富山の私鉄(2008/06/21)
カミさんが大学時代から仲良くしている女友達で集まって富山へ行こうと計画しているらしい。その話を聞いて自分は富山の私鉄のことを思い浮かべた。富山にはいくつか私鉄の鉄道路線がありどれも個性的で興味深いのだが、遠くてなかなか行く機会に恵まれない場所だったりする。
うっかり、富山良いなぁと漏らしたら、一緒に行く?と誘われた。いやいや、流石に女友達のグループに1人混じって観光するのは気が引けるよ。そもそも彼女らが鉄道撮影の散策に同行してくれる筈がない。
いや、まてよ。これは富山へ行くチャンスではないか。ただ、単に同行したら意味がない。そこで自分がワンボックスカーをレンタルしてみんなを乗せて富山まで運転し、現地に着いたら別行動というプランを提案した。それなら彼女らは水入らずで遊べるだろうし、自分も鉄道散策に専念できる。そしてレンタカー1台で行けば移動費を節約することも出来る。
案の定そうしよう!とあっさり話がまとまったので富山までドライブに行ってきた。金曜の晩に出発し土曜に富山観光をしてその晩に帰宅するという弾丸ツアーだったが、半日強の時間であちこち見て回ることが出来た。
2008/06/21
冒頭で女子連中と一緒の観光は気が引けると書いたが、みんな面識があるのでぎこちない間柄という訳でもない。車中もずっと和気藹々としたムードのまま朝方に富山に到着。
富山駅前で女性陣を下ろした後、自分はまず高岡へ向かった。ただ夜通し運転したので流石に眠く、場所は忘れたが途中のパーキングで少し仮眠。それから昼過ぎに高岡駅に到着した。
高岡駅は北陸本線(現:あいの風とやま鉄道線)の他にJR氷見線、城端線、万葉線(旧加越能鉄道)が集まる県西部のターミナル駅になっている。まずは駅前の万葉線乗り場に行ってみた。
このときデジカメの設定がおかしなことになっていることに気づかないまま撮影してしまい、何枚かの写真がVGAサイズで撮影した時のようにもの凄く粗い写真になってしまった。。。このモード何なん。
万葉線は路線名みたいな名前だが鉄道事業者の会社名である。ここから海沿いの越の潟までの間を結ぶ路面電車だ。高岡駅の停留所は乗降場のほんの1mほど先で線路がぷっつりと途切れていて、車止めもないのであまり電車の乗り場という感じがしない。鉄道模型のジオラマにありそうなローカルムードにあふれる好ましい印象の乗り場だった。
停車している車両はデ7070形で万葉線の主力車両のひとつとなっている。この車両を撮影した後、次の電車までの間に一旦JRの駅の方へ行ってみた。
氷見線のキハ40形。氷見出身の偉大なる漫画家である藤子不二雄にちなんでハットリ君のイラストが描かれていた。
一方、城端線の方はキハ47形が止まっていた。前面は同じデザインだが横の乗降扉の位置や形状の違いで形式が判断できる。こちらは城端線用の塗り分けになっている。
そして再び万葉線の方へ戻ってくると、最新鋭のMLRV1000形が停車中だった。
さしあたって高岡駅で撮影できるものはこのくらいのようなので、今度は米島口駅近くにある万葉線の車庫を訪ねてみた。
ここに停まっていたのがデ5010形。ご覧のとおりスノープラウが取付けられて除雪車として使われている車両だ。
そしてこちらがデ7000形。さっき高岡駅前で撮影したデ7070形の兄貴分の車両だが、デ5010形とともに既に過去帳入りとなっている。
さてお次は黒部峡谷鉄道である。この路線は黒部ダムへと向かう観光路線としてトロッコ列車が運行される全国区レベルで有名な鉄道路線である。元々はダム建設のための資材運搬線として建設されたもので、軌間762mmの特殊狭軌だったり、冬場になると全てのレールを撤去した上で運休となるなど特徴の多い路線でもある。
正直言って電気機関車や客車列車(しかもトロッコ)の類いは自分的にはあまり刺さるもではないうえ、山奥の方へ向かう路線なのでわざわざ撮影しに行くのも大変ということでこれまで積極的に撮影しに行こうという気にならなかった。だが折角富山まで来てスルーするのも何かと思ったので思い切って尋ねてみることにした次第。と言っても県西部にある高岡から県東部にある宇奈月までは結構な距離がある。無駄と言えば無駄なのだが、こういうのは勢いが大事。
