[RentaCar-40] SUBARU SAMBAR

2014/03/08

伊豆大島に旅行に行くにあたり借りたレンタカーだ。この旅行では車中泊の予定がなかったので、軽自動車を借りることにしたのだが、WEBサイトで車種をチェックしていたら、軽の箱バンタイプを貸し出している店を見つけたので、どんなオンボロが出てくるのかと、ちょっとわくわくしながら申し込んでみた。

20140309_135629

で、用意されていたのがこのサンバーだったわけだが、錆で床が抜けそうになっているとか、メーターが動かないとか、リアゲートを開けるとドアが外れるとか、そういうのを期待していたのに、至ってまともな商用バンだったので少しがっかりしたw

20140309_133508

車の手配で業者に連絡を入れた時に、店側から釣りはされますか?と聞かれた。伊豆大島は釣りのメッカとしても有名で、釣り人が借りることが多いらしく、コマセなどで車を汚されないようにするための事前確認だそうだ。我々は基本的に移動用として使う予定だが、時間見合いで軽く堤防で釣りしたいなとも考えている。もちろんがっつり釣りをするつもりは全くないのたが、それでもやるかやらないかで言ったらやることになるので、一応やりますと答えておいた。

20140308_130730

車を借りたら荷室にゴムマットが敷かれていたので、これを準備するかどうか判断するためだったのだろう。ちなみに事前の申告なしに釣りをして車内を汚してしまった場合は、原状回復を求められるので注意が必要だ。

もっとも結局時間が取れず、竿は出さずじまいだったのだが・・・。


軽のワンボックスに乗るのも久しぶりだが、更にキャブオーバータイプとなると、幼稚園の頃に親が乗っていたミニキャブ以来である気がする。となると実に30年ぶりか。

かつて軽のワンボックスは、寸法を所定の枠内にに収めつつ、かつ荷室部分を広く取ることができるキャブオーバー型が一般的だったが、構造的に衝突時の乗員の安全確保が難しいことと、ホイールベースの短さに起因する直進安定性の悪さという問題を抱えていた。その解消のため、十数年前に軽の規格変更に合わせて、ホイールをキャビンの前へ出し、フロントにクラッシャブルゾーンを設けた、セミキャブオーバー型にシフトしていった。

サンバーは現在の最新型こそ、ダイハツハイゼットのOEMになって一般的なセミキャブオーバー型になってしまったが、先代まで、他社がモデルチェンジに合わせてセミキャブオーバー型に移行していく中で、頑なにキャブオーバー型を貫いた車種として知られている。キャブオーバー型は他車種より荷室の寸法を広く取ることができたので、運送業を中心に根強い需要があったらしい。

とはいえ、衝突安全性をないがしろにするわけにも行かないので、軽規格変更の際には、フロントの足元部分を前方に拡大することで対応した。故に外から見ると鼻下が膨らんだ下膨れというか、よく言えばファニーフェイス、悪く言えばバランスの悪い不格好な形になってしまった。


前フリが長くなってしまった。店員からキーを受け取り、カギを開けようとしたらキーレスが付いてない・・・。いや、本来は付いていて、これはスペアキーなのかもしれないが、運転席のキーシリンダーにカギを差し込んで回しても、開くのは運転席ドアのみ。どうやら連動ドアロックの機能も付いていないらしい。

結果、自分が先に運転席に乗り込んで、腕を伸ばして助手席側のロックを解除するという動作を随分久しぶりにやることになった。もっとも、そのあとコンソールに集中ドアロックのボタンが見つかったので、以降はそれを使ったが。

車を離れる時には、これまた久しぶりに、車内でロックをかけてから、運転席ドアのドアノブを引き上げながらドアを閉めてロックする方法を使った。この方法はうっかりするとキーを車内に閉じ込めてしまいえらいことになる。昔はそういうトラブルが非常に多かった。あの頃のドアを閉める前に、本当にカギは手に持っているなと確認する、一瞬の緊張まで思い出すことができたw

まぁ、普通にドアを閉めてキーでロックすれば間違いないんだけどね・・・。


エンジンをかけると、車体の後ろのほうからセルの回る音に続いてアイドリング音が聞こえてきた。そう、この車のエンジンはリアにある。この車は他の車種とは異なる特徴が多いのだが、このリアエンジンもそのひとつ。他の車種は、ほとんどがエンジンをフロントシートの下に置いている(ホンダバモスのみリアシートの下あたりに置かれている)のだが、そうした中であえてリアエンジンに拘ったのは、空荷の時にリアが軽くなるのを防ぐためだといわれている。

また足回りは、フロントも含めた4輪独立懸架サスペンションを採用していて乗り心地が良いという評判だ。これは通常セダンなどに用いられる方式で、軽自動車での採用は非常に珍しいらしい。そのおかげで悪路での走行安定性がよく、ギネスブックに、世界で一番早く農道を走る車として登録されているそうだ。そのうえ、このメカニズムがポルシェのそれと似ていることから、農道のポルシェという、ありがたいようなありがたくないような称号まで持っている。

