[Spada-43] いじりれき 2011/03

リアコンビネーションランプの配線交換(ついでにインナーパネル修理):


金沢にいる弟の家に出かけた際、弟の車のヘッドランプが球切れしたというので修理を頼まれた。近所のオートバックスに行ってバルブを入手し交換して対応完了。兄貴の威厳を目いっぱい見せつけて、金沢から帰宅しようと思ったら、

「兄貴、残念なお知らせだが、兄貴の車も左のブレーキランプ切れとるぞ。」

と指摘された。え、マジ?
車を停めてランプの点灯をチェックしたら確かにブレーキランプが点灯しない。医者の不養生ではないか。兄の威厳失墜・・・。

 

まぁ、もうこれから帰宅をしようという段なので、帰宅してから修理をすることにして、後日近所のカー用品店で交換用バルブを入手してきた。

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切れたのは片方だけだったのだが、もう片方も同じくらい劣化していると思うので、この機会に両方とも交換することにした。

近所の駐車場に車を入庫させて作業開始。ステップワゴンのブレーキランプのバルブ交換は、コンビネーションランプユニット(以下ユニット)を取り外して行う。リアゲートを開けるとユニットを固定しているボルトがあるので、それを六角レンチかプラスのドライバーで外した後、ユニットごと手前に引っ張るだけで外すことができる。

ちなみにボルトは3カ所で留められている。そのうちひとつはカバーで目隠しされているので忘れずに外すこと。

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車体からユニットを外した後ケーブルも外すのだが、今回はブレーキランプだけなので、横着してバンパー上に載せた状態で作業した。この方法だと万が一変な倒れ方をした場合にケーブルが断線する可能性があるので要注意。

繋がっているケーブルは、上から順にウィンカー、ブレーキランプ、バックランプの順になっている。今回はブレーキランプのバルブを交換するので真ん中のバルブを取り外す。ところが。

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ブレーキランプのソケットを引き抜いたら、そこについている筈の電球がない。なぜ?と思いつつ、ランプケースの中を覗いたら電球がケース内に脱落していた。そんなことってあるの??

脱落などするものかなと首をかしげたが、まぁ現実的に脱落しているのだから受け入れるしかない。というか不点灯の理由は球切れじゃないのか。。。まぁ、せっかくの機会だから交換しておくか。

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で、新しいバルブを取り出し、ソケットに差し込もうとしたら、グニャッというおよそプラスチックのそれとは思えない感触を指先に伝えてソケットが割れてしまった。ちょっとどうなってるの!?

よく見ると、ソケットのプラスチックが激しく劣化していた。心配になって他のバルブもチェックすると、ブレーキランプほどではないが他のバルブも大概な状態だった。屋外駐車が原因だろうか。それにしてもちょっと品質を疑う事態だ。

一応、そのままハメれば辛うじて電球を保持できる状態だったが、それだと遠からず再発は免れないだろう。ソケットも交換か。。。

ソケットは市販されていないのでディーラーで入手する必要がある。ディーラーに出向いて事情を話すと、部品番号を調べてくれた・・・のだが、ソケット単体では部品がなく、車体側のコネクタと接続するハーネスも一緒に交換しなければならないらしい。1本\4,200。たけぇ。。。

だが、背に腹は代えられないので、仕方なくそのセットを発注した。ソケットを破損したのは助手席側だったが、運転席側も相当劣化している筈なので、運転席側も含め2本注文したのでしめて\8,400。手痛い出費である。

 

数日後、入荷連絡があったので週末に受け取りにいった。ディーラーに引き取りの旨を連絡しておこうと、車を路肩に停めて携帯から電話をかける。会話中にふと人影を感じたら、次の瞬間その人が窓を叩いた。

何事かと振り向くと、スーツ姿の紳士が手帳を掲げて会釈した。警察手帳だ。背後を見ると覆面パトカーが自分の車の後ろに停まっている。ちょっとまって、自分は何も悪いことしていませんよ。。。

車は違法改造していないし、通話中だが運転中ではない。この道路は駐停車禁止ではないので、停車を咎められる筈もない。全く心当たりがないので、困惑してしまった。

その警官は、電話が終わってからで結構ですとジェスチャーして、自分の車の傍らで待機している。ディーラーとの会話はほどなく終わり、ドキドキしながら窓を開けて、待っていた警官に声をかけた。

すると、自分が手すきになったことに気づいてこちらに戻ってきた。

「あ、お電話中すみませんね。あなたの車の後ろの電球が切れていましたので、一応お知らせしようと思って。」

そっちかぁ。。。このタイミングで整備不良を咎められるとはツイてない。一応ダメ元で、

「はい、承知しています。丁度今から修理に向かうところです。」

と返答した。そんな申し開きをして、そうですかと納得してもらえた試しがない。もうテンションはダダ下がりである。

「そうでしたか。失礼しました。念のため免許証を拝見させていただいてよろしいですか?」

案の定、免許証の提示を求められた。もう逃げようがない。憮然とした表情で免許証を渡した。電話なんかしないで直接行ってしまえば良かった。。。

余計なことをしなければ良かったと、頭の中が後悔で一杯になり、もう全力で後ろ向き状態である。だが、自分の車のナンバーを控えていたもう1人の警察官が自分の元に寄ってきて語った二の句は意外なものだった。