という訳で高岡から高速へ乗って黒部に向かう。で、途中休憩の傍ら一旦高速を降りて富山地方鉄道の黒部駅に立ち寄った。
ここで入線してきたのは14760形という車両だった。富山地方鉄道については後ほど改めて触れるので撮影報告のみ。
で、更に走って宇奈月駅に到着。
が、どの車両もどうにも撮影しづらい場所に停められている。写真はEDM形という電気機関車。
そしてこちらの客車がボハフ2800形というもの。乗ったら楽しそうな路線ではあるが撮影してもあまりぐっと来るものがない。。。まぁとりあえず撮影しました、ということで。。。
この留置線には見える範囲で上記以外の車両が見つけられなかった。遠路はるばるやってきた割に収穫が少なかったが、のんびりしている時間もないのですぐに引き返しとなった。
ということで次は富山地方鉄道の車両撮影である。この私鉄は戦時統合で誕生した鉄道会社で、富山県内に多数の鉄道線および軌道線を運営している北陸私鉄界の雄である。その路線長は100キロを超え、立山や宇奈月温泉と言った富山屈指の観光地へのアクセスルートにもなっている。
富山地方鉄道の車庫は富山駅から1駅進んだ稲荷町駅に隣接して設けられている。宇奈月から再び富山に戻るというのもなんとも無駄なコースだが、どのみち女子連中を迎えに富山までは戻らないとならなかったのでこういうルートにした次第。
で、延々来た道を戻って稲荷町にやってきた。車庫の詰所を訪ねて見学の可否を尋ねたら許可を頂くことが出来た。
という訳で、まず最初に見かけたのが12020形電気機関車。古い車両で若干色あせているが現役である。
次がクハ175形。片割れのないまま1両で停まっていた。ちなみに富山地方鉄道の鉄道線車両は上述の14760形のように5桁の番号が振られているものと、この車両のように3桁の番号が振られている車両に分かれている。これは5桁の車番のうち上3桁がモーターの出力を表している為である。なのでモーターが付いていない車両は3桁のみの番号になるという仕組みだ。
で、こちらはクハ173形。一昔前の富山地方鉄道の標準的なデザインになっている。
そしてモハ10020形。この形式は3編成あり、1本のみ写真のような富山地方鉄道の標準色となっていたが、
それ以外の編成は写真のように緑と黄色の塗り分けになっていた。いずれも引退済みとなっている。
最後が10030形。見てのとおり元京阪の3000系である。
以上で稲荷町車庫の見学は終了。係員にお礼を言って退出した。
ということで富山の私鉄探訪の旅もいよいよ大詰め。富山駅へと向かい、女子連中と合流するまでの時間で軌道線の撮影に勤しんだ。
まず最初が富山ライトレール。少し前までJRの富山港線だったが、市街地区間が路面電車化され事業者も第三セクターの富山ライトレールに移管された。
記事を執筆している2025年現在、富山駅の真下を潜って富山地方鉄道の軌道線と直通運転が開始されている。またそれに伴ってこの路線を富山地方鉄道が買収したために、現在は富山地方鉄道の路線となっている。
写真は0600形と言う車両。当時は富山ライトレールの社名のイニシャルであるTLRを冠していた。
当時の始発駅であった富山駅北停留場で撮影したものだが、これも直通化によって廃止となっている。2006年に開設されて2020年に廃止となっているので活躍したのは僅か14年間であった。
それからJR富山駅の反対側に出て富山地方鉄道の軌道線を撮影。こちらも南北直通化でJR富山駅直下で富山港線と接続するようになり、また丸の内停留場と中町停留場を結ぶ路線が新規開業し環状運転が開始されるなど割と明るいニュースが続いている路線でもある。
最初が8000形。
次が7000形。
当時はこの2形式のみだったのであっさりと撮影終了。そして以上で富山の私鉄探訪もおしまいである。
程なく女子連中と合流しそのまま帰宅となった。