005127 – HONDA INSIGHT

2009/04/12

20090412_113151

大阪へ出張へ行く事になり、日曜日が一日空いたので、大阪の私鉄の撮り貯めをしようと思ってレンタカーを申し込もうとした所、レンタカー会社のWebサイトでインサイト限定のキャンペーンが貼られていたので、速攻で予約を入れました。

20090412_171254

無事予約が完了して乗車する事が出来たので、インプレッションしてみたいと思います。

ホンダが満を持して世に送り出したハイブリッドカー、インサイト。
実はこの車は2代目となるもので、インサイト自体は、2004年に初代が登場しています。

初代はどちらかというとコンセプトカーに近い感じで、2シーターで後部は全てバッテリーエリアという実用性があまり無い車でした。

それからシビックのハイブリッド版を販売したきり、ハイブリッドモデルは発表されず、プリウスがかなり好調な売れ行きを見せているのを指をくわえて見ているような状況でした。
(指をくわえて見ていたかは分かりませんが。。。w)

原付がハイブリッドカーに乗ったのはこれが2度目となるのですが、初めて乗ったのは知人が乗っているハリアーハイブリッドでした。

なので、比較にはならないかもしれませんが、トヨタのハイブリッドシステムとホンダのハイブリッドシステムの違い等を含めて書いてみようと思います。

20090412_132937

まず、インパネについて。

今回レンタルされたのは、一番基本のグレードとなるGで、パドルシフトなどはついていませんが、ミッションなどは全て同じで、内装の違いがメインとなります。

まず、乗車してみて一番最初に感じたのが、内装の質感のチープさ。
全体的なデザインについては良く考えられたデザインになっていて好ましいのですが、ありとあらゆる所の素材が叩くとコンコン、と音が出るような硬いプラスティック形成になっていて、価格を押さえる為とはいえ、若干残念な感じです。

中央にオーディオパネルがあり、今回のレンタカーでは非純正のナビが設置されていました。
パネルの周囲は光沢のある黒いパネルが採用されていますが、ちょっと触れただけで指紋がついてしまうので、好き嫌いが分かれそうです。

20090412_133653

余談ですがこのナビ、ストラーダの楽ナビが付いていましたが、右左折のナビゲーションがワンテンポ遅く、知らない道を走行中、右折車線へのアシストが遅すぎて右折しそこなう事数回。。。

正面のメータはタコメータ、燃料計、モーターの作動状況を示すインジケータと各種情報を表示するインフォメーションパネルが有ります。
写真ではハンドルの陰に隠れてしまっていますが、正面メーターの上段にはデジタル式の速度計が別ウィンドウであり、そこの背景に走行状態を色で表示するイルミネーションが付いています。

正面メーターのインフォメーションパネルについては、ハンドルの右側スポークに設置されたコントローラーで各表示項目を変更する事が出来ます。

メーターエリア左側にエアコンのコントロールパネルがありますが、運転席側に若干オフセットされているため、助手席側からは少し操作しづらそうです。

オーディオパネルの下部にちょっとしたセキュリティボックスがついていますが、ここはタバコが入るくらいの大きさしかないので何のために蓋をつけているのか分からない収納場所です。

20090412_133221

カップフォルダーについては、センターコンソールに2個、左右ドアポケットに各1個付いています。
センターコンソールは仕切りを取り外す事ができ、外すと比較的大きなトレイとして使うことが出来ます。

カップの大きさによって位置がずれないように羽根がついていますが、これがラバーかなんかで出来ている為、使っているうちにちぎれてしまいそうで、少し心許ないです。

着座位置については、シート側にハイトアジャスター、ハンドルにテレスコピック・チルト機能が付いているので、丁度良い位置にセッティングする事が出来ました。

20090412_082504

さて、外見を見たときに気になっていた、セパレートされたリアウィンドウ、プリウスもそうですし、かつてのCR-Xなどでも有ったものですが、両ウィンドウを仕切っているピラーの部分が後方の視界にどのくらい影響を与えるのだろう?と疑問だったので、乗車してまずバックミラー越しにリアを見てみました。

