[DigiItem-13] 東京デジタルホン NEC DP-113
東京デジタルホン NEC DP-113
1997年入手:
自分が2番目に手にした携帯端末であるが、これも父が契約した電話機である。
当時、携帯電話は大きくPDCとPHSに分類され、PDCではドコモが大きなシェアを持っていた。一方PHSは多くのキャリアがしのぎ削っていたので競争が激しく、そのせいかドコモは高い携帯電話、それ以外のPHS各社は安い携帯電話、と言う風な棲み分けになっていた。
その辺りはPT-101のエントリも参照いただければと思うが、PHSは購入代金や通話料が安くていいんだけど、通話エリアが狭いうえ端末も安っぽい感じだった。なのでお金を持っている人がドコモのPDC端末を使い持ってない人がPHSを使う、みたいなイメージがあって、PDCに対する憧れみたいなものがあった。
そんなPDC業界もシェアは少ないものの、いくつかのキャリアがあった。その中の1つが東京デジタルホンである。このキャリアは現在のSoftBankのルーツになったキャリアであった。
ドコモに対抗するためこのキャリアもかなりの安売りや値引き攻勢を展開していて、父はそんなキャンペーンに乗って契約したらしい。契約後、いっときこれをメインで使っていたのだが、その後再びDDIに戻す(というか追加で回線契約する)ことにしたらしく、この回線が余るので使わないか、と打診されたのだった。
PDCのキャリアに憧れがあったということもあり、ありがたく拝借してこの端末が手元にやって来た。
引き続き回線使用料と通話料は父親持ちである。なのでこの電話も無料通話分の範囲でやりくりして使っていた。
まぁ、あの頃はどこの家にも家に固定電話があったし、自分以外の同世代で携帯を持っている奴も少なかったので、大抵はお互い家の電話にかければ事足りたこともあって、それで不自由を感じることもなかった。
初めて手にした折り畳み式の携帯電話である。設計が古いからか大きさの割に結構重たかった。
当時のPHSはとにかく安く作るためなのかストレートタイプのものが多く、一方PDCは本体が大きくなってしまうせいか折り畳みタイプのものが良く出回っていた。なのでストレートタイプの携帯は安っぽい印象があった。
今なら我慢することが無ければできるだけく軽い方がいいと思うが、当時は中身が詰まったずっしりとした重さにステータスを感じたものだ。
で、そんな憧れの携帯を入手した訳だが、元々安売りされていたものを買った父からのお下がりなので、設計はかなりクラシカルだった。見た目も野暮ったいし機能もシンプルで、他の人の携帯と見比べると見劣りする感じは否めなかった。まぁ通話料を払って貰っている身分でわがままが言えた義理でもないのだが。
とは言ってもトランシーバーに毛が生えたような存在だったPT-101と較べたら機能は充実していた。
まだメッセージのやり取りが出来る時代ではなかったのでメール機能は搭載されていないが、画面は半角カナの文字を表示することが出来るようになりアドレス帳が実装された。
それまでは相手の電話番号を記憶しておくか、手帳などのメモを見て電話をかけていたのだが、携帯電話に登録してそこからかけられるようになったのは画期的なことだった。考えてみれば当時は大体の友達の家の電話番号は頭に入っていて、みんなソラでダイヤルをしていた。それが今ではアドレス帳任せなので、なんならカミさんの電話番号ですら怪しい。これって脳が退化しているということでは。。。
ちょうどこの機種を使っている時に東京デジタルホンがJ-PHONEになった。それと時期を合わせて自分も成人を迎えた。
成人になって親のスネをかじり続ける訳にも行かないし、親の顔色を窺わずに電話を使いたかったのもあって程なく新しい機種に買い替えることにした。