川越線の低窓車 (1990/01/20)

1990/01/20

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前日に関東地方では珍しいドカ雪が降った。まぁまぁ積もったのだが翌日にはあらかた溶けてしまった。

この日は土曜日だったが、当時はまだ週休2日制にはなっていなかったので、半日ほど学校に行かなければならなかった。学校から帰ってきて雪が解けているのをいいことにI田を誘って的場まで出かけることにした。I田は国鉄車両のNゲージに特に興味を持っていて、時々一緒に近場の模型屋に行ったりしていたのだが、家から少し離れた的場にもNゲージを売っている模型店(名前は忘れた)があることを知り、市場調査に行こうということになったのだ(高くて買えないので、ウィンドウショッピングに行ったともいう)。

今回、的場までわざわざ足を延ばすのにはもうひとつ理由があった。少し前の鉄道雑誌に、川越・高麗川間の川越線に103系の低窓車が入線していることが掲載されていて、それを見に行きたいと思ったのだ。

的場は自宅から自転車で1時間ほどの距離にある。が、毎日のように通学で20分ほど自転車を漕いでいる自分らにとっては大した距離ではなかった。程なく的場に到着し、まずは模型店に立ち寄る。1時間くらい模型の品定めをした。I田は上述のとおり国鉄車両が好きなのだが、自分はどちらかというとレアなローカル線などが好み。近所の模型店に売ってない車両が売られていないかとじっくりショーケースを見て回った。まぁ見つけたからといって買えないんだけども。


それから近くにある的場駅に移動。

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ホームで暫く待っていると、丁度タイミングよく低窓車がやってきた。

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川越線は普段103系3000番台というのが割り当てられていて、色は埼京線や横浜線と同じウグイス色に塗られていた。だが、それらの103系はいずれも高窓車であり、ウグイス色の低窓車は存在しなかった。なので、この編成は関東で1本しかないウグイス色の103系だったのである。

ちなみに、103系3000番台は旧型国電の72系という電車を改造したものである。旧型国電を改造して103系に組み入れるというのは非常に珍しいケースで、全国でもここ川越線でしか見られない珍車だった。もっとも見た目はほぼ103系だし、普段から川越駅に行けばいつでも見られる電車だったので、地元民としては大して珍しくもなかったのだが。

で、この3000番台は3両編成5本で運行されていたが、元々他型式からの改造車で、しかもここでしか走っていない番台なので予備がなく、故障などで編成が不足する場合は、このようにして他の線区から基本番台の編成を借りてきて運用することが時々あった。

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自分らが写真を撮りに行ったときはウグイス色に塗り直されて走っていたが、後年になるとその辺の手間を惜しんだのか、塗り直されず元の路線の色のままで入線してくることが多かったそうだ(その頃は鉄道から離れていたので、詳細は不明)。

まぁ、そんな感じでレアな低窓車撮影を楽しんで帰宅した。

(おわり)

Posted by gen_charly