。


まぁ、それらの話はひとまず置いておいて、オタマだ。
いうまでもなくオタマジャクシなんだが、池で拾ってきた2匹が我が家の一員となった。

オタマジャクシは春先に卵から孵って夏前ごろにカエルになるイメージである。まぁそのくらいなら観察にぴったりと思って飼い始めたのだが。。。

今回は日記調にお伝えしてみたいと思う。



2021/07/13

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最初のうちは記録に残そうとあまり考えておらず、写真が少ない。多分、これは家にやってきたばかりの頃の姿。
当時はエビと一緒の水槽で飼育していた。大きさは2.5cmくらい。

飼育するにあたり飼い方を調べてみたら、オタマジャクシは基本なんでも食べるので、簡単に飼育できるということだ。メダカのエサやホウレンソウを茹でたものなどでOKとのこと。
ところが、カエルになると食べるものが変わり、生きている昆虫しか食べなくなるらしい。
毎日のように生きた昆虫を用意するのは流石にゾッとするので、カエルになったら放流しようと思う。



2021/08/26

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エサをあげた後に撮影したので、水面が汚いが。

なんか、オタマジャクシってもっとちょろちょろと動き回っている印象だったが、こいつらはあまり動かない。
何なら死んでしまったのではないかと心配になって、軽く水槽を叩くと一頻りちょろちょろと動き回って、またじっとするという感じだ。



2021/12/10

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一気に時が進んで冬だ。
まだオタマジャクシのままである。あれ?
いくら何でも冬にカエルに変態するオタマジャクシなんて聞いたことがない。お前ら何者だ?

ネットで調べてみると、オタマジャクシの中にはカエルに変態できないままその短い一生を終えるものが少なからずいるらしい。

この子らもそうなのだろうか。拾ってきてこんな小さな水槽で飼育していることが原因になっているのだとしたら、ちょっとかわいそうな気がする。。。


・・・と思ったら、オタマジャクシは種類によって越冬をするものがいるらしい。
ヌマガエル、ツチガエル、ウシガエルの3種が該当するそうだ。

全てが越冬するわけではなく、秋までにカエルになるものいるというので、なんだかよく分からないが、ウチにいるのは上記の3種のうちどれかで、越冬する個体だったのだろう。

3種のうち、ヌマガエルかツチガエルなら良いのだが、ウシガエルだったらちと困る。ウシガエルは人間が食用に持ち込んだものだが、特定外来種に指定されているので、今は飼育や放流が禁止されている。

もしウシガエルだった場合、殺処分しなければならない。それは心が痛む。

もう少し深堀りして調べてみたら、ウシガエルはデカいカエルなので、オタマジャクシも信じられないくらいデカくなるらしい。物によっては7cmに達するものもいると言うことなので、僅か3cm前後でしかないウチの2匹はウシガエルではなさそうだと分かり、一安心。



2022/04/19

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再び一気に時は進んで春。オタマたちは見事に越冬した。大きさも大きい方は4cmくらいの大きさになり、今年こそカエルになってくれることを願う。

捕まえてきたときの家族のオタマジャクシへの興味はとうになくなっている。冬の間、毎日変わり映えしないので、飼育にも飽きて、自分しか世話をする人がいない。

なんかあったら起こして状態、である。


2022/06/18

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越冬する個体がカエルに変態するのは主に7月から8月あたりらしい。
となると、ぼちぼちその気配が見えてきてもよさそうな気がするのだが、一向にその気配はない。

食べ物はこれまでメダカにあげているコイのエサを与えていた。与えると寄ってきてパクついているので、食べるなら大丈夫だろうと思ってずっと使い続けていたのだが、もしかしたら変態しないのは食事のせいかもしれないと思い、試しに冷凍しておいたコマツナをあげてみた。

冷凍のままあげたのは、我が家では買い置きした葉物野菜をカットして冷凍保存しているので、手間がなかったからだ。今は夏で水温が上がりがちなので、それを気休め程度に冷ます効果も期待している。

放っておけばじきに溶けるので、凍ったままでも大丈夫だろう。ネットには茹でたホウレンソウがよいと書かれているが、茹でなきゃ食べないというのであれば、自然界のオタマは口にできないということだから、茹でなくても食べる筈。

と言うことで葉っぱと茎の部分をそれぞれ見繕って水槽に放り込んで見る。最初は得体の知れないものと思ったか見向きもしなかった。読みが外れたと思ったが、夜の間にモリモリ食べたようで、翌朝には茎ごとなくなっていた。

これなら行けるかと思い、それから暫くコイのエサとコマツナを交互に与えることにした。



2022/07/05

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まだオタマのままである。

ぼちぼちいつ足が出て来てもおかしくない時期に差し掛かっていると思う。これで変わらなかったらカエルになれない個体、と言うことになる。

この辺で、彼らの成長記録をWebに公開しようと思い立った。で、写真を撮るわけだが、いつも水槽の上からオタマを写すと、水の汚れや水面の反射のせいであまりきれいに写せない。
なにかいい方法がないかな、と思っていたのだが、水替えで水槽を洗う時に、一時的に別の容器に引っ越してもらっているので、それを撮ればいいことに気づいた。なんで最初に気づかなったのだろう。。。



2022/08/02

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朝起きたらチビから「足生えたよ!」と報告があった。お、マジか、ついにか!

