[Inst-03] KORG P3
ローランドのHS-80を購入する少し前にT-SQUAREを聞くようになって、自分も弾いてみたい、と思うようになった。
ただ、T-SQUAREの曲を弾くとなれば、両手が使えることが必須になる。当時はまだ右手で弾くことしかできなかったので、近所の音楽教室に通うことにした。
それもあって、表現力が豊かなHS-80を買うことにしたわけだが、弾き始めて暫くしてあることに気が付いた。それは、HS-80の同時発音数だ。HS-80は6音ポリフォニックという仕様で、つまり、6和音までしか同時発音が出来ない、という仕様だったのだ。
6和音というのがどういうことかというと、左手で3和音、右手で3和音のコードなら発音できるが、例えば7thコードなどで右手が4和音となると発音できない、ということだ。
T-SQUAREの曲の美しい所は、そうしたジャジーで複雑(7thは複雑じゃないが)なテンションをうまく使いこなしているところにあると考えているのだが、このキーボードではそれが再現が出来ないのだ。
そんなある日、例の本川越のリサイクルショップを訪ねたら、これが売られていた。音源モジュールというものがどういうものか、どうやって使うものか、と言ったことはさっぱり分からなかったが、ピアノの音源として最適、というようなことが書かれていたので、渡りに船とばかりに買ってみたのだった。確か2万円くらいだったと思う。
果たして、初めての外部MIDI機器であるが、MIDIケーブルの接続も済ませてスイッチを入れてみたら、それまでのHS-80の音とは比べ物にならないほどリアルなピアノサウンドが奏でられるようになった。流石はKORGである。
同時発音数は32音と十分すぎるスペック。
ピアノの音色は落ち着いた音色とブライトな音色の2種類が内蔵されていて、オプションの拡張カードでもう1種類鳴らすことが出来るようになってる。その拡張カードも付属されていたので、曲調によって使い分け出来るのも嬉しかった。
それ以降、数年に渡ってピアノ演奏用として使っていたが、キーボードを手放すことになったので、一緒に処分となった。