[Atray-01] DAIHATSU ATRAY WAGON

【Spec】

グレード カスタムターボ サンルーフ
型式 TA-S220G
ベージュメタリック
全長/全幅/全高(mm) 3395/1475/1865
車両重量(kg) 980
ミッション 4AT
駆動方式 FF
エンジン型式 EF-DET
エンジン種類 水冷直列3気筒12バルブDOHCターボ
総排気量(cc) 659
最高出力/回転数(ps/rpm) 64/5900
最大トルク/回転数(kg-m/rpm) 10.5/4000
年式 1999(平成11)年式
購入年 2000(平成12)年
走行 2500km


色々あって少し前に手に入れたばかりのステップワゴンの維持が難しくなった(ステップワゴンのエントリ参照)。とはいえ車のない生活は考えられないので、それなら維持費が安い軽自動車に買い替えるか、という話になった。

とはいっても、普段、デカい楽器を運んだりすることもあるし、たまには車中泊の旅行に出かけたいので、ミラとかアルトで、という訳にはいかない。最低限、ワンボックスタイプは欲しいところだ。

ワンボックスと言ってもキャリィやハイゼットみたいな商用車だと、自分の置かれた境遇のみじめさに打ちひしがれてしまいそうになるので、そこは5ナンバー登録にさせて欲しい。

だが、5ナンバー登録の軽ワンボックスというのは、軽自動車のヒエラルキーの中で最高峰に位置するカテゴリなので車両価格が高い。新車での購入は懐の都合上厳しいので、中古車あたりを探すか、ということで情報収集。


当時市販されていた軽ワンボックスは、スズキエブリー、ホンダバモス、スバルディアス、ミツビシタウンボックス、ダイハツアトレーワゴンの5車種があった。
ディーラーを巡ってカタログを収集したり、近所の中古屋を巡ったりして情報を集めたが、装備が充実していて程度のよい現行モデルは中古も高値安定していて、選定は難航した。


数年前に軽自動車の車両規格の変更があり、それ以降に登場した現行モデルはディアス以外、セミキャブオーバー的な前席の前方に車輪が付いた構造に大きく設計が変更された。そうなってからまだ時間が経っていないので、絶対的なタマ数が少なく中古価格が下がらないのだ。

一方旧モデルは座席下に前輪があるキャブオーバー型なので設計は古くなるが、現行モデルに比べて荷室の有効長が長いといったメリットもあることから根強い中古需要があり、こちらはこちらであまり価格が下がっていない。

簡易装備のベースグレードなら、お手頃価格の物もそれなりに見つかるのだが、それに乗るくらいなら軽バンで充分じゃないか、となるので、とりあえずそのオプションは最終手段としたい。


そんななか、ふと立ち寄ったとあるダイハツの中古車ショップで、店先にさりげなく置かれていたアトレーに目が留まった。
見た目は新車同様にピカピカで、まだ2500kmしか走っていない。しかも電動サンルーフが付いている。どうも試乗車か登録だけした車両のようだが、125万円で売られていた。

当初、アトレーはそれほど乗りたい車種ではなかった。どうにも丸みのあるデザインが好きになれず、バモスやタウンボックスみたいな四角いヤツがいいな、と思っていたのだが、程度が良くて装備が充実していて、それでいて値段が安いというのですっかり気に入ってしまった。

125万だと想定予算よりは少し高めになってしまうが、これだけの出物はそう簡単に遭遇できなさそうなので、その場で購入となった。


この車は納車されてから、1年ちょっと乗った。
新規格のモデルだけに、車内は想像以上に広々していて案外快適だった。車中泊をしても窮屈ではないし、ターボエンジン搭載なので、走りも快適。装備も充実していて、しみったれた気持ちにならずに乗ることが出来る。

にもかかわらず、1年ちょっとで手放すとは何事だ、とお叱りを受けそうだが、上に書いたメリットが、そのまま裏返しでデメリットになっていたのだ。


ワンボックスで重量が重くて、そのうえターボ仕様なので、燃費が軽自動車のそれとは思えない悪さだった。一般道こそリッター13キロくらいは走ってくれるのだが、高速に乗った途端リッター9キロ前後まで悪化するのだ。軽自動車に乗ることのメリットは燃費の良さではなかったか。そのうえ、根源的な乗り心地の悪さはいかんともしがたく、ちょっとした遠出をするとなんかぐったりしてしまう。


そんな不満をふつふつと溜め込んでいる時に転機が訪れた。
当時付き合っていた人が宝くじの当選を機に車を買いたいと言い出した。車種はランサー。それで情報収集などに付き合っているうちに自分がランサーセディアワゴンに一目ぼれしてしまったのだ。

いやいや、節約するために軽自動車に買い替えたんだろう?というのはもっともな指摘。
もちろん、最初はただの空想に過ぎなかった。だが、用事があってダイハツのディーラーに行ったときに買取りサービスを始めたという話を聞き、冗談半分査定を出して貰ったら、アトレーで抱えていたローンが相殺できることが判明。

それでセディア購入が急に現実的な話になってきた。
丁度それと前後して、アトレー購入の少し前に諸般の事情で自宅に匿っていた父が再び実家に戻ってしまった。それについては色々釈然としない思いもあったが、一方で父の面倒を見なければならない、という金銭面での心配事が一つ減り、これが大きな後押しになった。


そうだとしても、こうして振り返ってみるとなかなかに盛大な無駄遣いである。これまでの人生における失敗ごとの一つであることは間違いない。だが、軽自動車を所有することがどういうことであるのか、そのメリットやデメリットについて、身をもって体験できたことはまたとない経験だったと思っている。


ちなみに、この車を買ってちょっとした頃に、音楽の関係で知り合ったのが、本サイトで度々登場するI氏であった。
彼は車をドレスアップすることになみなみならぬ心血を注ぐ人なのだが、それを嫌味にならないよう、アホっぽくならないよう、やりすぎない程度に綺麗にまとめるのがとてもうまかった(※個人の感想です)。

その辺のセンス感が自分の感性にマッチしてすぐさま意気投合。以降数年に渡って車いじりを共にすることとなり、アトレーでも色々世話になった。

そのこともまた様々な波乱を巻き起こすのだが、自分的にはこれもまた得難い経験だったし、今日の車いじりの基礎であり原点でもある。


もっとも、そういう人なのでカミさんからは悪い知り合いという風に捉えられてしまったが。。。

Posted by gen_charly