[Spada-41] いじりれき 2011/02-1
車内静音化について考える・5 [タイヤ・ホイールの交換]:
この車を購入した時に装着されていたタイヤは当初から溝が少なめだった。少し使ったら交換しないとな、とは思いつつ、そもそもそのホイールのデザインが気に入らないので、タイヤを交換するタイミングでホイールごと全交換してしまおうと目論んでいた。だが、同時交換するとなるとそれなりに費用が発生するので棚上げされたままになっていた。
前にブレーキパッドを交換した時にも、ディーラーからそろそろですねぇと指摘されたりしたのだが、まだ大丈夫だろうと更に先送りにしていた。だが、ここ最近いよいよ限界っぽい感じになってきた。
タイヤがツルツルの状態で走っていると、雨の日などにハイドロプレーニング現象を引き起こすことがある。路面に溜まった水をタイヤの溝から排水できなくなることで車輪が浮き上がり、コントロール不能になる現象だ。コントロール不能になるので大きな事故に繋がる可能性が高い。実は大昔に父がこれを経験している。夕立の高速道路を運転中にハイドロプレーニング現象が発生し、そのままセンターラインへ衝突する事故を起こしたのだ。幸い父に怪我はなかったが、その時に盛大に壊れた車を見てゾッとした記憶がある。そうなる前には交換しておくべきだろう。
ただ、交換に際してひとつ問題があった。それは今が冬であることだ。これからの季節必要になるのはノーマルタイヤではなくスタッドレスタイヤである。どのみち必要になるものだから(理由は後述)、スタッドレスを先に購入して冬場を凌いで来年春あたりにノーマルタイヤを買えばスムーズである。
そうカミさんに相談したところ、スパイクに乗っていた時に買ったスタッドレスタイヤは買ってもほとんど使わなかったのだからいらないと言われてしまった。狭い部屋にタイヤが鎮座したままだと邪魔で仕方がないというのだ。まぁ、確かに毎年冬山に行くわけでもないので、年間を通じて一度も装着しなかった年もある。そう考えると、カミさんが言うことも一理ある。
この車の純正ホイールサイズは16インチだが、前オーナーがインチアップしたホイールを装着していて今は17インチになっている。だがその割に妙に小さく見えるのが気に入らない。車体に対してのサイズ感ということではなく、タイヤハウスとタイヤとの隙間が広く感じるのだ。そのせいでなんだか腰高に見えてしまい、イマイチ安定感に欠けるシルエットになっている気がするのだ。
とはいえ、純正サイズになるとそれはそれで野暮ったい。でも17インチで腰高になってしまうのであれば、18インチにすれば良いのか?いやいや、流石にそれだとタイヤがゴムの皮1枚みたいになってしまう。それはやり過ぎだ。そもそもインチアップする時は、タイヤ径を純正と合わせる必要がある。だから本来なら何インチのものを付けようが見た目は同じになるはずなのだ。でも純正ホイールのほうがタイヤハウスの隙間が狭く、むしろ一回り大きいように見える。何故なのか。。。
まず、タイヤ径の合っていないものが装着されている可能性を考えた。インチアップする場合のタイヤの適正サイズはインターネットで調べれば出てくる。この車で純正から17インチにインチアップする場合、装着すべきタイヤサイズは215/45R17となる。で、タイヤの方の値をチェックしたら全く同じだった。じゃあ径は合っているのか。
以前、知り合いと雑談している折に、タイヤ径が小さく見えるのが気に食わないとこぼしたことがあるのだが、彼曰くインチアップするってことはそれだけタイヤが薄くなるということだから、どうしたって見た目が一回り小さく見えるものだよと言っていた。扁平率が下がるのでその分タイヤの接地面の盛り上がりが少なくなり、真横から見ると小さくなったように見えるという錯覚があるらしいのだ。でもスパイクやデルソルでインチアップした時はそういう感じはなかったんだよなぁ。
そこで悶々とするくらいなら、いっそ思い切って純正サイズである16インチを選んだ方が間違いないのだろうか。悩むなぁ。
もうひとつ忘れてはならないことがある。それはチェーンとのマッチングだ。以前、インチアップしたスパイク用のチェーンを購入しようとした際、店員から、インチアップした車用のチェーンは出ていないと言われたのが引っかかっているのだ。純正以外のサイズのホイールに装着可能なチェーンがないのだとしたら、17インチを選んだらチェーンが付けられなくなることになる。それだと今後の遠出に影響が出かねない。これが上述の「どのみち必要になるもの」の理由である。
とはいえ、その話を聞いたのはもう5年以上前なので、当時よりもインチアップがドレスアップ手段として一般化している今なら、ちゃんとラインアップされているかもしれない。
とりあえずもう少し目を肥やそうと、一度カー用品店に行ってチェーンラインナップの最新情報をチェックしてみることにした。チェーン売り場に置かれていた適合表を開いてみたら、やはり215/45に合うラインナップの記載を見つけた。なんだ、あるじゃん。じゃあ17インチにしちゃおうかな。。。
一応念のため店員を呼んで裏取りしておくことにした。すると、
