[RentaCar-23] HONDA STEPWGN

2008/06/21

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カミさんの知人数人を乗せて富山までドライブに行くことになった。普段、レンタカーといえば軽自動車を借りがちな我が家だが、今回は軽自動車では乗り切れない人数での旅行となったため、珍しくワンボックスを借りることになった。

借りた車は3代目のステップワゴンである。初めて乗る車だったので自分的には興味深く運転してきたのだが、まぁ、極めてメジャーなクルマなので、今更自分ごときがインプレッションしてもしょうがない気がしなくもない。

ということで、一応自分目線で気になったところのメモということで。

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ステップワゴンの3代目となるこの車は低重心をウリにしている。重心を下げることでワンボックスカーにありがちな腰高感や、挙動のふらつきを抑え込んで、セダンと遜色ない走りが楽しめるというのがアピールポイントなわけだが、確かに運転席に座った感じは、初代から比べるといくらか目線が下がった印象があった。

一方でスパイクと比べたら、いうほど低重心か?とも感じた。まぁ、重量のあるものを車体下方に配置することが低重心化であり、目線が下がることとイコールでないわけだが。

低重心化により運動性能を高めることに成功したわけだが、セダンと同等かというと残念ながらそれはない。一方で他のワンボックスモデルと比較して室内高が低くなったことで、室内に広々感がないという評価を下されることとなり、メーカーの思惑どおりの売れ行きとはならなかったようだ。

 

エンジンは2000cc、トランスミッションは4ATとオーソドックスなスペックであり、燃費は大体リッター10キロほど。初代でも感じたが、この車もエンジンがやや非力な印象である。

一方、高速で巡航するときなどは4ATのおかげで必要以上のエンジンブレーキがかかることもなく、安定してスピードをキープすることができる。そのせいか富山までの往復800キロ程度のドライブも特に疲れを感じることはなかった。

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運転席周りはこんな感じだ。メーターが独特な配置になっている。少ない視線移動で視認性が向上するとして、数年前くらいからセンターメーターを採用する車が増えてきているが、この車は視線移動を少なくしたいならセンターメーターよりもメーターを遠いところに置く方がいいんじゃないの?とでもいわんばかりにかなり前方にメータが設置されている。

横長のディスプレイエリアにデジタルメーターが配置されていて、エンジンを停止している時はブラックアウトしている。ブラックアウト状態の時はここにどんな風に各種情報がレイアウトされているのか分からなかったこともあって、見づらそうなメーターだなというのが最初の印象だったが、表示がONになったら思った以上に見やすいメーターだった。これも少ない視線移動で速度などが視認できるので前方が注視できなくなる時間を減らすことができる。

アナログメーターのように、針の位置でスピードのあたりを付ける的な使い方ができないが、一瞬で現在の速度を把握できるのでこれはこれで見やすいと思った。ただし速度表示エリアが横長になってしまった分、エアコンの表示エリアが左の方に寄っており、自分の視力(一応矯正なし)では、エアコンの設定状態がちょっと見づらいなと感じた。

斬新なデザインではあるが、全体的な見やすさといった点ではもう一工夫欲しいところかもしれない。というかエアコンの表示部分はコントローラーの近くでもいいような気がしなくもない。

 

メーターの手前部分には蓋付きの収納が3つ並んでいる。収納が少なめの車なので、小物を置いておく場所として便利そうな感じがする。自分はそこに持ち込んだボックスティッシュをしまってみたのだが、十分な大きさがあって難なく収まるサイズがある。ただし蓋の設計がダメだ。開いたあとその状態を保持できないのだ。蓋から手を離すとパタンと閉じてしまうので、運転中に片手でティッシュを取り出すのがもの凄くやりづらい。停車中なら両手を使えば済む話だが、高速走行中はほぼ停車するタイミングはないし、両手をハンドルから離すわけにも行かない。片手で蓋を持ち上げて、今度はその手でティッシュを掴んで引っ張り出すわけだが、手を離した瞬間に蓋が閉まるのでどうすることもできない。せめてゆっくりと閉じるようにできなかったものだろうか。

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セカンドシートはこんな感じである。3代目からそれまでの片側スライドドアをやめて、両側にドアが付くようになった。まぁ、その方が便利であることはいうまでもない。

シートはだいぶ座り心地が良くなった。これまでのモデルでは、サードシートへのアクセスを考慮して一部が補助席になっているデザインだったが、まぁ不評だったのだろう。ただし座り心地はだいぶ改善されたが、なぜか足元の空間は先代のそれと比べるとやや窮屈に感じた。

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そしてサードシート。こちらは旧モデルとほとんど変わらない。

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シートをフラットにするとこんな感じになる。先代で採用されていた1列目~3列目の全フルフラットはできなくなっていた。

また、写真を見て分かるとおり、シートに段差ができるようになってしまった。座面と背もたれを繋ぐヒンジの位置が変わったことでこのような段差ができるようになってしまったのだが、車中泊などをする場面ではこの段差を埋めないと安眠できなさそうだ。

このタイプのシートは最近のワンボックスの主流になってきているので、他社のモデルも似たり寄ったりなのだが、要は背もたれの高さを稼ぐための苦肉の策である。大前提としてこれはベッドではなくイスなのだからイスとして座り心地が悪いのでは本末転倒。ということでベッドとしての寝心地よりもイスとしての座り心地を優先した結果である。だからまぁトレンドになっているわけだが、個人的には残念な風潮である。

ただし、この車の場合、背もたれの高さそのものは先代と大きな違いはないように見える。だが、この車の全長は先代とほぼ同じ寸法となっている。前述したとおり足元空間の狭さも気になるところだ。要は室内長が短くなっている気がする。

心当たりはひとつしかない。インパネのコンソールだ。上の写真を見てもらうと分かるが、奥行きがかなり深いデザインになっている。一方でボンネットの奥行きはこれまでとそう違わないように見える。ということはこの奥行きのあるコンソールによって室内空間がスポイルされた、ということではないだろうか。

 

ドライバーズファーストということなのかもしれないが、なんとなく本末転倒な感じがしなくもないのは気のせいだろうか。自分的には残念ながらこの車に乗ってワクワクするものを感じることができなかった。

Posted by gen_charly