見ると大きい方の個体のしっぽの脇から小さな脚が出ているのが見えた。
心なしか体がボコボコしてきた気がする。

ちゃんと変態するカエルだと分かって安堵する。



2022/08/04

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足の形がはっきりしてきた。まだ足と言うよりは何か邪魔なものが二つぶら下がったな、と言う感じだが。
でも足に水かきもついてきて、いよいよ変態が進んでいることがはっきりしてきた。

小さい方はまだオタマのままだ。こちらも早い所大きくなって足が生えてくれるとよいのだが。



2022/08/11

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足がしっかりしてきた。手はまだのようである。
しかし飼っている間、ずっとそうだったが、この2匹は仲が良かった。お互い邪魔せず攻撃せず、一か所に寄り添ってボーっとしている感じで、しょっちゅう縄張り争いをしているメダカと比べると、平和な気持ちで眺めていることが出来た。



2022/08/19

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旅行から帰ってきたら、手も生えていた。
足はだいぶ立派になって、手も水かきなどの様子が分かる。

ここまで来ると、しっぽがあっという間に短くなってカエルになるというので、そろそろお別れの時が近いかもしれない。

顔つきも目玉が大きくなって、カエルの顔になってきている。

ただし、まだ地上に上がることはしないようだ。



2022/08/20

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翌日にはしっぽがしなびてきた。こんな風にしてなくなっていくのか。



2022/08/22

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日に日に腿が太くなり、立派な足になってきている。一昨日しなびていたしっぽはもうなくなってしまった。



2022/08/23

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しっぽの部分はほとんどなくなった。体つきはほぼカエルだが、まだ水中にいる。
だが、時折水槽の中で背伸びをして水面の外に顔を出している時がある。肺呼吸の練習をしているのかもしれない。

ところで、我が家にいるカエルが何なのかが分からない、と言う話を上で書いたが、そこで越冬するカエルは3種類いると述べた。大きさ的にウシガエルではないことだけは分かるが、ヌマガエルなのか、ツチガエルなのか分からない。

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ヌマかツチかはお腹で見分けられるらしい。上の写真で真っ白なお腹が見えた。と言うことはヌマガエルがファイナルアンサーだったようだ。


さて、ここまで変態が進んだので、陸上で生活するようになる日がもうすぐそこに来ているのだろう。
と言うことで、ぼちぼちリリースすることにした。

飼い始めたころは、普通にカエルになったらその辺に放流するつもりでいたが、よくよく考えてみたらオタマからカエルへの移行期間と言うものがある。そして、いつになったらカエルですよ、と言うのも決まっていない。

まだ水中で生活したい時期なのに、いきなり地上に放り出したら生きていけないかもしれない。かといって、完全にカエルになってしまったら、すぐにリリースしないと、今度は食べ物が食べられずに餓死してしまうかもしれない。

家の近所に水辺がないので、水辺にリリースするとしたら少し遠出をしなければならないが、日々仕事などがあって、カエルにとってのベストタイミングで、放流しに行けるとも限らない。

そう考えると、意外とリリースのタイミングが難しい。。。


だが、今回はベストな放流先があるのだ。田んぼである。
実は、我が家では今年イネを育てている。庭にRVボックスを流用して作った水田があるのだ。
(イネの生育日記は、そのうち改めて記事にするつもり)

そこなら好きなタイミングで陸上世界へ移行できるだろう。

遡ること数日前、家の庭先でツチガエルを見かけた。上に書いたが家の周りに水場がない。それにもかかわらず出没するということは、生きられる環境があるということだ。

だったら、庭の田んぼへの放流で問題ないだろう。

ということで、本日をもってヌマガエル1号は我が家を卒業することとなった。

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水槽から一匹だけ掬い出して、庭の田んぼにリリース。

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達者に生きろよー。



2022/08/27

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もう一匹残った、未だオタマジャクシの2号。既に8月も終わろうとしているのに、1号の3分の2くらいのサイズしかなく、未だに足が生えてくる気配もない。このまま水槽で飼っていてもこれ以上大きくならない気がする。

まさかいくら何でも2年越冬することはないだろう。そう考えるともう猶予がない。

と言うことで、少し荒療治だが、2号も田んぼに放流することにした。


虫なり藻なりあるので食べ物には困らないだろう。どうにか無事、今シーズン中にカエルに変態して旅立ってほしい。



2022/11/27

一気に時が進んだが、もう晩秋である。気温もめっきり下がってきた。
オタマ1号は田んぼに放流して程なく姿を消したのは分かったが、2号の方は暫く田んぼの中で泳いでいた。

そのころは田んぼの水抜きをしたりしていたので、割ときれいな水で泳いでいる姿も見かけられたのだが、その後暫く水抜きがなくなって水面に藻がはびこるようになって姿が見えなくなってしまい、無事変態して旅立ったのか、はたまた未だに中で泳いでいるのかが分からなくなっていた。

コメの方は収穫が遅れに遅れ、この日になってようやく全ての株を収穫できた。
収穫の際に田んぼに張った水を捨てるのだが、もしかしたらまだオタマが残留している可能性があるので、ざるで濾しながら排水することにしたのだが、オタマの姿はなかった。

一応米を鳥に食べられないようにネットを張っていたので、鳥などに食べられた可能性は低いと思うが。。。無事変態して旅立ってくれたのだと信じよう。

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ちなみに水を濾していたら、いつの間にかヤゴが住み着いていた。それをチビとカミさんに見せたら飼いたーい!と言われてしまった。

とりあえず例の虫かごに移して飼育することになった。
To be continued…

Posted by gen_charly