20140308_141655

運転席を見ると、足元のど真ん中にステアリングのシャフトが突き抜けていてなんか物珍しい。乗り込むとキャブオーバー型だけに足元回りがタイヤハウスに邪魔されておらず、大変広々としている。以前所有していたアトレーは、足元にあるタイヤハウスのせいでペダル類が左側にオフセットされていて、不自然な足の向きでの運転を余儀なくされたため、長時間の運転は疲れるものだった。それを知っているので、この広々とした足元を見た時にはちょっと感動的ですらあった。


さて、早速走り出してみることに。前述のとおりリアエンジン・リアドライブを採用しているので、アクセルを踏むと背後からエンジンの唸り声が上がった後、後ろから押されるように車が動き出す非常に独特な感覚が味わえた。とはいえ以前に同じリアエンジン・リアドライブの三菱アイに乗った時は、そういった挙動があまり感じられなかったので、車のセッティングなどによるところも大きいのかもしれない。

交差点を曲がろうとすると、その構造ゆえハンドルを切るとワンテンポ遅れて車体の向きが変わるような挙動がある。路線バスの最前列の席に座るのと似たような感覚だ。

広い道に出て、少しアクセルを踏み込んでみた。後ろの方でエンジンが盛大に騒いでいる。メーターは40キロ辺りを指しているのに、体感的には60キロ以上で走っているような感覚があり、考え方を変えれば安全運転仕様ということができるかもしれない。

この車のもうひとつの特徴として、軽自動車では割と珍しい4気筒エンジンを積んでいることが挙げられる。一般に軽自動車は3気筒を採用することが多いが、4気筒にすると高回転型のセッティングとなり滑らかな挙動が得られる。ただしその分燃費が悪いというデメリットがあり、サンバーオーナーの悩みの種になっているとか。大島のように狭い道ばかり走るような場面では、その恩恵を感じる瞬間は少なそうだが、その割にこの島では割とよく見かける車種だったりする。

道中、ちょっとした悪路を通る場面があったのだが、ここでキャブオーバー型の泣きどころのひとつである、盛大なノーズダイブを体験した。急ブレーキを踏んだり、ちょっと大きめの段差にスピードを落とさずに突っ込んだりすると、前方につんのめるような挙動を示す。それこそリアが持ち上がるんじゃないかと思うほど沈むので、ちょっとヒヤリとさせられた。


さて、文章が続いたので、ぼちぼち写真とともに車内設備のほうを見てみましょうか。といっても商用バンなのであまり特筆する点はないのだが・・・。

20140308_131054

まずはインパネ周り。ATセレクトレバーはインパネに取付けられているが、独特な挙動をする。

一時期、ミニバンなどでコラムからATセレクトレバーを生やす設計が流行したことがある。運転席と助手席を隔てるものを無くし、ベンチシートにすることで室内を広く見せる効果があったが、その構造上、レバーの長さをステアリングの半径よりも長くしなければならず、その分可動範囲が大きくなり操作性が悪いという欠点があった。

その辺を改善したのが昨今のインパネシフトとなるが、これらは大抵上下方向に動くようになっている。ところがこの車の場合、インパネシフトであるにもかかわらず、その動きはゲート式コラムATのような半円を描くような挙動となっている。せっかくインパネシフトにしているのに、わざわざ可動範囲が大きい方式になっているのが物珍しい。

最初のころは手に馴染まず、うっかり2速に入ってしまったり、バックしようとしてニュートラルまでしか入っていなかったり、といったことが何度かあった。

フロントシートはシートの下にエンジンが置かれていないためクッションも厚めで座り心地もまずまず。といっても貨物用なのでたかが知れているのだが・・・。

20140308_141632

で、せっかくATセレクトレバーをインパネに押しやったのに、サイドブレーキはセンターに残ったままになっている。上に飛び出していない分多少は左右の移動もやりやすいのかもしれないが、なんだか片手落ちな感じがする。

ただし、カップホルダーについては前列2個、後列2個の計4個分がうまく配置されている。前席はともかく後席の乗員にとってはありがたい設計かもしれない。

20140308_130947

リアシートは、まぁ貨物用だ。格納を前提にしているので、座面は薄く背もたれも低く、長時間の乗車はつらそうだ。

サイドウィンドウは、運転席こそパワーウィンドウになっているものの、リアシートは手回し式だった。手回しで窓を開ける感覚が妙に懐かしくて、何度か上げ下げして遊んでしまった。

20140308_141709

そして荷物室は軽ワンボックス最大を謳うだけあって、かなり広々としている。脊髄反射的にシンクやテーブルなどを設置して軽キャンパーにしたら面白そうだなと妄想してしまうが、車両の装備が貧素なので、長距離移動は難しいかもしれない。

昔アトレーを買う時にサンバーのカタログももらって比較したのだが、カタログでみるとインテリアの質感も案外悪くなさそうで、広い車内というメリットにも惹かれて、結構悩んだことを思い出す。まぁ、結果的には選ばなくてよかったのかなと言ったところである(貨物タイプと5ナンバーワゴンを比較するなとスバルの人に怒られそうだが・・・)。

時間があったらリアのエンジン部分を開けてみたかったが、結局できずじまいだった。この頃のサンバーって街中で見かけると、バンパーを凹ましたやつをよく見かける。他の軽バンと比べても突出して多い印象があるのだが、あれは軒並みリアを電柱にぶつけているのか?

それともリアにエンジンが置かれていることと何か関係があるのかしら・・・。

Posted by gen_charly