[Spada-49] いじりれき 2011/06-2
車内静音化について考える・7 [デッドニングその1]:
車内を静かで快適な環境にするため、日々精進しているわけだが、今回はデッドニング加工を行ったのでその模様をお伝えする。

きっかけは先日、自宅の物置を整理している時に、デルソルのデッドニング加工で使った制振シートの余りが出てきたことだった。
それを見ていたら、冷蔵庫を開けて食材を見ながらメニューを考える主婦のような気持ちになって、じゃあ今晩はデッドニングかしらと思い立った。とはいってもこれだけでは材料が足りないので、まずはカー用品店に足りない部材を調達しに行った。
売り場にパンフレットが置かれていたので手に取ってみたら、最近はデッドニングよりも車の静音加工ソリューションの方に力を入れているようで、ドアのみならず、天井、床、ピラー、ボンネットの裏、タイヤハウスといった具合に、ありとあらゆるところに加工を施すのがトレンドらしい。まぁ、商売というのはそういうものである。
もっとも、上記のうちいくつかは自分もDIYでチャレンジしている。ようやく時代が俺に追いついてきたぜw
デッドニング自体も、以前のようにスピーカーの付いているドアに対して加工するのみではなく、それ以外のドアやボディ内装部分のサービスホールを片っ端から塞いでいくソリューションをオススメしていた。そうすることでより上質な車内空間を実現できるというのだが、まぁそりゃそうでしょうねという感想しか浮かばない。穴が開いているところを塞げばそれだけ防音効果が高まるのだから。
これが軽自動車やコンパクトカーならまだ話は分かるが、ステップワゴンは車体が大きいので、鵜呑みにしたらお金がいくらあっても足りない。そもそも、サービスホール内にはスライドドアのモーターなども配置されているので、そこを塞いでしまうと万一故障した時に修理業者に腹をかっさばかれてしまいかねない。そう考えると流石に全てのサービスホールを塞ぐのはちょっと非現実的だ。
そんなわけで、エーモンさんのご期待に沿えず申し訳ないが、今回はフロントドアのみをデッドニングするトラディッショナルなスタイルで行かせていただく。
さて、購入してきたものは以下のとおりである。デッドニングに必要な部材というものはいくつかあり、店頭でも専用の部材が売られているのだが、ものによってはホームセンターで売られている汎用的なもので代用可能なものがある。そっちの方が安いので、極力代用可能なものは汎用品で調達し、代用の利かないもののみをエーモンのキットで揃えることにした。

まずは制振シート 2172(アルミシートタイプ)\3,129と、制振シートスタンダード 2360(ゴムシートタイプ)\1,890が各2枚。
エーモンの専用品はこれだけ。あとは汎用品を調達。ちなみに2172の方は写真に撮り忘れてしまったが、ものとしては冒頭の写真のものと同じである。

プロテクトクッション \698
これはドアのサービスホール内の吸音材として使用する。

アクリル両面テープ \1,080
上記プロテクトクッションなどをボディに貼り付けるために使用する。

タフクリンS \598
後述するが、ドアパネルに残った粘着成分を除去するためのシールはがしである。
そのほか、敷物売り場で見つけたウレタンのクッションシートを1m購入(写真に撮り忘れた)。

アルパイン インナーバッフル KTX-H1 \4,200
これはデッドニングとは直接無関係だが、スピーカーとボディの間に挟むことで音質の向上が見込めるという部材だ。主目的はあくまで車内の静音化だが、どうせならオーディオの音質向上も図りたいと思い購入してみた。
購入した部材は以上である。本来、この作業は2月ごろに着手する予定だったのだが、東日本大震災の発生により作業延期となってしまい、身辺が落ち着いてきた6月になってようやく作業に着手することができた。
最初に助手席側から加工を開始。助手席側ドアの内側パネルを取り外す。外し方はスピーカー交換の記事に記載してあるので参考にどうぞ。

で、パネルを取り外すとこんな具合になる。ご覧のとおりボディ側パネルの全面に渡ってビニールのカバーで塞がれているのだが、これはデッドニングの際には不要となるので剥がす必要がある。
そのカバーは外周部分を写真のような接着剤で貼り付けられている。これはブチルゴムというものだ。

名前にゴムと付いているが、よくかんだ後のガムのようなネバネバとした素材である。これも除去した方が良いのだが、まぁやりづらいったらない。このネバネバしたブチルゴムはホンダ車特有らしく、他のメーカーの車はもっと綺麗に除去できるらしい。
エーモン的にもこの除去のやりづらさは把握しているらしく、上からアルミテープを貼って隠したうえで、デッドニングシートを貼ってくださいと説明されているのだが、そんな横着は自分的にすっきりしない。ということで頑張って剥がすことに。

まずは大雑把にブチルゴムを剥ぎ取る。ヘラなどがあればある程度手早く作業できると思うが、手持ちがなかったのでシール剥がし液のパッケージの厚紙を活用した。

こそぐようにして全体的に除去したが、どうしてもうっすらと残ってしまい、まだ完全に除去するには至っていない。ここでシール剥がし液の登場である。

タフクリンSを塗布して浸透させてから同様にこそいでいくと綺麗に除去することができる。液はジェル状になっていて、垂直な面でも液だれしにくいというのが売り文句だったが、塗布したら塗ったそばからどんどん垂れていってしまう。看板に偽りありだった。ブチルゴムに塗布したら、すぐに付属のヘラでまんべんなく伸ばすようにして、液だれを防ぎながら全面に塗り広めた。
説明書では、液体がブチルゴムに馴染むまで5~10分ほど置いてくださいと書かれていたが、試しに塗布した直後にやっても案外素直に剥がれてくれたので、待たずに一気に終わらせることにした。

