J-PHONE SHARP J-SH04
——-
藤原紀香がCMをやっていた機種で、「写メール」という言葉が広まるきっかけになった記念碑的なモデルです。
この機種の特徴はなんと言ってもカメラ付きであること。
カメラのスペックや画質は今の感覚で言えば、いや、当時でも見るに耐えないレベルでしたが、11万画素、96x128または120x160ピクセルの写真が撮影できてしかもそれをメールで送れる、というのは当時は非常に斬新なものでした。
元々は外回りをするエンジニアが、問題を起こしている物件を撮影して遠隔地から報告したい、という要望に基づいて開発されたものだという噂がありましたが、確かにデジカメで撮影して会社に戻ってから印刷するよりは早く、ノートパソコンを持参して取り込んでから通信カードやISDNの公衆電話からモデムで送るよりは手間がかからないので、この程度の画質でもそれなりに需要が見込めたのかもしれません。
とはいっても、その画質はかなりひどいもので、静止しているものならそれなりに撮れるのですが、動いているものだとほぼまともに写らず、ほぼメモ代わりとしてしか使えないレベルです。
もっとも、当時はデジカメでもせいぜい100万画素程度で、しかもやたら電池を食うモデルばっかりだったことを考えると、おまけ程度でも電池がそこそこ持って、気軽に撮影できるカメラが付いているというのは結構なアドバンテージがあったのも事実です。
それでも当時は「携帯にカメラなんか付けてもねぇ。。。」と否定的なコメントを言う人が結構多かったのですが、こんにちカメラの付いていない携帯電話が殆ど無いことからも、これは先見の明であったと思います。
液晶画面はカラー表示になり、表現力は格段にアップしました。
まぁ、デジカメが付いているのだからカラー液晶は必須だったわけですが。
この頃、J-PHONEがスカイメールの受信を無料にしたことで、気軽にメールの送受信が出来るようになったのも高ポイントです。
当時、PCでのメールのやり取りに費用は発生しないのに、携帯電話のメールは費用が発生するのが当たり前でした。
しかも、百歩譲って送信にお金がかかるのはしょうがないとしても、受信にまで費用が発生してしまうという、今となっては信じられない仕様になっていて、望まざるスパムメールが大量に送りつけられて通信費が高騰するという、ドコモ持ちの人の苦悩を良く聞かされていたので、このサービスはまさに快挙といってもいいくらいの出来事でした。
もっとも、自分の設定したメールアドレスには滅多にスパムが送られてこなかったし、身近なJ-PHONEユーザーも同様であったことを考えると、アドレスを変更してもすぐにスパムが届くと不評だったドコモでは通信費を稼ぐためにドコモ自身が意図的にアドレスを流出させているんじゃないかと噂されていたのもさもありなん、といった所です。
当時J-PHONEは「つながる、Jフォン」というキャッチフレーズでCMを流していて、メールの受信無料化と共に通話の音質の良さをアピールしていましたが、音質についてはどうだったか定かではありません。
そのほか、着信音がビープから16和音のFM音源へと大躍進し、パソコンのサウンドブラスター並みの表現力を手に入れています。
もっとも16和音もあると自作メロディで入力すると、よほど根気良く入力しない限り、きわめて貧弱な着信音になってしまい、この頃からは自分で打つのではなく、スカイウェブの公式サイトにアップロードされた着メロをダウンロードして使うというのが一般的になっていました。
携帯電話にカメラが付いたことで盗撮被害が社会問題となり、盗撮防止のためのシャッター音を不正改造で消音までして盗撮に及ぶ人が居たらしいのですが、ちょっと考えればその時の手の位置も電話機の向きも不自然な方向を向くと思われ、構えた時の怪しさは、音で気が付くとか気が付かない以前に明らかに不自然なんじゃないかと、当時から不思議に思っていたものです。
そもそもあの程度の画質で満足できるのか、という疑問もあったりするのですが。。。
この機種を衝動買いして暫くして、同スペックで折りたたみ形になった後継機種(J-SH05)が発売され、内心折り畳み形が欲しいと思っていた原付は若干悔しい思いをしたものの、気軽に買い換えるようなものでもなかったので、結局2年くらい使いました。
この機種含めまた当時の機種は外部メモリの付いていないものが殆どで、ショップで機種変更をするときに、撮影した写真の取り扱いに困りました。
最終的に全てメールに添付して一度PCのアドレス宛に送信する方法でバックアップしたのですが、メール1通に画像ファイルが1個しか添付できず、しかもいかんせん通信回線は貧弱そのもので、ショップ窓口のイスに腰掛けたまま店員を待たせて延々とにメール送信していたのはいい思い出ですw