結果はご覧のとおり。
後続車の位置によってライトなどが隠れたりしますが、慣れるとそれ程気にならない感じです。
ただ、ライトが隠れると、後続車が右左折しようとしているのが分からなかったりするのはちょっと気になりました。

最近のドライバーは後方を殆ど気にしていない人も多い様なので、気にならない人も多いと思いますが、原付は割とちょくちょく後方を確認して、後続車との間合いを見たりするので、正直言うと邪魔でした。。。

乗車してまずはエンジンを掛けてみます。
セルが回る音がせずいきなりアイドリングが開始されます。

トヨタ系のハイブリッド車は停車時にはエンジンを停止させているので、始動する時もエンジンを掛けるというよりは、スイッチをONにする、という感じなのですが、インサイトは普通にエンジンが始動するので、ハイブリッドカーに乗っている感じはあまりしません。

発車してみると、エンジン音の後ろの方で高周波のモーター音が若干聞こえるような気もしますが、殆どエンジン音だけなので、やはりハイブリッドカーに乗っている感じはありません。

インサイトは基本的にモーターのみでの走行をメインには考えていないようで、モーターはエンジンの動力の補助的に動作するので、さしずめ電動アシスト自転車のような感じです。

ただし、それでもアシストは結構しっかりやっているようで、普通にアクセルを踏んでも1.3リッターとは思えない力強い加速を得る事が出来、合流などにもストレスを感じる事無く運転できます。

カタログを見ると、エンジンとモーターでの合計出力がわずか102psという事なので数値的には案外非力ですが、運転している時にその非力さを感じる事は有りませんでした。

20090412_103444

上の方にも書きましたが、メーター上段に設置されているスピードメーターのイルミネーションについては、加速時など燃料を沢山消費している時は青に、省エネ走行をしているときは緑になるようになっています。

20090412_103506

自分のアクセルワークが省エネなのかどうかが、このイルミネーションで常に分かるので、気が付くと、なるべく緑の状態が続くように気を付けてしまい、無意識に省エネ運転ができるのがうれしいです。

20090412_130625

ちなみに、モーターのみで走ったりするの?という疑問はどなたも思う事かも知れません。
結論から言うと、インサイトもモーターのみで走行するシーンはあります。
上の写真がその証拠物件wです。

エンジンからの動力供給の矢印が無く、バッテリからの矢印だけになっています。

ところが、写真を見ていただくと分かるとおり、エンジンの回転計は1700回転付近を指しています。

つまり、エンジンは停止していません。
単純に動力供給だけを止めて、エンジンは止めていないようです。

トヨタのハイブリッド車はこういう場合でもエンジンを止めてしまうので、モーター音のみになるのですぐに分かるのですが、インサイトはエンジンが動いているので、メータを注視でもしない限り全く気がつきません。

ちなみに、上の写真の状態は一瞬しか続かず、少しでも踏み込むとエンジンへ燃料供給を始めるので普通に乗っていてモーターのみの走行状態を実感するのは殆ど無理でしょう。
まぁ、モーターの出力がわずか14psしかないのでそんなものかもしれません。。。

一般道を暫く流した後、高速に乗ってみました。
空いている場所で、アクセルを目一杯踏み込んで見たところ、エンジンは容易に6千回転まで回りきり、モーターアシストも最大になり、耳に聞こえるくらいのモーターの駆動音が聞こえます。
モーター音については、電気モーターの音といえばそんな風にも聞こえますが、CVTの駆動音にも近いような感じで、目隠しをして助手席に乗せられたら、モーター音とは分からないかも知れません。

車両が空力特性を考えて設計されているだけに、100キロをオーバーしても不安定感は殆どなく、地面に吸い付くように走っていくのですが、サスペンションが、ホンダらしい若干固めのセッティングになっているため、段差などで一瞬飛び跳ねるような感じが有り、その時はちょっとヒヤリとする時も有りました。

