テーブルの制作
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前にも書きましたが、ステップワゴンのバタフライシート車はセカンドシートの背面がプラスチック成型のテーブルになっていて、サードシートと、回転させたフロントシートでそのテーブルを囲えるようになっています。
普通のお出かけであればこれで必要にして充分なのですが、車中泊の旅行に出かけた時など、布団や寝袋を敷いている時は、テーブルを使う時にそれらを一旦片づけなければならず、何気に面倒だなと感じていました。
車中泊旅行の多いキャンパーなどは作り付けのテーブルを設置している人もいて、こういうのが有れば便利そうだな、と思ったのですが、うちの車の場合普段はシートに人が座ることもあり、また荷物を積むときにシートを畳んで使うこともままあるので、作り付けにしてしまうのはやや難があります。
それに作り付けにしてしまうと、寝るスペースがその分だけ狭くなってしまうので、ゆくゆく3人ぐらいで使うことも考えている原付にとってはそういった意味でも好ましくないわけです。
簡易的に折りたたみのテーブルかなんかを都度都度持ち込んで使うのが一番シンプルな解決法かなとも思うのですが、我が家は駐車場が不便なマンション暮らし。
いちいち自宅から持ち出すのは案外面倒で、できれば車内に置きっぱなしにしたいところですが、それはそれで車内が邪魔になってしまい、なかなか難しいところです。
ということで、
- 今の備え付けよりも使い勝手がよいもの。
- 普段は普通のワンボックスとして使えるよう脱着式。
- 外した時は車内で邪魔にならない場所に仕舞っておける。
- 脱着は出来るだけ簡単に。
という要望をかなえられるようなテーブルを作るのが原付に与えられたミッションです。
最初に思いついたのは病院に有るようなベッドを跨ぐ形のテーブルだったのですが、シートをまたぐ=車体の室内幅とほぼ同一ということで、1m以上の大きさの天板が必要になり、仕舞う場所の確保が難しくなるので却下。
次に考えたのが、車体の前後方向に窓と平行に作る案です。
この場合天板のサイズが自由に出来るので、仕舞う場所を先に決めてそのサイズに合わせることが出来ます。
どんな材料を揃えればよいかホームセンターに繰り出して色々調べているうちに、テーブルの設置場所となるリアの右側の窓にはめ込むように仕舞うアイディアを思いつきました。
運転席側のリアウィンドウは基本的に視線を送ることが無いので、ここなら隠れていてもほとんど問題ありません。
当初は片持ちの折りたたみ式のアームに天板を乗せたテーブルを作り、それをシステムラックの柱に取り付けて、天板は畳んで仕舞うようなものを漠然とイメージしていたのですが、イメージにしっくり来るような都合の良い部材がなかなか見つかりません。。。
そんな中見つけたのが、壁面に棚を作るための棚受けです。
上の写真は棚受けの柱部分で、ほかにもこれの専用パーツとして、片持ち形の棚受けや壁から浮かせて設置したい時に使うパネルサポートなどのパーツもあって、これらの部材を組み合わせて作ることが出来そうです。
棚受け
パネルサポート
棚受けは柱に刻まれた溝へ引っ掛けるだけなので、もちろん走行中に使用することはできませんが、それは想定していないので問題ありません。
耐荷重量は21kgと書かれているので、食卓として使う分には問題ないでしょう。
設置を考えている場所は、ここ。
柱は壁面にねじ止めをして固定する設計ですが、ステップワゴンの凹凸のある面に固定するのはちょっと容易ではありません。
どうしようかとあれこれ探っていたら、シートとパネルの隙間に差し込んだだけでもクッションが支えになる形でそこそこ固定されることが分かったので、本格的な固定方法は後で考えることに。
もっとも固定されているとはいっても、シートのクッションだけではテーブルを載せてそのまま使えるほどではなかったので、ちょっとひと工夫。
