北海道初上陸【9】(1999/09/02)

小樽観光:


1999/09/02

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ホテルからの眺めをビデオに撮っていた。
この時に宿泊したホテルがどこだったのかずっと忘れていたのだが、ビデオで撮影していた風景から、東横インに泊まっていたことがはっきりした。やっぱり何かしら記録は残しておくものだなと痛感する。

このエントリは旅行から10数年を経て書いている。当時はこうした旅行記をWEBで公開することを全く考えていなかったので、旅行後にそれらをまとめるなんてこともしていなかった。元々旅に出ると後半の記憶が曖昧になりがちなので、もはやS君との再会を果たして以降の記憶がおぼろげになっている。

この日は小樽へ行ったがもしかしたら記憶違いなどが多々あるかもしれない。その前提で読んで頂けたら幸いだ。


今日は車を宿に置いて鉄道で小樽入りをした。北海道の鉄道に乗るのももちろん初めて。札幌と小樽を結ぶ函館本線はどのような寂しい所を走るのだろうかと思っていたが、それは北海道が人口希薄な辺境ばかりという先入観のせいだった。

もちろん途中区間で海岸沿いに張り付くように走ったり、険しい地形の所を通ったりしている場所もあったが、街が駅の周辺を中心に点々と続いていて寂しさを感じる光景はほとんど目にしないまま、気が付いたら小樽に着いていた。


列車を降りたのは良いが小樽で何をするかは例によってノーアイディアである。とりあえず小樽のことを何も知らない我々でも知っている小樽運河を見に行ってみることにした。

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小樽運河はご当地ソングとして歌われていたりするので知名度のある場所ではあるのだが、一説によるとなかなかのがっかり名所だという噂だ。はたして、運河のあるところまで出てきたが目の前に広がる光景は・・・運河である。

ここに来ないと見られない景色という感じもなく、どこぞの川っぺりだと言われても分からないくらいの景色でしかない。
日本三大がっかり名所ほどのがっかり感はなかったが、かといって大いに感動するというわけでもなく、自分らはここをどう評価すればよいか戸惑ってしまった。

きっと小樽の歴史を知ったうえでここを見ないと何も楽しめない場所なのだろう。


回らない寿司屋で大人の階段を登る:


Kが折角小樽に来たんだからおいしい寿司が食べたい、と言っている。確かに北海道に来てからロクに北海道グルメを味わっていない。

ガイドブックには旨そうな寿司屋が多数掲載されている。中には目の飛び出ようなプライスというか、行ってみたいという気にもならないような店もあるが、その中で割とリーズナブルな価格で提供している店が一軒あった。旅はもうほぼ終盤戦なので最後くらい贅沢してもいいかなという気になった。

その店は街中にある幸寿司という店。回らないお寿司なんて初めてだ。自分らのような若造が敷居をまたいでよいのだろうかという不安を感じながら店を目指した。

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旧手宮線の線路跡を見つつ商店街のアーケードを抜けて幸寿司の前まで来た。だが店に入るべきかまだ踏ん切りがつかず、Kとあーでもないこーでもない、と言いながら周辺をウロウロした。

が、5分ぐらい迷った末、意を決して暖簾をくぐった。


のれんを潜ると右側にカウンター、左側に座敷があったような気がする。昼下がりで昼食の時間ではなかったせいか店内は閑散としていた。
店もこの時間の来店はあまり考えていなかったのか何となく薄暗い印象だった。いや、もしかしたら外に照り付ける夏の日差しが強すぎて相対的に暗く見えただけなのかもしれないが、まぁとにかく、おぼろげな記憶としてそういう店内の雰囲気が記憶に残っている。

この店で食べて本当に良いのだろうか、とこの時も一瞬戸惑ってしまったが、ここまで来たら覚悟を決めるしかない。


カウンターに2人並んで座って寿司を注文。なにを注文したかは忘れたが大将は注文を聞いて粛々と寿司を握り始めた。
ガイドブックに載せているくらいだから、恐らくお上りさんや一見さんも度々訪れるのだろう。何となく場違いな気がして落ち着かなかったが、大将から煙たい顔をされることはなかった。

待つこと数分、大将が握った寿司が我々の前に出された。出されたらそこにあるのは良く知った寿司である。それまでの緊張感はどこへやら、回転寿司で何度も食べているのと同じ所作でその握りに手を付けた。
その寿司はネタのひとつひとつがしっかり大きく新鮮で、海の近くの寿司屋にいるのだなという実感がこもる。

とにかく美味かったのでじっくり堪能することもなくあっという間にあらかた胃袋に収まってしまった。

そして最後に残ったのがウニの軍艦。ウニは昔食べたものが美味しくなくて以来苦手なネタだった。なので最後まで残してしまったのだが、ここで残すなんて色々な意味でありえない。

意を決して口に運ぶ。が、美味い!なんだこのめちゃめちゃうまいウニは。店が違うだけでこんなにも味が変わるものだとは思わなかった。

最後の最後まで全てのネタが旨くて感動した。リーズナブルと言ってもその辺の定食屋で食べるランチと較べたらそれなりに奮発した。だが奮発した甲斐があった。一回り大人になれたような気がした。


ちなみにその薄暗い店内、写真などには一切残していないのであくまで自分の記憶の中の光景である。もしかしたら記憶違いかもしれず、もしそのまま書いたら営業妨害になりかねない。ということで念のためネットで検索してみると検索結果に出てくる幸寿司の画像は自分の記憶とは似ても似つかない小奇麗な店だった。

もう10数年前の話なので、リニューアルされているのかもしれない。そうでなければお店が違ったか、当時の記憶が散逸しているかのいずれかだろう。もし違う店だとまずいので店のリンクを貼ることは控えたい。

まぁ、とにかく小樽でうまい寿司を食った、というそのことだけ自分の記憶に残り続けていればよいのだ。

Posted by gen_charly