自分がアトレーを購入して暫くした頃にＩ氏と知り合いになった。もちろん本サイトの車いじりに頻繁に登場するＩ氏である。はじめは音楽つながりで知り合ったので車いじりを趣味にしている人だとは知らなかったのだが、暫くして彼が乗っている車を見せて貰ってびっくりした。
Ｉ氏が当時乗っていた車がこのホンダZである。軽自動車であるにもかかわらずSUV調なのだがジムニーほど本格的なクロカンでもない。パジェロミニが近いポジションだと思うが、パジェロミニよりも更に都会的な印象を身にまとっている。立派なボンネットを抱えている割にエンジンはフロントシート後方に設置されたミッドシップレイアウトを採用するというなかなか凝った造りの車でもある。
車の物珍しさもさることながら自分がびっくりしたのはそこではない。室内の方である。
何ですか、このクソ派手なインテリアは。
ぬれそうな場所はことごとく塗装され、また手で触れる所は皮張り加工が施されている。といっても全てをベタ塗りにするのではなくあくまでワンポイント（にしてはややハデだが・・・）に留めているあたりに好感が持てる。
当時、自分も手に入れたアトレーを快適にするために車いじりをしてみたい、という思いはあったのだが、いかんせん知識は全くないしそういうことに力を入れている知り合いもいなかったので、ちょこちょこアクセサリを取り付けるくらいが関の山だった。そんな所へＩ氏の登場である。
これだけのアレンジをする人であるだけにその知識は豊富で、ぼんやりとこんな風にしてみたいんですよねぇ、なんて話せば、じゃあこうすれば良いじゃん、とどんどんアドバイスが貰える。何なら手伝って貰うことも出来る。自分が車いじりに目覚めるきっかけとなった人と言っても過言ではない。もちろん巡り合わせが無かったらこのサイトが作られることもなかっただろう。
派手なインテリアに目を奪われそうになるが、この車で注目するべきポイントはそこではない。センターにビルトインのモニターが設置されているのが見えると思う。純正オプションのカーナビのように見えるがZにこんなオプションはない。種明かしはホンダバモスにオプション設定されているナビユニットのケースを入手して、そこに市販ナビのモニター部分を組み込んでコンソールと一体になるように加工したものだそうだ。
それが自分には凄いと思った。このような加工は素人がやるようなものじゃないと思っていたからだ。だが工夫を凝らせば素人でもこういうことが出来ることを知って自分の夢が広がるのを感じたのだった。
ちなみに、やたらあちこち色を付けるものだからご両親からはチンドンヤみたいだ、と言われたそうだ。まぁ若干やり過ぎ感は確かにある。ご両親の世代からしたら、何やってるんだと思われても不思議ではない。
なお、この車のリアシートは撤去されていた。そこにべニア板を敷き詰めてフラットフロアーにしてそこで楽器の練習をしたり、車中泊のお出かけの際の寝台にしたりしているとのこと。
なお、エクステリアはアイライン以外は純正のままのように見えるが、よく見るとホイールはHR-V用の15インチアルミを履いている。ぱっと見ではそんなに違和感がないがよく見ると足回りがどっしりして見える。ギリギリツライチで車検は問題ないとのこと。
当時のホンダの軽のATは3ATが標準だったが、このモデルは4ATとターボエンジンが搭載されていて、他のホンダの軽自動車と比べても走りに軽自動車らしさがなく、なかなか快適だったことを憶えている。