[Spada-47] いじりれき 2011/04-4
ワンセグチューナーの取り付け:

数年前に父から写真のワンセグチューナーをもらった。安く買えたから使うなら持っていけというので頂戴してきたのだが、1年ほど前に試しに取り付けてみたところ、受信感度が低すぎて全く使い物にならなかった。やはり安物は性能もそれなりなんだろうか。そもそも現状でカーナビのアンテナからアナログ放送が受信できているし、地上波デジタル放送への移行もまだ先だったので、それ以上深く追及することなくそのままガラクタ箱行きとなった。
それから少しして2011年3月に東北太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した。東北地方に甚大な被害を及ぼし、特に沿岸部では津波によって多くの地域が壊滅状態に陥るという、過去に類を見ない未曾有の大災害となった。
その2ヶ月後、従弟の招待で岩手に行くことになった。まだ混乱が続いている状況ではあったが、水沢に住む従弟や、一関で暮らすおばさんたちを訪ねて、何か困っていることがあったら手伝おうと思ったのだ。彼らの暮らす地域は内陸側なので、このところ日常を回復しつつあり、ガソリンの供給も復旧してきているというので訪問を決意したわけだが、ひとつ心配ごとがあった。それは余震への備えである。今回の地震は余震が非常に多いという特徴があり、本震以降も大小様々な余震が連日のように続いていた。
特に震源に近い東北地方ではその規模も回数も桁違いで、単発で起きたらそれだけで大地震に分類されるような規模の余震もたまに起こっている。現地への移動中や滞在中にそんな余震に見舞われて、もし被害に巻き込まれたら色々な人に迷惑が掛かってしまう。極力自分の身は自分で守らなければならない。そうした事態への対策をどこまでしておけば十分といえるのかを図りかねていたのだ。
もちろん、避難道具などの準備もそうなのだが、さしあたって移動中の情報収集が必要になるだろうと考えた。運転中に大きな余震に襲われたり、フクイチがのっぴきならない状況になったりしたら、速やかに回避行動をとらなければならない。そのためには緊急時の情報を速やかに入手できるようにしておく必要がある。
自分の携帯電話は緊急地震速報に対応していないので、移動中にテレビかラジオを流しっぱなしにしておくのが良いと思うが、震災以降、自粛ムードが続いていて、テレビもラジオもつまらない番組しかやっていない。それをずっと流しながら運転していたら眠くなってしまいそうな気がする。
そのあたりをどうするか思案した結果、前席のカーナビからは自分の好きな音楽を流しておき、後席に設置したモニターにテレビを放映しておくことを考えた。これなら通常時はテレビ放映を意識の外に置いておくことができ、かつ、いざ緊急地震速報やニュース速報が流れた時はその音で気が付くことができるはず。
ただし、現状リアモニターはカーナビのAV出力しか繋がっていないので、カーナビと異なるソースが選択できない。なのでリアモニター側に直接TVアンテナを繋ぐ必要がある。だが、車載用の地デジチューナーはまだ高いし、アナログ放送の停波が控えているのに、わざわざアンテナを新調するのもちょっと躊躇われた。
更に思案した結果、このワンセグチューナーの存在を思い出した。これなら追加投資なしでリアモニターをカーTV化することができる。といっても、上述のとおりこのワンセグチューナーは受信感度が最悪である。急場凌ぎができればそれで十分なのだが、映らないものを繋げても意味がない。

そこで、モヒカン頭のお兄ちゃんが「これでワンセグがよく見えた!」と絶賛しているこちらのお方に命運を託してみることにした。
これは、高感度後付けモバイルアンテナというもので、昨年カー用品店のワゴンセールで見かけて購入したのだが、買うだけ買って放置していたものだ。写真のプライスタグを見てもらうと分かるとおり、500円で入手したのだが、当初の売価は4980円である。つまり9割引き。

中身はこんな感じ。付属のロッドアンテナで受信した電波を、内蔵のアンプで増幅し、既存のワンセグアンテナに接続することで受信感度を向上させるというのが謳い文句だ。能書きどおりの性能を発揮してくれたら超お買い得な掘り出しものとなるが、そんな価格で売られている時点で、まぁお察しである・・・。
でもこれと上記ワンセグチューナーを合わせることでワンチャンあるかもしれない。どうにか映像が映ってくれれば、それ以上の贅沢を言うつもりはない。
ということで取り付け開始。と、その前に、前回電波の受信状況が悪かったのは、その作業場所の電波が弱かったからではないかという疑念を払拭するために、前回の作業場所とは異なる場所で、もう一度チューナーを仮設置してみることにした。

このチューナーは接続した後、まずチャンネルスキャンを実行する必要がある。実行して暫く待ってみたが、検出されたのは前回と同様、6チャンネルと8チャンネルの2つしかなかった。しかもそれらのチャンネルを選択しても、映像はブロックノイズばかりで途切れ途切れにしか映らない。
このワンセグチューナーには、チューナーユニットに直結するロッドアンテナと、マグネット式のホイップアンテナの2種類が付属している。用途に応じて使い分けができるようになっているのだが、そのどちらを接続しても受信状況は一切変わらなかった。まぁ、そんなものだろう。

