0243 – M-AUDIO M-TRACK DUO
2021年購入
折からのコロナ禍でバンド活動も自粛となってしまった。我々のバンドはボーカルがいないので、基本的に感染のリスクは低目ではあるのだが、それぞれのメンバーの社会的な事情もあって、活動を自粛せざるを得なかった。
まぁ、どんな感染症でもそのうち終息するものである。再びみんなで集まれる日を夢見て自宅で自主練に励んでいたのだが、やっぱり一人で弾いていると張り合いがない。
どうにかしてコロナの心配をすることなく、みんなでセッションする方法がないかとネットで色々調べているうち、オンラインセッションにたどり着いた。
オンラインセッションとは、まぁ一言でいえばリモート演奏である。それぞれの自宅をインターネット経由でつないでみんなでセッションをするものらしい。ただし、インターネット経由なので、どうしても遅延が発生する。こちらの演奏が相手に届くまでに遅延すると、相手の演奏とずれてしまう。流石にそれではセッションは成立しない。
なので、環境を整えて限りなく遅延が少なくなるようなお膳立てが必要となる。回線は少なくとも光回線を使い、パソコンと回線は有線で接続する、というのが最低ラインになる。
そのほかに、オーディオインターフェースという物を使って、楽器とパソコンを接続してあげると効果があるらしい。
オーディオインターフェースというのは、パソコンに楽器やマイクを接続するための機器である。オーディオインターフェースに入力された信号は、USBを経由してパソコンに送られる。
USB経由とすることで、遅延を減らすことが出来るそうだ。
更にパソコン側から再生された音声をオーディオ機器に送ることもでき、パソコン本体についているヘッドフォンジャック経由と比べると遥かに高音質で再生することが出来るらしい。
(なので、ネット配信やオンラインセッション用ではなく、単純にパソコンでの音楽再生用としての需要もあるそうだ。)
ネットでオーディオインターフェースの値段を調べて見ると、ピンキリだ。中国?あたりで作られていそうなよく知らないメーカーの物で数千円、有名どころの物だと数万円、と言った感じである。
大雑把な区分けとしては、入力チャンネル数、ファンタム電源の有無というのが主なものだ。なので、自分がどういう風に利用するかがはっきりしていれば、概ね数種類くらいに絞られる。
自分としては、楽器の入力と、相手と会話するためのマイク入力が必要になるので、2系統の入力が欲しい。マイク入力をするのでファンタム電源は必須。
この条件で4~5種類程度に絞り込まれた。値段は安いもので5000円ちょっとから、高いもので25000円前後、と幅広い。どの機種も謳い文句は概ね一緒なので、ブランド代の差のようにも見える。
今のところ、オンラインセッションが実現できるかどうかはやってみないと分からない。環境的に問題がなかったとしても、やるとなったらメンバーにも環境を用意して貰わなければならないので、それなりに負担が発生する。自宅の回線がWifiで、と言う人に光回線を新設してくれ、とはなかなかお願いできない。
もしやらないことになれば無用の長物と化してしまうので、現時点ではあまり投資したくない。ということで、お試し用として買ったのがこれだった。値段は5500円ほど。
そして、商品が届いた。聞いたことがないメーカーではあるが、見た目はそれほど安っぽくもなかった。
パソコンに接続し、既に環境が整っているメンバーに連絡して早速繋いでみる。
接続に使ったのはYAMAHAのSyncRoomというアプリケーションだ。これは参加者同士をP2Pで接続することで、低遅延を実現したアプリケーションである。最大5人と接続(カスケードすればもっと増やせるらしい)可能なので、バンドメンバー全員でのセッションも可能だ。
利用は無料なので、気軽に試せるのがいい。
接続は問題なくできた。だが、いざ演奏してみると遅延が酷くてとても演奏できたものではない。ほんの数ミリ秒の遅れなのだが、演奏は相手と息を合わせて弾くもの、という前提で長年活動してきたので、ちょっとずれただけで気になってしょうがない。
相手側は普段別の人とつないでいてあまり遅延に悩まされたことはないそうなので、恐らくこっち側の問題だ。
設定を確認したり、パラメーターを見直してみたり、いろいろやったが、あまり変化がなかった。
更に調べてみると、ドライバの出来不出来で遅延度合いが変わるということがあるらしい。低遅延ということではYAMAHAが提供しているASIOドライバというものが優秀らしいのだが、こいつの標準ドライバはASIOドライバではなかった。ネットにフリーのなんちゃってASIOドライバが提供されていたので、藁にもすがる思いでそれをインストールしてみたのだが、それでもあまり改善しなかった。
結局、それなりのものを買わないとダメなんだろうということで、YAMAHA純正のASIOドライバで動くSteinbergのUR22mk2というものを買いなおすことにして、こいつは返品となった。
これからオーディオインターフェースを買おうと思っているメンバー向けのパイロット用として取っておいてもよかったかな。。。