北海道初上陸【4】(1999/08/30)
富良野:
富良野に近づくにつれ、車窓から見える景色が、だんだん自分が思い描いていた北の大地のイメージとマッチする場所が増えてきた。これぞ北海道というような景色に、いよいよテンションが上がる。
それでちょいちょい車を停めて景色を眺めたりしていたら、富良野に着く頃には日が傾き初めていた。富良野に来たは良いが、具体的に見どころを定めて訪れているわけではなく、これから探さなくてはならない。だが、今から情報収集をして、地図で目的地を定めそこへ向かったら、多分日が暮れる。日が暮れてから畑を見てもしょうがない。結局畑を見るのは諦めた。
とはいえ、まだ少し時間がある。その時間で見て回れそうな場所ということで、ドラマ「北の国から」のロケ地を見に行ってみることにした。
▲中の沢小学校
▲フェニックスファーム
が、自分もKも北の国からは見てないんですよねぇw
だからその場所に着いても何の感動も湧かなかった。せっかく訪ねたので、一応写真だけは撮影したが・・・。富良野は北海道の定番観光スポットのひとつではあるが、ここは、単に景色に優れた場所の他は、〇〇の撮影で使われた場所みたいなのが多い。だから映画もテレビもほとんど見ない2人がそれを見てもピンと来るわけがないのである。そういう意味で、我々には向いていないスポットだったのかもしれない。
旭川の夜:
さて、ぼちぼち旭川に移動しないと。なんだか凄く消化不良な富良野観光だったが、これにて撤収。
Aさんとは旭川駅で待ち合わせとなっている。といっても、Aさんはネットでやり取りしているだけの人なので、顔が分からない。無事合流できるか不安もあったが、なんだかんだで無事合流することができた。
AさんはT-SQUAREの大ファンというSAX奏者だ。はるばる旭川まで顔を出してくれたことにいたく感激してくれた。とりあえず夕食でも食べましょう、ということで連れて行ってもらったのが松尾ジンギスカン。初めての北海道ならジンギスカンは食べておいた方が良い、とおススメしてくれたのだ。
我々は、北海道にジンギスカンという名物料理があることは知っていたが、2人ともまだ食べたことはない。ドーム型をした鉄板の上で、野菜と一緒にラム肉を焼いたものだが、ラム肉も食べたことがない。独特な癖があると聞いていたので、美味しく食べられるか不安だったが、おススメされて食わず嫌いというのもカッコ悪いので、その不安は伏せて是非食べてみたいですと希望したのだ。
果たして鉄板の上でジュウジュウと音を立てて焼き上がったラム肉を、意を決してひと口食べてみたら、うまいのなんのって。
食事中、KをそっちのけにしてT-SQUARE話に花が咲いた。旭川は音楽不毛地帯と言われており、アーティストがツアーを組んでも、まず旭川までは来てくれないのだそうだ。なので旭川の人がコンサートを見たいとなったら、いちいち札幌まで行かなければならないと嘆いていた。
そんな会話をしながら、うまいジンギスカンは、あっという間に2人の胃の中に納まっていった。
食事を終えたら軽く飲みに行きませんか?と誘ってくれた。自分は運転があるから飲めないですよと話したら、お酒は飲まなくても良いから行こうよとさらに誘われた。それならと二次会に繰り出すことになった。
連れて行ってもらったのは、Aさんがよく顔を出しているというライブバーだった。店内にはドラムセットやウッドベースなどが置かれていて自由に弾いていいという。マスターとは顔なじみらしく、マスターやたまたま来ていた別のお客さんも交えて、様々な音楽談義をした。なんかいいな、この感じ。自分が幼い頃、父が良く入り浸っていたスナックの雰囲気によく似ている。こんな風に楽しく話したいことを話す雰囲気は大好き。
さっきのジンギスカンの時の話題がキャリーオーバーされ、再び音楽と掲示板の人間関係の話で大いに盛り上がる。チャット上では、キーボードから入力された文字のやりとりしかできない。対面なら思ったことをそのまま口に出しても、表情などでフォローすることができるが、文字でとなるとある程度の文章の組み立てが必要になり、その過程で省略される情報や空気感はどうしても生まれてしまう。だからチャット上だけの間柄だけではなく、こうしてオフラインでもお話しできるのはその人を知るうえで、またとない機会である。
ちなみにKはT-SQUAREのファンではない。遊びにきている時にBGMで流したりしているので、多少の曲の知識はあと思うが、さすがにここで飛び交っている会話は、彼の興味の対象からは外れたものばかりだ。もちろんそういう集まりになることは事前に伝えてあるのだが、さすがに退屈になるかなとちょっと心配していた。だがそこはKの人間性。周りの話にも程よく相槌を打ち、他の客から可愛がられていた。
マスターやその客は、特にフュージョンが好きというわけではないようだが、お互いどんな音楽活動をしているのかとか、自分の好きな音楽の良さとか、そんなとりとめのない話をした。
少しまったりし始めた頃、マスターが、ステージの片隅に立てかけられたウッドベースを指さして、弾いてみたら?と言った。それに呼応してAさんも、弾いてみなよ、あたしも聞きたいと相づちを打つ。困ったなぁ・・・、自分はエレキベース奏者ではあるが、ウッドベースは触ったことがない。どっちもベースだろ?というなかれ。両者は演奏方法も違えばフレージングも異なる、全く別の楽器なのだ。
最初はやんわりと遠慮していたのだが、しつこく勧められて、渋々触ってみた。が、やっぱりまともに音を出すことすらできなかった。ちょっと悔しかったので、次の機会に備えて簡単でキャッチーなフレーズでもいいから、ひとつくらい覚えようかなと思った。
そんな感じでまったりとした旭川の夜は過ぎゆき、気が付けばもう日付が変わろうとしている。今晩を過ごす場所はまだ決めていなかったが、近隣の道の駅への移動で恐らく1時間くらいはかかりそうな気がする。
ということでそろそろお暇しますとAさんに申し出たら、もう遅い時間だから宿に泊まっていきなよと勧められた。そのお気遣いはありがたいのだが、今回の旅行はケチケチ旅行なのであまり持ち合わせがない。それを伝えると、ちょっと探してみるねといって、マスターと相談をし始めた。少しして、旭川で一番安い宿を探し出して予約してくれた。その宿はなんと2名1室で3,000円だそうだ。割り勘で1,500円、そんな宿あるのか。もちろん素泊まりだが、正直、車中泊が2日続いたので、そろそろ足を伸ばしてゆっくり眠りたいとも思っていたところだったので、ありがたくその宿に泊まることにした。
宿まで先導してもらい、宿の前で、機会があったらぜひ東京にも来てくださいと伝えて解散となった。
この破格宿、街中にある民宿だったのだが、残念ながら宿の名前や、その詳細なディテールについてはもう記憶に残っていない。民家みたいな建物の和室みたいな部屋だった気がする。
目の前に敷かれている布団に、風呂にも入らず潜り込んでそのまま眠ってしまった。