そこで、今度はモバイルアンテナを接続してみた。このモバイルアンテナはブースターから延びるケーブルの先にワニ口クリップが付いていて、それをワンセグチューナーのアンテナに挟んで使うらしい。その指示どおりに接続して再度チャンネルスキャンを行ってみた。が、全く状況変わらず。やっぱりそうだよね・・・。
念のため、この状態で少し近所を走り回ってみた。だがそれでも受信状況は全く変わらなかった。それどころか、エンジンのオルタネーターノイズを拾って、オーディオにテルミンみたいな高周波のノイズが混ざるようになってしまった。なにそのいらない機能。
ということであわよくばと思ってチャレンジしたアンテナ設置だったが、見事なまでの完封負けであった。やはりこういう類のものはちゃんとしたメーカーのものを買わないと駄目なんだな。しょうがない、つまらないテレビを放映しながら移動するか。
やっぱりねという思いが半分と、どうにもできなかった残念さが半分とで、落胆しながら片付けを開始。
と、その時、うっかり仮組みしていた配線に足を引っかけてしまい、アンテナ一式が開けておいたドアの外へ吹っ飛んでいった。まぁ、使えないものだから別に壊れてもいいや、なんて投げやりになっていたら、突然テレビの音声がスピーカーから流れ始めた。ナビ画面を見ると映像が綺麗に映っている。こんなタイミングで綺麗に映ってもねぇ・・・いやまてよ。
そのアンテナを拾い上げて室内に戻したら、やっぱり映らなくなった。

再びアンテナを外に出して、その状態でチャンネルスキャンをかけたら、ご覧のとおり関東エリアの放送局が全てスキャンされた。そういうことだったのか!
窓ガラスや車体が電波を大いに遮っていたのだ。まぁ普通アンテナは車外に、もちろん家でも屋外に設置する。そのことにちゃんと理由があったのだ。多分、こうした業界に精通している人から見たらごくごく当たり前のことなのかもしれないが、これに気づいた時は目からウロコだった。
となればアンテナを外に設置すれば全て解決するということか。前述したとおり、このワンセグチューナーにはホイップアンテナが付属している。このアンテナは台座部分がマグネットになっているので、金属部分に貼り付けて使うことができる。

というわけで、このようにしてみた。なるほど、こうやって使うためのものだったのだね。
ただ、配線については時間的な制約もあって、写真のとおり雑な処理となってしまった。まぁ、ワークアラウンドであるのだが、自分の美意識的にはこうしたセンスのない配線も車外にこれ見よがしにツノが立っているのも気に食わない。とはいえ現状四の五の言っていられない。暫くランニングして使用感が良好なら、改めて設置方法を検討してみたいと思う。
実はちゃんと使えるチューナーであることが分かったので、改めて本設置に移行することにした。

チャンネルのコントロールはチューナーユニット本体に向けてリモコンで操作することになるので、ユニットを見える位置に置いておく必要がある。あれこれ考えた末、無難にダッシュボード上への設置となった。配線は電源とアンテナと出力信号の3本のみなので、大してややこしいところはない。
ただし、電源ケーブルはイケてない。なぜカールコードになっているのかと小一時間。狭い隙間を通すところがあって、しばし格闘させられるハメになった。

こちらもまた配線が雑然としているが、ともかく設置完了。改めて動作確認をしたが、もちろん至って感度良好であった。
・・・が、ここで話は終わらない。リアモニターでテレビの画像や音声は問題なく映るようになったのだが、仮に緊急ニュースが流れてきた時にそれをどうやって見れば良いというのか。音声だけである程度内容が判断できるならそれでも良いのだが、よく聞こえなかった場合や映像を見ないと状況が判断しがたい場合はやはり画面をチェックしたい。だが、高速道路走行中など、車を停めてリアシートに移動するわけにも行かない。
そのことで再び思案に暮れてしまったが、最終的にモノラル音声信号を2分配するRCAコネクタを3つ(映像と左右音声)購入して対応した。つまり、①チューナーユニット→分岐コネクタ→リアモニター、②チューナーユニット→分岐コネクタ→カーナビ外部入力、というような配線にしてみた。これでいざという時にはカーナビからもテレビ映像を表示させられるようになり理想的な構成にすることができた。
件の役立たずなモバイルアンテナも、難視聴地域でのお守りになってくれる可能性がゼロではないので、一応そのまま残しておくことにした。
この状態で東北へ出かけた。想定どおり、リアモニターから流れるテレビの音声は邪魔にならないくらいの音量で聞こえている。気になる報道が聞こえてきたらナビ側を外部入力にすることで、映像も確認できるようになった。これなら緊急地震速報のような目立つアラーム音も聞こえないということはなさそうだ。ただし幸いなことに、旅行中は一度も緊急地震速報が発報されなかったので、実際のところはよく分からない。実際に発報されたらチェックできるが、発報されないことに越したことはない。
そして、これでひとまず地デジへの移行も完了した。まぁ、カーナビもだいぶ古くなってきたのでそろそろ買い換え時かも知れない。新しい機種は間違いなく地デジ対応しているはずなので、それまでの繋ぎとして活躍を期待したい。