[RentaCar-62] DAIHATSU ATRAY

2023/12/10

我が家のスペーシアも早いものでもう丸7年乗っている。車自体は至って快調で心配していたS-エネチャージ用のバッテリもヘタる様子がない。なのでまだまだ乗り続けられそうではあるが、一方で不満がない訳ではない。

一番は車中泊時の寝るスペースだ。この車を買う段階で3人で車中泊が厳しいことは分かっていて、そういう時は宿に泊まるかレンタカーを借りるなどして対処しようという前提で購入したのだが、案の定車を買って以来、遠出に際してレンタカーを調達したことはなく、窮屈な思いをしながら3人で車中泊をこなしてきた。

とはいってもチビももう小学校の中学年になろうとしている。日に日に身長が伸びていくので、いつまでもこのフォーメーションのままで車中泊ができるとも思えない。

12月になりスペーシアの車検時期が迫って来たので見積を取りに行ったら、そろそろメンテナンスをあちこち入れてた方がいいですよ、という見積もりが出された。料金はシメて16万円。まぁそれが全部今すぐやらなければならないメンテナンスかというとそうでもないので、いくつかは省いてもよさそうだが、何を省こうかと考えた時にカミさんの意見も聞かないとならない。

何を聞くかというと、スペーシアを今後どのくらい乗りたいかということである。この後数年以内に車を買い替えるなら、今あまり念入りなメンテナンスをする必要はないだろう。だが、まだずっと乗るよということであれば、ぼちぼちメンテナンスしておいた方が良い部品もいくつかある。

カミさんとしては使える車があるのに、なんで新しいのにしなければならないの?という思いがある一方で、スペーシアでの車中泊が厳しくなりつつあるということも認識していた。とはいえ、買い替えるとしてもどんな車が良いのかイマイチ分からないという。

そこで自分の中でいくつか今後の見通しについてパターンを提示してみた。


①スペーシアに乗り続けるなら、ルーフテントを取り付けることを検討する。
②買い替えるとして、軽自動車限定とするならスペーシアより広いエブリイワゴンかアトレーが選択肢になる。
③もっと先の将来を見据えて、普通車を運転できるようになって5ナンバークラスのワンボックスにする。
④夢の2台体制。スペーシアはそのまま維持して車中泊用の車をもう1台購入する。

カミさんの回答は②であった。やはりデカい車を運転するのはちょっと抵抗があり、2台体制は考えていないという。ルーフテントは使い勝手のイメージが全くできないので、スペーシアを維持する方針になった時に改めて考えるとのこと。

②として、過去にエブリイワゴンは試乗したことがあるが、アトレーには乗ったことがないので比較の意味も込めて一度試乗車に乗って考えたいというので、近所のダイハツのディーラーにアトレーの試乗を申し込んでみた。

というわけで前振りが長くなったがアトレーである。現行アトレーは2021年にモデルチェンジされた。以前はアトレーワゴンと呼ばれていたが、現行モデルからワゴンが省略されてアトレーが正式名称となっている。先代モデルは16年もの間モデルチェンジをせず生産を続けていたので、先代モデルの頃は自分的にはエブリイワゴン一択という感じだったが、モデルチェンジにより様々な魅力的な装備が追加された。

一方で省略された装備などもあり、その点が自分にとってどのくらいのデメリットとなるのかを確認したいところだ。

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ディーラーからお借りしたのはRSリミテッドというグレードで、アトレーの中ではトップグレードとなる。これまでの軽ワンボックスと大きく異なるのはミッションがCVTになったことである。これまで軽ワンボックスは構造的な問題でCVTが採用できなかったらしく、どの車種もATとなっていた。ただ、ここ最近はCVTの作りが随分と良くなってきておりATよりも低燃費になってきている。その点、CVTが採用されたのは喜ばしいことである。

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とはいっても試乗車なので、せいぜい20分ほどしか借りられなかった。その程度の時間で燃費の差をチェックするには至らなかった。戻ってからディーラーの営業に聞いてみた話だと、大体リッター15キロほどだそうだ。これまでのターボ搭載軽ワンボックスの燃費が大体リッター10キロ程度だったことを考えるとかなりマシになってきている。

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運転席がだいぶ前方に寄るので見切りが凄く良い反面前が近い。運転した感じはCVTもATも大きなフィーリングの違いはなかった。
あと、アイドリングストップ機能は搭載されているが、スズキのようにモーターアシスト機能があるわけではないので、再始動時にキュキュキュ・・・というセルの音が聞こえる。カミさんはスペーシアの無音でエンジンが再始動するのが基準になっているので、なんか煩いねという評価だった。

CVTになったこととの関連性は不明だが、この車には前車追従形クルーズコントロールが搭載されている。最近採用される車が多くなってきているが、自分も先日ホンダN-BOXで体験して遠出の時になかなか便利な機能だと思った。もちろんこれも試すチャンスがなかったのだが、これが付いているというだけでこの車を一番の選択肢とするだけの魅力がある。