「お忙しいところすみませんね。実は今、世田谷で起こった殺人事件の捜査をしていまして。」

2000年の年の瀬に発生した世田谷一家殺人事件。当時自分は事件現場からさほど離れていない芦花公園という地区に住んでいた。近所で発生した凶悪事件に自分も少なからずショックを覚え、この街で暮らすことに対して不安を感じたものだった。

今でも毎年年末になるとニュースで必ず取り上げられる事件なので、知らない人は少ないと思うが、未だに犯人が捕まっていない。そのせいで警察の初動を批判するジャーナリストがいたり、アジア人が犯人だと主張するルポライターがいたり、履いていた靴が日本で流通していない韓国製なので韓国人が犯人だと主張する言論人がいたりと、自称名探偵がこぞって揃い踏み状態なのだが、そうした自説の開陳はあちこちであっても、残念ながら犯人逮捕へ繋がる有力な手がかりとはなっていない。

 

「それは知っています。当時近いところに住んでいたので。」

「そうでしたか。あの事件で何か心当たりとかありませんでしたか?」

もう事件発生から11年経っている。近いところといっても2キロばかり離れているのでご近所ってわけでもないし、犯人の特徴とされている人を見た記憶ももちろんない。あればさっさと情報提供している。

「これといってないです。。。」

と答えると、何か思い出したことがあったら、こちらまで連絡くださいと言って名刺を渡され無罪放免。えがった~。。。

 

それにしても、この事件に関する新しい情報がニュースなどで報じられることがなくなって随分経っている。もはや人々の記憶も薄れているだろうし、もし何か知っていても今まで連絡しなかったのだから今更話すネタもないだろう。なので、ニュースの報道は警察がやっている感をアピールするためのポーズに過ぎないのだろうと思っていたのだが、意外にもまだちゃんと捜査が続けられているんだなと妙な感心をしてしまった。

無罪放免だったからよかったものの、車の整備不良をきっかけに、微罪逮捕を目論んでいたのかと思うとなんか複雑な心境。

 

とまぁ、それはさておき。。。
その後ディーラーに出向いて無事ケーブルを受け取った。また警察に誰何されるのはまっぴらなので、帰りがけに近所のコインパーキングに停めて作業をすることに。

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これがそのハーネス。部品番号は写真のとおり。ハーネスは50センチほどの長さで、サードシート脇のインナーパネル内側まで来ているコネクタに接続するようになっている。つまりインナーパネルを浮かせて作業する必要がある。

だったら以前修理が上手く行かなかったインナーパネルの浮きの修理にもリトライしてみよう。取り外し手順は上のリンクを参照のこと。

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インナーパネルの修理に着手する前にコードの交換を先に行う。パネルを外し、後ろ側から隙間を覗くとコネクタが見える。写真の白いコネクタがそれである。

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古いケーブルを撤去し、外側から新しいケーブルを差し込んでコネクタに接続する。車両の内外を隔てるグロメットはしっかりと嵌まっているので外しにくいが、くにくに引っ張っているそのうちゴムが柔らかくなって外せると思う。

作業時間は片側20分ほどだろうか。点灯試験を行って無事点灯することを確認。助手席側も同様の手順で交換完了。

 

と、ここでいったん交換の方は中断してインナーパネルの修理に着手。上記リンク先記事の手順を踏んでもう一度嵌め直してみたが、やはりうまくいかなかった。でもなんだか納得がいかない。

あちこち観察してみると、窓に当たる部分に何かを取付けるためのスリットがあることに気が付いた。パネルの他の場所に同じようなところがないか調べてみたら、スライドドア側にも同じ形状の場所があり、そのスリットに金属の爪のようなものが嵌められていることが分かった。

その金属パーツが、ボディ側のゴムモールに噛み込むようになっていて、それが脱落していたのが浮いてしまった原因だった。理由が分かれば後は対策だ。スライドドア側についているその爪は3カ所あった。3か所あれば1か所くらいなくても何とかなるだろうということで、そこから金具を外して窓に当たる部分に装着してみた。

その状態で再度パネルをはめ込んだら、見事、パネルの浮きが解消した。なるほど、そういうことだったのか。

振り返ると、テレビアンテナを取り付ける際にパネルを外した際、なんか金属的なものがサービスホールに落下するような音を聞いた気がする。あの時に脱落したのだろう。

ただ、他の場所から流用しているので歯抜け状態になっている。歯抜けにした方が今度は浮いてくるのではないか、という懸念もあるが、今のところ大丈夫そうだ。とはいえそのうち浮いてしまう可能性もあるので、近日中に部品を取り寄せて改めてちゃんと嵌め直したい。

 

ということで、パネルの浮き問題が無事解決したので、ライトの方の作業の残りを片付ける。後はソケットにバルブを付けてケースに装着すればおしまいなので瞬殺の筈だったのだが、そこでもうひと波乱。以前のものがどうやって装着されていたのか不思議に思えるほど、どれだけ頑張ってもソケットがケースに嵌ってくれない。ケース側のソケット受けも熱で変形してしまっているのかもしれない。

15分くらい格闘したがどうやっても入らないので、仕方なしにユニットの口の部分をカッターで少し削ってどうにか収めることができた。で、残りは運転席側。こちらもやっぱりソケットが嵌ってくれない。部品番号違うの?と思うくらい嵌らない。

結局、運転席側も同じように加工して装着した。水漏れなどが起こらなければよいが。。。

Posted by gen_charly