プリンターは極彩色の夢を見るか
——-
我が家では現在エプソンのPMー301を使用しているのですが、昨年、数年前に会社でサンプルとして購入したきり、殆ど使われること無く物置にたな晒しにされていたPMー930Cがひょんなことから我が家にやってきました。
6色インクのプリンターがまだ出始めの頃、8色インクという豪華仕様のプリンターとして販売された機種で、今更余り必要性があったわけではないのですが、もしちゃんと印刷できれば、親戚関係にあげることも出来そうだと思ったので、頂いてきたわけですが。。。
外見はずっとたな晒しされていただけに傷も殆ど無く至って綺麗ですが、インクは5年以上前にセットしたインクがそのままで、もう固まって使えなくなっているだろうと思いながらテスト印刷をしてみたところ、やっぱり殆どの色が固まってしまっているようで、かなりアバンギャルドなプリントが吐き出されました。
そこで、まずはインクを変えてみようと思って、8色セットのインク(33シリーズ)を購入してきて、交換してみたのですが、印刷結果が交換前と全く変わりません。。。
ノズルも詰まったのかと思って、2,3度ノズルクリーニングを実施してみましたが、結果は全く変わらず。。。
これだけノズルクリーニングを実行しても印字結果が変わらないなら何度やっても効果は無いらしいので、結局諦めて自宅の物置に放置していました。
それから数ヶ月経ち、ある時偶然ネットに対策法が掲載されているの見つけ、原付もチャレンジしてみることにしました。
見つけた記事によると、要するにプリントヘッドを分解して、ノズルに詰まったインクを溶かして落とす!という荒療治です。
まぁ、壊れたところで懐も痛まないので、実験台には丁度良いところです。
今時PMー930Cを大事にしている人も少なくなってきていると思いますし、いたところで修理するのにここを参照する人はもっと少ないと思うので、軽く流して行きますw
まずは、インクを全て外して、底部のネジを三箇所外します。
インクケースの右側の面のプラスチックは表面を外すことができるようになっているので爪を割らないように外していくと、フラットケーブルが2本収まっています。
ヘッドを持ち上げて取り外します。
フラットケーブルはちぎらないように気をつけながら引っこ抜けば外せます。
ヘッドの上にレッドのインクがべったりと固まっています。
これではキレイに印字できるはずがありません。
さて、このインクを溶かす溶剤を入手するわけですが、件の記事では無水エタノールが丁度良いと書かれていたので、それに従って原付も入手。ドラッグストアーで1500円でした。
で、どうやって浸そうか考えた結果。。。
キッチンからこんな容器を見つけてきました。
多分キムチかなんかが入っていた容器ですが、きれいに洗ってあるようだし、まぁ、大丈夫でしょう。
ここにエタノールをドバドバ入れてしまうともったいないので、電池をビニールに包んで重りとしていれて置くことにしました。
で、こんな状態になるわけです。
見ていると少しずつ地味にインクが溶け出しているようですが、そのスピードは遅く、一晩放置してみました。
翌日。
一晩漬け込んだエタノールは少し青く変色していました。
ヘッドを持ち上げてみると、べっとりとこびりついていたインクも綺麗に剥がれ落ちているようです。
これだけ落ちていればもう大丈夫だろうと、軽く新しいエタノールですすぎ、2時間ほど乾かしてから本体に装着。
再度テスト印字を実行してみたところ、
変化無し。。。
再びヘッドを外してつぶさに観察して、インクの受け側のノズルから少しクリーニングしてみたら変わるかもしれないと考えました。
上記の記事より更に荒療治になりますが、プリンタの詰め替えインク用の注射器が余っていたので、受け側から空気を押し込んでみたら、案の定、ヘッド側からタンク内に残っていたインクがずるずると滴り始めました。
1色に付き数回ポンピングしてそれから再びエタノール皿に浸してみると、前回と違って勢い良くインクが溶け始め、エタノールがあっという間に得も言われぬ色合いになって行きました。
念のため、それを3回繰り返して、キリがなさそうだったので、再度組み上げてテスト出力を行ってみたのですが。。。
以前よりはだいぶちゃんとしてきたものの、まだまだ完治には程遠そうな感じです。
更に数回しつこくやるか、ヘッドごとエタノール風呂にぶち込むかすれば解決するかもしれませんが、面倒くさくなってしまったので施術終了です。
もしかしたら、3.11の時にベースキャビネットに背負い投げされているので、その時にどっか壊れてしまったのかもしれません。。。