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前席まわり。前席は助手席側にオフセットされた設計になっており、運転席の足元は以前のアトレーと比べたらかなり広々としている。その分助手席側の足元はミニマムだが。オーディオレスらしく、ナビの部分はぽっかりと空洞になっている。なので車両価格とは別にカーナビ購入代金も必要になる。

アームレストの下にはちょっとしたトレイが設置されていた。近年ベンチシートにして座面を広々とさせることが軽自動車のお約束となっていたが、まぁ3人で横並びに座ることはないわけで、アームレストの定位置になるのが大抵のパターンだろう。なのでデッドスペースになる部分でもある。だから割り切ってセパレートシートに戻して小物入れを置いたのは評価したい。

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さてリアシートである。一番気になっている部分だ。ご覧のとおり華奢なシートが設置されている。アトレーはこのモデルから敢えて全車4ナンバー登録とした。4ナンバーはいわゆる商用車登録だが、商用車は毎年の税金が安くなるのだ。軽自動車は元々普通車と比べたら大分安いのだが、数年前に乗用登録(5ナンバー)の税金が3割ほどアップしたことを受けて、ここ数年各社が4ナンバー登録にチャレンジしている。

4ナンバー登録の場合、リアシートを格納できるようにする必要があり、なおかつ荷室スペースを運転席後方から半分以上確保できていることが主な条件となるので、リアシートはどうしても簡易的になってしまう。

そのためこのシートはリクライニング不可となっていて、足元スペースも狭目になっている。これが問題にならないだろうかと思っている。
基本的に自分が後部座席に長時間乗ることはほぼないので、もっぱら家族がどう思うかではあるのだが。

そんなわけでカミさんとチビをリアシートに乗せて少し走ってみたのだが、びた一文倒れない背もたれも足元スペースの狭さもそれほど気にならないとのことだった。むしろスペーシアよりも乗り心地が柔らかいのが良いとも言っていた。

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ただし、リアウィンドウが上下に開けられないのはちょっと難点であるそうだ。やはり人の家から帰るときなどに窓を開けてサヨナラが言えないのは困るのだろう。

途中でカミさんに運転を代わって貰い、自分もリアシートに乗ってみたが、まぁ正直長時間乗れたものではないなと思った。ぶっちゃけ親がフロントシートに乗ってチビがリアシートに乗れば概ね解決なのだと思うが、我が家の場合チビが1人でリアシートに乗ることを嫌がるので、両親のどちらかはリアシートに乗らなければならない。それが自分だったらちょっと辛いかなという気もする。

まぁネットで検索すると、リアシートのリクライニング加工をしている人もいるようなので、この辺は工夫次第でどうにかなるのかもしれない。

それからラゲッジルームの確認。この車を購入するとしたら3人が快適に車中泊できることが大前提となる。とはいえあまり色々試す時間があった訳ではないので、とりあえずリアシートを畳んで3人横並びで眠ってみたが全く問題なく横になることが出来た。これが最低限のプランだ。あとは高い天井高を活かして2段ベッドにしたりと色々工夫のし甲斐がありそうだ。

その他、ドアオープンの予約機能(スイッチを入れておくと、戻ってきたときにカードキーを持って近づくだけでスライドドアがオープンする)や、タッチレスでロックが解錠される機能などが搭載されているところは今風である。

さて、エブリイワゴンとの比較だが、エブリイワゴンも息の長いモデルで現行モデルは2015年にデビューしている。その後マイナーチェンジで機能追加が為されているが、未だにオートクルーズや前車追従といった機能は搭載されていない。折角のスズキの軽自動車なのでS-エネチャージと一緒に搭載されればいうことなしなのだが、それも搭載する予定はないようである。

一方で5ナンバー登録となるためリアシートの快適性はアトレーと比べたら大分マシになる。シートもフロント・リアのフルフラット化に対応しているので、ちょっとしたお出かけの時にリアシートをいちいち畳まなくても、とりあえず横になることができるというのはかなり魅力的である。とはいえドライバー目線で考えれば、やはり運転する時の快適装備に目が行ってしまう。

そう考えると、どちらも一長一短なので悩ましい。早い所スズキが重い腰を上げて対応してくれるとよいのだが。。。

どちらにしてもカミさん的には軽ワンボックスに乗り換えることへの抵抗感はなさそうである。時期的に今のタイミングで買い替えるのは時期尚早な気がするが、9年目になってしまうと下取り査定もだいぶ厳しくなるだろう。その辺り勘案していつぐらいに動き出すのが良いか検討中である。

まぁ、スペーシアにルーフテント積んでもいいんだけどね。ただ、使わなくなった時に廃棄するのが大変そうだが。

Posted by gen_charly