「このメーカーの表は、タイヤ全周の大きさに対して巻けるか巻けないかの基準で書かれているものです。なので、付けられるかどうかという意味では付けられますが、ホイールの大きさが考慮されていないので、そのまま巻くとチェーン部分がホイールに当たって傷が付くことがあるんです。」
という驚きの事実が判明した。なるほどー、そういう意味だったのか。今日一番の目からウロコだw
流石に買ったばかりのホイールに傷を付ける可能性があるチェーンはダメだ。だとしたら選択肢は純正サイズへのリプレース以外にないな。まぁ逆にいえば純正サイズなら種類も豊富なのでお手頃価格のものが見つかる気がする。それに純正サイズになればその分タイヤの空気圧が下がるのでロードノイズ軽減も期待できそうな気がする。
せっかくの有用な情報提供をしてくれた店だったが、そこで売られているラインナップの中には気に入るものがなかったので、他も探してみることに。
自分の理想はデルソルやスパイクに付けたのと同じスポークタイプで、7本スポークのものである。スポークは3本から8本あたりのものが多く発売されているが、偶数より奇数の方がカッコいいというのが持論なので、少なくとも奇数のものから選びたいところだ。だがどの店でも7本スポークのものはちょっと割高で安く売られているものは5本のものばかり。
5本スポークで妥協するしかないのかな、と思いながら訪ねたとある店で、お手頃価格の7本スポークものを見つけた。そのモデルには同一デザインの5本スポークタイプもあり、店員が比べてみますか?と提案してくれたので両方とも実車でフィッティングさせてもらうことができた。実際に車の前に置いてみると案外5本スポークの方もしっくりきている。ちょっと気持ちが揺らいだが、初志貫徹して7本スポークの方を選んだ。
続いてタイヤのチョイス。今回はできるだけロードノイズが小さいものにしたいという希望を伝えた所、標準セットで付いてくるヨコハマのもの(型番失念)に5000円プラスするとダンロップのENASAVE RV-503というタイヤが選べて、これが価格と静粛性のバランスが取れていてよい、とのことだったのでそれにした。
そこまで決めておいて何だが、まだ17インチも諦めきれない思いがある。小さいのはあのホイールだけで、他のものは違うかもしれない。相変わらず優柔不断だな。。。というか、17インチより16インチの方がこの車にはしっくりきますよと背中を後押ししてほしいのだw
余談という位置づけで店員にその話をしてみたところ、店員はしげしげとタイヤを見比べて、
「確かに一般的にはインチアップするとタイヤが小さく見えるのですが、この車の場合特にタイヤの溝が減ってしまってその分タイヤ自体が小さくなっているので、そのせいも考えられると思います。ちなみにタイヤが古くなってくると固くなって音がうるさくなってくるので、仮に17インチのものを選んだとしても、もしかしたら今よりはだいぶ静かになるかもしれませんね。」
と見解を述べてくれた。しまった、逆方向の提案が出てしまった。後ろ髪引かれるじゃないかw
ひとしきり悩んだが結局16インチにした。なんだかね。そこの店には在庫がなく入荷は2、3日後ということで、手配をお願いして一旦帰宅。
木曜日に入荷連絡があったのでその週末に取付けに行くことにしていたのだが、当日は朝から雪模様だった。一応路面に降り積もるような降り方ではなかったのでそのまま出向いたが、ツルツルに近いタイヤでの運転は多少不安を感じた。
タイヤのセットアップは完了しているということで待つこと30分。呼び出しがかかり車を受け取った。
ということで延々写真も載せずダラダラと書いてきたが、買ったホイールはこういうものだ。
アルミはパラメータ1665+53というもの。パラメータというのがメーカー名なのか品番なのかは不明。多分国産品ではない。海外製だがそこまで粗悪品というわけでもなさそうだ。
デザインは概ね理想の形に近いのだが、唯一気に入らないのはセンターキャップの黒いロゴマーク。なんか安っぽい。こういうのいらないんだけどな。それが少し購入を躊躇わせたのだが、これ以外に気に入ったモデルもなかったし、装着してみたら思ったほど目立たなかった。総じて満足している。
ということで流行に逆行するインチダウン!w
だが、タイヤハウスの間延び感やホイールの小ささが気にならなくなった。7本スポークのせいかは分からないが、前のホイールと同じくらいのサイズがあるようにも見える。
後日、記事を書くために改めてネットで調べてみたら、205/55R16を215/55R17にインチアップすると、円周の長さが7mmほど大きくなるという情報を見つけた。販売されているタイヤが厳密にそれを守っているのだとしたら、見た目上での違いはほとんどないはずだ。というかそうでなければメーターが狂ったりするわけだから、普通はそうなっているはず。
となるとやはり知り合いや店員の言っていたとおり、タイヤの溝が減って車輪の外径が全体的に小さくなっていたことが原因だったのだろう。
走行させてみるとインチダウンした分だけ、ハンドルを切った時や段差を越えた時の揺れがわずかに大きくなった感じがする。その分柔らかくなって乗り心地は改善された。走行音というかロードノイズは、商品の特性かあるいは単に新しくなってゴムが柔らかくなったからなのかは分からないがかなり静かになった印象だ。
なんか、カッコよりも乗り心地の良さを選ぶトシになったんだなと感慨深い気持ちになった。