[読み物-03] 住まいで振り返る半生記【28】

部屋番号18 - 東京都世田谷区某所(その1)

ということで、東京進出して2軒目の家である。家賃は17.と同程度で、かつ、日当たりが良く多少の高級感があるところで、という条件で探して見つけた物件である。
流石に駅近は望むべくもなかったが、千歳烏山駅から徒歩12分なのでまぁ許容範囲。千歳烏山は急行停車駅で駅前に割と大きな商店街がある。家までの道のりはその商店街を抜けるルートで、徒歩12分と言っても半分くらいは商店街を歩く感じだったので、さほど遠さを感じなかった。
そして前述のとおり、当時お付き合いしていた女性の家の近所でもあった。彼女の家からスープの冷めない距離、というかアイスが溶けない距離、というか、そのくらいの位置関係になったので、行き来がしやすくなった。もっとも、その人とはその後ほどなく別れてしまうのだが。。。

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それはさておき、建物は軽量鉄骨構造の3階の部屋である。予算を考えたら眺望は諦めざるを得ないと思っていたが、ここは上等とは言えないものの、意外に悪くない見晴らしだった。メインのベランダは西向きとなるが、南側にもルーバー型の窓がついていて、日当たりも申し分ない。
建物が高級になったことのトレードオフとして、洗濯機がベランダ置きとなり、広さも一回り狭くなってしまった。ただし1階エントランスにロッカールームがあり、あまり使わないものをしまっておけたので、そこまで狭くなった感じはなかった。

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小奇麗な部屋で暮らすのは気分が良かった。が、築浅(確か10年未満だった)の小奇麗な物件に引っ越してきたはずなのに、なぜか些細なトラブルが多い部屋だった。

具体的にはエアコンの故障、カーテンレールの脱落、断水などだ。いずれも大家が速やかに対応してくれたので大きな問題にはならなかったが、断水は流石に参った。
というのもトラブルに見舞われたのが丁度入浴中で、洗髪してすすごうと思ったときだったのだ。始め何が起こっているのか飲み込ず、泡だらけの頭で困惑した。色々チェックしているうちに、キッチンもトイレも水が出ないことに気づいて、断水したことを知った。ともかく、頭の泡を流さないと服が着られない。服が着られなければ大家に連絡もできない。

やかんに偶然残っていた水があったので、それを温めて頭からかぶって急場をしのいだが、やかんの水が無かったら更に往生するところだった。

Posted by gen_charly