[DigiItem-06] EPSON PC-486SE2
(Spec : [CPU]i486SX 25MHz / [HDD]なし / [MEM]1.6MB)
1995年入手:
当時の職場が自社プロダクトとセット売りで販売するために在庫していた商品だったが、長らく売れ残ってデッドストックとなってしまったらしく、棚卸に合わせて社員割引で提供されることになった。その価格は新品であるにもかかわらず非常に安価(確か3万円以下)だったため、同様に社割のリストにあったTVモニターNEC PC-TV354と共に購入してきた。
安かったのには訳がある。もちろん社員向け特別価格と言うこともあったが、そもそも世間はPentium CPU搭載モデルが主流となりつつあって、i486SXの25MHzなんてスペックはもう見向きもされなかったのだ。
それでも購入に踏み切ったのは、安かったから、というのがもっぱらだが、この機種は”UpGradeMulti"というキャッチコピーを携えて登場したエプソンの渾身の作であり、そのウリ文句のとおりオプションを増設することでWindows95が動くレベルまで増強することができたのだ。このコンパクトさでWindows95が動くなら、USのリプレース用として最適なのではないかと考えたからでもあった。
具体的には、CPUクロックアップのためのコプロセッサ増設ソケットや、メモリ増設用の専用スロット、HDDパックを内蔵可能にする専用ポート、ハイレゾ対応のための専用バスなどが実装されていて、これらにそれぞれオプション機器を増設することで、外部にあれこれ拡張機器を増設させることなく、Windowsマシンを仕立てることが出来るようになっていた。
といっても懐に余裕がないので、すぐにWindowsマシンにアップグレードするつもりはない。そもそも現状MS-DOS環境で事足りている。とりあえずUSをリプレースして486のDOSマシンとして使っておいて、将来Windows環境へ移行せざるを得ない日が来た時にアップグレードしてそのまま使い続ける、といった青写真を描いての購入だった。
だが、結局Windows対応マシンへのアップグレードはやらなかった。それらオプション類は非常に高価で、自分のような若造には気軽に買えるものではなかったのだ。必要なパーツを馬鹿正直に増設していくとDOS/Vパソコンを新品で買った方が安いくらいだったので、それをやるメリットが見いだせなかったということもあった。
USと比べるとCPUの性能こそ高いものの、HDDがついてなかったので使い勝手が悪く、購入後暫くはサブマシン扱いで、あまり電源を入れることもなかった。
1年ほど経ってから、外付けのSCSI HDDを入手して、こちらをメインマシンに昇格させた。とはいってもその頃の体感としてはどんぐりの背比べのような感じだったが。。。
EPSON PCの面白いところは、CPUのクロック切り替えがオンラインのままできたことである。高速CPUでは処理が追い付かないような古いアプリを使う時のための機能だが、9801シリーズは2つのCPUを搭載してそれを切り替えることで対応していたため、マシンのリセットが必要だった。だが、EPSON PCはCPUクロックにウェイトを入れる方法で対応していたため、リセットが不要だったのだ。
とは言っても、CPUクロックを下げないと動かないような資産は持っていなかったので、まず使うことはなかったが。スクリーンセーバーを動かしている最中にクロックを切り替えると、動きが遅くなったり早くなったりするので面白かった。自分にとっては不要な機能ではあったが、そういう機能を持っている所が互換機メーカーだな、というか、本家を上回る便利機能があって面白いなと思った。
最後にPC-TV354の方も触れておきたい。このモニターは型番にTVが入っていることからも分かるとおり、TVチューナーが内蔵されている、というよりはテレビにPCモニターの機能を持たせたような製品だった。あくまでTVがメインの機能であるため、PCモニターには大抵ついている回転台もついていない(オプションで付けることはできた)。
見た目はTVではあるのだが、色がグレーっぽい色でリビングに置いてもイマイチ馴染まない。かといってPCの上に置いてもやっぱり馴染まない。何とも中途半端な存在のシロモノであった。
ただし、機能的にはなかなか優秀だった。ブラウン管は15インチあり、これまで使っていたPC-KD854と比べたら表示領域も大きくなって見やすくなったし、TVの機能も充実していてリモコンもついている。そのうえ性能の良いブラウン管を使っているのか、色合いやシャープさも思いのほか良かった。
デジタルRGBなどのインターフェースも搭載していたので、ゲーマーが流麗なグラフィックを楽しむために買い求めた、という話もあったようだ。
家具やPCに馴染まないモニターではあったが、テレビとPCモニターが共用できたのは、狭い1Kのアパートだった当時の部屋でとても重宝した。まぁ、そのせいでPCとビデオデッキとモニターを1カ所にまとめて置いていたので、PC周りはごちゃごちゃだったが。。。