ここでパネルサポートの出番です。
パネルサポートにL字型の金具を二つ組み合わせてこんなものを作ってみました。
L字型の金具を窓枠にひっかけるように挟んでから窓を閉めることで、柱をしっかり固定することが出来るようになるつもりだったのですが。。。
設置イメージはこんな感じ。
設置場所の床面が水平ではなく、前方にわずかに傾斜していることが判明し、窓の位置に対して、パネルサポートをひっかけるための柱側の穴が若干ずれてしまうことが判明。
右側はかなり丁度良い位置に収まったのですが、左側は数mm程下がってしまうため、柱を大きく揺らすと、パネルサポートのフック部分が柱から外れてしまうのです。。。
仕方なしに足元に数mmに切ったボール紙を置いてみたのですが、若干しっくりこない感じです。
まぁ、これも後で考えるか。。。
それから、現時点では窓の一点で柱を支える構造になっているため、二本の柱を平行を保つために、アシストグリップバーを流用して柱とタイラップ固定しておくことに。
棚板に乗せるテーブルはホームセンターで見つけた、90cm x 40cmの焼板にしてみました。
焼き板にしたのは、黒っぽい色合いが車内の色に少しでもなじむことを狙ったものです。
これに棚受けをねじ止めして、柱に固定してみます。
こんな感じになりました。
天板の面はごく僅かな傾きがあるもののおおむね水平でなかなかの出来栄え。
万が一天板の上で液体をこぼしても下に流れないように、あとで四辺にクッションかなんかを取り付けておこうと思います。
さて、上の写真でも紹介したとおり、棚受けは固定式のため、そのままで折りたたむことができません。
当初の設計ではバネ付のヒンジなどを活用して折りたためるようにしようと思っていたのですが、そこのホームセンターには適当なものが見当たらず。。。
結局、当面の間棚受けごと脱着して仕舞うことにしました。
そこで買ってきたのがこんなもの。
テーブル板を受ける受け皿になる金具と、柱の上部からヒモで吊るすカラビナと、それを受ける金具です。
ヒモは家にあった細身の電線を使ってみることに。
で、仕舞うときはこんな感じです。
都度都度使うたびに脱着が発生するのが面倒といえば面倒ですが、布団を畳むよりはマシということで。。。
ここまで作り終わった所で、試走してみることに。
軽く近所を走らせてみましたが、どこかで金具がぶつかり合う小さな金属音が出るものの、想像以上にしっかりと固定されることは分かり、まずは一安心。
年末の旅行の時に早速使ってみました。
カセットガスコンロに鍋を乗せて食器類も並べてみましたが、ぐらつくこともなく安定感は抜群、かなり使い心地は良好。
前述の通りテーブルの高さも調整可能なので、ちょうど良い高さが選べるのもポイント。
後ろの窓が小さく開くので、コンロを使うときの換気も安心。
(念のためにスライドドア少しとサンルーフも開けておきますが。)
靴を脱いだまま胡坐をかいて食事できるのが楽ちんです。
真横にテレビがあるので、テレビを見ながら鍋を囲むのもオツなものです。
明るい時なら目の前に広がる景色を見ながら食事するのもいいですね。
さて、首尾よく行ったように見える今回の作業ですが、課題もいくつか残りました。
まず、テーブルをしまうとき用に付けた受け皿金具がシートと干渉してしまい、シートを完全に起こせなくなってしまったことです。
また、天板の収納位置も後部座席に人を乗せる場合に現在の位置のままでは危険なので、うまくしまう方法を考えなければなりません。
#今は仕方なしに天板を撤去して自宅に持ち帰っているので、加工当初の目的が果たせていません。。。
あと、焼板を使った関係でテーブルを水拭きすると拭いても拭いても布巾にススがついて黒くなってしまう事です。
まぁ、これは気分の問題ですが。
それと、天板が大きすぎて仕舞う時にちょっとやりづらい点でしょうかね。
我慢できなければ板を切って少し小さくしてもいいかもしれません。
また何かいい方法が思いついたら続報を書きます。