大阪出張2009【2】(2009/04/12)
さて、神戸界隈で撮りたいと思っていた車両は概ねゲットできたが、まだ日が沈むまでに時間がある。もう一声、普段気軽に行けなさそうな場所にある鉄道を、と言うことで白羽の矢が立ったのは加悦鉄道(かやてつどう)である。
地元の人か古くからの鉄道ファンでなもない限り聞き馴染のない名前の鉄道ではないかと思うが、かつて京都の日本海側に位置する与謝野町を走っていた鉄道だ。そもそも与謝野ってどこや?となるが、与謝野町は天橋立でおなじみの宮津市の隣町であるといえば何となくイメージが付くと思う。
路線は昭和60年には廃止されているので既にかなりの年月が経過しているが、現地にある加悦鉄道SL広場という鉄道資料館が営業当時に走っていた車両を保存展示している。しかもただ保存しているだけではなく動態保存をしているというのだ。
以前からチャンスがあれば訪問したいと思っていたが、与謝野町は鉄道経由で行くにはとにかくアクセスの悪い所なので、なかなか足が向かなかった。だが今回は車がある。行くなら今しかない。
神戸(というか加古川)からはだいぶ距離がある。高速を乗り継いで2時間30分弱。ようやく到着した。
資料館の建物は加悦駅の建物を移築してきたそうだ。入場料は300円。
敷地に入ると留置線のような場所に多数の車両が展示されている。
まず最初は、ハブ3と言う客車。見るからに古そうだが、製造はなんと明治22年。110年前の車両だ。恐るべき保存状態のよさである。
次に目に入ったのが、ハ4995。これも相当古そうだが明治26年の製造とのこと。
現代の車両と違って車内に通路がなく、トロッコ列車などのように座席区画ごとに乗降扉が付いている。
かつては駅員がこれらの扉を一つ一つ開けて乗降客の確認をしていたらしい。
今から考えれば非効率極まりないが、まだ車両中央に通路を作るという概念がなかったのだろう。
車内はこんな感じ。座面はなんと畳敷きである。こんな車両が昭和60年まで走っていたのか・・・と思ったら1935年までだったそうだ。流石にこんな車両から降りて来る洋服の乗客の姿はイメージしがたい。
車内に立ち入ることが出来ないので、その座り心地などを体験することはできないが、テレビドラマなどでしか見たことがなかった鉄道黎明期の車両の実物をこうして目の当たりにできるというのは大変貴重なことだと思う。
SLも重要文化財レベルの古い車両が展示されている。が、SLはあまり興味がないので、ちゃんとチェックしなかった。。。
そのほか、他の鉄道路線で使用されていた車両も保存されている。
工場地帯に敷設されていた貨物鉄道の機関車もいくつか展示されていた。が、これも興味がなく。。。
なんか自分の興味が偏っているな、と思うが、旅客車両(電車→気動車→客車)→機関車→貨車の順で興味が薄れていくので、機関車類や貨車類は(貴重なものであることは承知しているが)あまり詳しく書けない。なのでここでは紹介しないものがあることは勘弁願いたい。
言い訳はさておき、自分がここを訪ねたかった一番の目的であるディーゼルカーの方に目を向けさせてもらう。
トップバッターはキハ101。昭和11年製。登場当時はガソリンで動いていたが、後年ディーゼルエンジンに換装されたということだ。
この車両はぜひとも見たかった車両の一つ。なぜかというと、
片ボギー車なのだ。
なのだ、と言われてもよく分からないと思うので簡単に説明すると、鉄道車両を横から眺めると、大抵の車両は2個1セットになった車輪(台車)が車両の両端に1個ずつついていて、計4つ見えるはずだ(それが2本のレールに乗っているので、1両あたりの車輪の数は8個)。
その2個1セットになっているタイプを一般にボギー台車と呼んでいる。ボギー大佐ではない。
わざわざボギー台車という名前があるくらいなので違うものもある。今ではほとんど見られなくなったが、車と同じように前後1輪ずつ(1両あたり4個)の車輪を備えたタイプの物もあった。それが2軸単車と呼ばれている。上に掲載したハブ3やハ4995などは2軸の客車である。
昔は車両が小さかったので2軸単車でも十分機能していたのだが、前掲の客車の写真を見ても分かるように車両の中央寄りに台車が置かれているので、乗り心地があまりよくない上に、重心が偏った場合に容易に脱線してしまう可能性がある。更には車両を大型化する際にカーブを曲がりにくくなるという弊害もある。そういう訳で最近ではほとんど使われなくなった。
全然簡単な説明になってないな。。。
まぁともかく、このキハ101は片方の車輪が1軸でもう片方の車輪が2軸(ボギー)となっている非常に珍しい車両なのだ。日本で現存するものは恐らくこれしかないと言われている。
鉄道車両の擬音と言えば「ガタンゴトン」である。いうまでもなくボギー台車の4輪がレールの継ぎ目を通過する時に生じる音を擬音化したものだが、この車両の場合は「ガタン・トン」となったのであろう。走行時の音を聞いてみたかった。
というか、なんでこんな中途半端な仕組みになったのか、と言うことだが、恐らく車両自体は2軸単車で事足りるサイズなのだが、エンジンを乗せるにあたり、片方をボギーにする必要があったためだろう。
なんか興奮してながなが語ってしまったので、次の車両に移動。