一般道を走っているときは、交差点などでブレーキを踏んで停車すると10キロを下回るあたりでエンジンが停止し、メーターパネル上の 「AUTO STOP」のインジケーターが点滅します。

20090412_125239

エンジンが停止するとエンジンブレーキがかからなくなるので、急にブレーキが緩くなったような感じがありますが、あまり気にならない程度です。
また、ブレーキペダルから足を離すとすぐにエンジンがかかりますが、ブレーキを離してすぐにアクセルを踏むと、一瞬エンジンが追いつかない感じがあるので、一呼吸置いてからアクセルを踏むようにした方がよさそうです。

エンジンブレーキを得ようとしてATセレクターをSやLに入れても、基本的にエンジンが非力だからか、エンジンブレーキはあまり強くかかりません。
また、その状態で停止してもアイドリングストップは行われないので、この辺どっちがエコな運転なのか分からなくなりますw

それと、アイドリングストップが行われると、エアコンも一緒に停止します。
当日は少し汗ばむくらいの陽気だったのも有って、エアコンが停止すると車内が急にムワっとしてしまい、炎天下の時はちょっとツラいんじゃないかな、と思いました。
ただ、アイドリングストップの時間が長引いて、センサーが一定の温度に達すると、再びエンジンを始動してエアコンを回すようになります。また、発進→停止が続くとアイドリングストップを行わない事も有るようです。

20090412_103915
ブレーキを踏んでいる時やエンジンブレーキがかかっているときは、回生機能を使ってバッテリーへの充電が行われます。

上の写真の左側のゲージがモーターのアシスト/チャージを表示するインジケーターなのですが、チャージ状況を見ると、エンジンブレーキで減速するよりもブレーキを踏んだ方がより沢山のチャージを行うようなので、結局エンジンブレーキを使っての減速はあまり行わない方が良いのかも知れません。

20090412_133313

運転席コンソールの右側にはECONボタンが有ります。
ボタンを押しているとインパネ内のインジケータにECONランプが点灯します。

これをONにするとエアコン等を省燃費優先モードで動作させると同時に減速時の回生充電量を多くする制御がなされるそうです。

走行中ONにしたりOFFにしたりして試してみましたが、さほど違いは無いような感じでした。
そういう意味ではONにしておいた方がよさそうですね。

さて、車内についてですが、どうした訳だか、フロントシート側の写真を撮り忘れてしまいました。。。
という事で、リア側の写真しかないのですが。。。

20090412_133429

まずリアシートについてはこんな感じです。
廉価モデルのGにはセンターアームレストがありません。
まぁ、これは仕方ないでしょう。

シートについては、メッシュ調の生地で出来ていて、座った時の肌触りは悪くありません。
着席してみると、足元の広さについては、普通のセダン並み、という感じで狭くも無く、広くも無く。
普段使いで乗車する分には不満は出ないと思われます。

ただ、リア乗車時にはヘッドレストの高さが低いので、ヘッドレストを上げて乗車することになりますが、上げたままだと、リアの視界を大きく妨げてしまいます。

20090412_133137

リアシートを畳むとこんな感じでそこそこフラットな空間が生まれます。
リアウィンドウが寝ているので、サンルームのように燦燦と日光が降り注ぎます。
トランクルームとしてそれでいいかはともかく。。。w

20090412_133046

リア側から見るとこんな感じです。
手前側の切り込みの所は蓋になっていて、開けると小さなもの入れになっていました。

朝9時に車を受取り、ほぼ半日走らせて20時に返却したのですが、この間の走行が400キロ弱。
燃料計的には半分も減っていませんが、果たして給油してみた所、16リッター入りました。

つまりおよそリッター25キロという事になります。

ハイブリッドらしからぬ挙動の割りには、しっかりと低燃費をマークしている辺りは流石です。

また機会が有ったら乗ってみたい車の一つになりました。

Posted by gen_charly