[ParentsCar-03] MAZDA COSMO L Super Custom
型式 | E-CD3MC |
全長/全幅/全高(mm) | 4500/1685/1345 |
車両重量(kg) | 1125 |
ミッション | 5MT |
駆動方式 | FR |
エンジン型式 | MA |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒OHC |
総排気量(cc) | 1970 |
最高出力/回転数(ps/rpm) | 110/5300 |
最大トルク/回転数(kg-m/rpm) | 17.0/3000 |
所有時期 | 昭和57年~昭和60年頃 |
キャラバンを仕事用として乗っていた頃、自家用として乗っていたのがこの車だった。コスモと言えばロータリーエンジンのイメージが強いが、うちの車はレシプロ版だった。しかもAPではなくL。
コスモLは、「瞬間、コスモの匂い」というキャッチフレーズのCMで一世を風靡したコスモAPの派生車種である。APより上品で落ち着いた雰囲気をアピールするため、クーペボディが採用された。とはいっても違いは後席から後ろの部分だけである。
APはハッチバック風の若々しいデザインで、奇抜な形状のテールランプが特徴的だったが、Lはシックにまとめられていた。
Lで特徴的なのが、後席部分の窓から上が革張りになっていることだった。これをメーカーはランドウトップと呼んでいた。これは当時のアメリカ車で採用されていたデザイン手法で、日本ではコスモの他にクラウンクーペが採用していた。
というかこれ、どうやってお手入れするのだろうか。まぁ、ずぼらな父親の事なので、気にせず洗車機にぶち込んで、特段の手入れはしていなかったようだが。。。
マツダとしてはかなり力を入れたモデルだったらしいのだが、街中ではあまり見かけなかったので、期待とは裏腹にあまり売れなかったようである。
今はどうか知らないが、当時のマツダ車は下取りが安い、といわれていた。下取りが安い分中古の販売価格も安かったそうで、父はそこそこデザインや出来の良い車が安く買えるからと、マツダ車に好んで乗っていた。
この車も当然中古で買ったものである。というか、我が家の車は全て中古車だったので、ポリシーとして新車は買わないという不文律があったようだ。
このエントリを最初に書いた時はこの車を撮影した写真が手元になく、記憶の中の車となっていた。なのでカタログなどを取り寄せてそれを参考にしながらエントリを書き上げたのだが、それから少しして倉庫を片付けた際に古い写真やネガが大量に発掘され、その中にいくつかこの車の写真があった。
折角なので発掘されたそれらの写真を交えて改めて書き直すことにした次第。
我が家のコスモLはこんな車だった。アルミホイールとフォグランプは後付けオプションのようだが、購入当初から取り付けられていた。
ボンネットのフードは前側にヒンジがあるタイプだった。多分デザイン的なものだと思うが、メンテナンス性はあまりよくなさそうだった。
前ヒンジのフードは衝突時にフードが車内に飛び込んでくる危険性があるということで、今では廃れている。
上の写真でラジオアンテナが無いことに気づいた人はどのくらいいるだろうか。当時の車は大抵運転席側窓上にホイップ式のアンテナを付けているか、リアのトランクの脇あたりに電動アンテナを付けている車が殆どだったが、この車はフロントウィンドウの上部にアンテナがプリントされていた。なので、ラジオを聴くときにいちいちアンテナを伸ばさなくてもよかった。
こういう、デザインをすっきりとまとめようとするこだわりは、流石マツダだな、と思う部分である。
コスモLの特徴的なリアセクションだが、そのデザインゆえ、後席用の窓がことさら小さな窓になっている。メーカーはオペラウィンドウと呼んでいた。窓ガラスにプリントされたロゴが時代を感じさせる。
オペラホールの個室にある小窓をイメージしたものだというが、車において窓を小さくするメリットは外部から後部座席の様子を分かりづらくする以外にないと思う。
窓が小さいので、リアシートは何となく薄暗い印象で、風通しもあまりよくなかった。
当時の我が家のフォーメーションは子供は後ろに乗りなさい、だった。だが2ドア車でしかも親がフロントシートを後ろ側にセットするので、子供の体格でも狭苦しくて、あまり乗りたい席ではなかった。
自分は車酔いをしやすい子供だったので、車酔い防止に窓を開けて外気を採り入れたいのだが、この小さな窓は開けてもあまり換気が良くなかった。そのうえ父は車の中でたばこを吸っていたので、煙が流れてくると覿面に酔った。
他の車よりもこの車に乗っている時の方が車酔いすることが多かったような記憶があり、正直当時はあまり好きな車ではなかった。
そんな印象の悪い車ではあったが、大人になってからふと昔乗っていた車の事が気になった時期があった。というのは、上述のとおり当時はこれらの写真が手元になかったうえ、マイナーな車種だったのでインターネットで調べてもあまり情報が出ておらず、そのディティールがはっきりしない事がどうにも気になってしょうがなかったからだ。
思い煩うあまり、近所の駐車場に置かれたこの車を見つけて早く写真に撮らなきゃとカメラを探すが見つけられずにハラハラする、という夢を何度も見たほどだw
写真が見つかるまで、八方手を尽くしてあれこれ調べていく中で、どんどん思いが前のめりになってしまい、もう一度乗ってみたいという気持ちがむくむくと頭をもたげてきた。いや、すでに製造終了して何十年も経っている車である。しかもレアモデル。あったらびっくりだね、と思いながらネットを調べていたら、なんとYahooオークションで売られていた。
屋根付き車庫でずっと維持されていた車で、見た目は至って綺麗。走行もあまり伸びていないにもかかわらず、売り出しが50万円だという。
50万なら出せる。頑張れば維持できそうな気もする。欲しい。これ欲しい。
1人でハイブロー状態になってしまったが、カミさんに話をしたら「バカじゃないの?」と一蹴されて我に返った。
そうだよな。まぁ、維持なんかできる訳ないよな。。。でも、反対を押し切って買ってたら、悔いのない人生が送れたような気もするがw
さて、上記は石川県の松任にある日本自動車博物館に展示されていたコスモLである。
この博物館は、クラシックカーを展示している博物館なのだが、クラシックカーと言っても軽自動車やベーシックカー、貨物車など、日常の足として使われていたような車を中心に大量に収集・展示しているという、異色の施設である。
探してくるのも大変そうだが、それをきれいに修復する手間や、それを展示する広いスペースの確保など、並々ならぬ苦労があると思う。これらの車の1台1台が、日本を代表する産業の歩みの1ページであり、それがここに凝縮されているのだ。自分的にはこんな博物館が世の中に存在しているということ自体が貴重だと思う。ぜひ国で保護していただきたいw
カミさんが全く興味を抱かないので、なかなか行きたいと言えないのだが、いつか再訪したいと思っている。
まぁ、それはさておき、Lである。APは置かれていないのにLが置かれているところが激シブである。
自分のツボのど真ん中を突かれ、キュン死しそうだw
しかもロータリーエンジン搭載のリミテッドである。カタログを飾っているだけかと思っていたが、所有していた人がいたんだなぁ。