概ねブチルゴムが除去できたら、鉄板面の脱脂を兼ねてジッポーオイルでふき取り。で、どうにか除去完了。デルソルの時はジッポーオイルだけでやったので1時間以上かかったが、今回は30分ほどで終わらせることができた。シール剥がしの力、絶大なり。
ただ、結構根気のいる作業なので、終わったらくたびれてしまった。
で、ここまでが準備作業。ここからようやく本編のデッドニング加工を開始できる。ここからの作業の段取りとしては、まずサービスホール裏側に吸音材を貼り付け、それからホールを制振シートで塞ぐ。その後内側パネル裏側やAピラーの辺りにも制振シートと吸音材を貼って作業完了という流れである。
上述のとおり、制振シートはボディパネルの制振のためと、サービスホールを塞ぐための2つの用途で使用する。前述の資材調達編に書いたとおり、制振シートはアルミシートとゴムシートの2種類があり、ゴムシートの値段はアルミの3分の2ほどでアルミシートの方が高い。見た目はアルミシートの方がそれっぽい感じがするが、性能は多分一緒なので、目立つところにアルミシートを、見えにくいところは安いゴムシート、といった具合に使い分けることにした。まぁ、内張の裏側の話なので目立つも目立たないもないのだが・・・。
ということで作業開始。まずはサービスホール裏側への制振加工である。ここには制振シートと吸音材を貼り付ける。

吸音材は前述のとおり、ホームセンターで売られているクッションシートで代用した。でこぼこしている面があれば吸音効果が得られるので、高い専用品でなくても効果が得られるだろうと判断した。
クッションシートとゴムタイプの制振シートを同じくらいの大きさにカットし、アクリル両面テープで貼り合わせた後、ボディに貼り付ける。

貼り付ける場所はスピーカーの背後部分。ここはスピーカー背面からの音が一番共鳴しやすいらしく、スピーカーホールと同じくらいの大きさにカットして全面を覆うように貼るのがオススメされていたので、それに従ってみた。

それ以外の部分には、写真のように短冊状にカットしたものを貼り付ける。

こんな感じで千鳥状に要所要所に貼り付ける。この位置がベストかどうかは不明だが、機械などで測定することができないので、その辺りはトライアンドエラーが必要になる。といってもこんな作業を何度もやるほどのこだわりも根気もないので、効果なしだったとしても諦める。
続いてサービスホールを塞ぐ。

スピーカーホールの周囲はこのように全周に渡って貼り付ける。バッフルとボディの干渉や共鳴を防ぐためだ。四角く切った制振シートを貼り付けて、真ん中の穴の部分は切り取るが、そのまま捨てたら勿体ないので、小さいサービスホールを埋めるのに使う。
この制振シートは折りたたまれて箱に入った状態で販売されているのだが、表面素材がアルミなのでややゴワゴワとしており、シートを貼り付けるとしわが残ってしまう。それを付属のヘラで押し付けながら伸ばしていくのだが、思った以上に綺麗に仕上がらない。パンフレットの写真は綺麗に貼られているのだが、同じようにはならなかった。まぁ、見える部分じゃないからいいんだけど・・・。
同様にその他サービスホールにも貼り付けていく。
で、いよいよ作業は大詰め。といっても助手席サイドの、だが。
続いてインナーバッフルボードを取り付ける。購入したアルパインのインナーバッフルボードは、付属の取り付けネジが木ネジではなく平ネジで、しかも六角レンチで締めるタイプのものだった。

サイズの合う六角レンチの持ち合わせがあったかなぁと、工具箱の中を探したらジャストサイズのものが入っていてセーフ。家具を購入すると大抵商品と一緒に六角レンチが付属している。六角ボルトを採用するなら、そのくらいのサービスはしてくれてもよいと思うのだが・・・。
最後にスピーカーを取り付けて完了。

仕上がりはこんな感じである。まぁまぁいい感じに加工できたと思う。
とりあえず日が暮れたので今日はここまで。まだ、内張りの裏側への制振加工が残っている。運転席側もだけど。
早速持参したCDを再生してサウンドチェックをしてみた。運転席側、助手席側とバランスを振って試してみると、助手席側は全域に渡って音の輪郭がはっきりし、音声がしっかりとスピーカーの前方へ向けて鳴っている感じがした。一方の運転席側は助手席側と比べると、どこかから音が逃げているようなスカスカとした感じが強調されている気がする。これまでそんなものと思って聞いていた音の筈だが、助手席側の音を聞いた後だと物凄く不満に感じる。そのくらい出音の違いがはっきりと感じられた。
ただし、今回の加工の本来の目的である静音化については、加工前と比べてわずかに変わったかなという程度だった。恐らく助手席側ドア付近自体は制振シートによってだいぶ静かになったのではないかと思うが、それ以外にも穴はあちこちに開いているし、ガラス面も大きいので、ドア1枚を加工したくらいでは、他からのノイズ侵入を打ち消せるほどの効果は得られないようだ。運転席側を加工してどのような変化があるか、加工後に改めて報告する。