ほぼ日本一周ツアー【10】(2000/09/21)
松江へ:
さて、ここから先は特急を乗り継いで一気に松江へと向かう。
まずは岡山駅まで特急しおかぜに乗る。岡山駅までは2時間半の旅路だ。
この車両はJR四国の8000系という。どことなく中国辺りで走っていそうな雰囲気のデザインだ。実は昨日今治駅から松山駅まで乗車したのもこの車両だったので新鮮さはない。
この列車は瀬戸大橋を渡り岡山駅まで走る。瀬戸大橋の鉄道での通過は1988年以来なのでだいぶ久しぶりである。どんな風景だったか改めて目に焼き付けておこうと思っていたのだが、これまでの旅路で少しくたびれているのか列車に乗って程なくウトウトしてしまい、気が付いたら岡山駅に着いていた。残念。。。
岡山駅から松江駅までは特急スーパーやくもに乗車する。乗り継ぎは20分ほどなのであまりゆっくりできないが今日頑張って松江まで行かなければならないので仕方なし。
スーパーやくももまた2時間ちょっとの乗車となる。
車両は381系だった。この車両は振り子式と呼ばれる構造を持っていてカーブを高速で通過することが出来るような作りになっているのだが、その構造のせいで乗り心地が気持ち悪いと評判の車両で、乗り物酔いをしやすい自分は平気だろうかとやや不安を感じながらの乗車。
松江駅までの経路は伯備線という路線が大部分を占める。中国地方を縦断する路線は今まで乗ったことがなかったので今度こそこの目に焼き付けようと意気込んで乗車したが、やっぱり乗り込んで20分もしないうちに居眠りこいてしまい、気が付いたら松江駅直前という体たらく。。。
なんか、今回の旅は長距離移動の時に寝てばかりだな。まぁ、おかげで全く乗り物酔いに苛まれることはなかったが。
ユニバーサルホテル:
まぁ何はともあれ松江駅に着いた。人生で初の山陰地方である。と言っても既に暗くなってしまっているのでよく分からないが。
とりあえず駅の観光案内所で本日の宿を探してもらったところ、駅前のユニバーサルホテルというホテルを手配してくれた。シングル2食付きで4000円という破格プライスでやっているホテルだった。手持ちが潤沢でないのでこれはとても助かった。
ユニバーサルホテルは松江の駅前に2カ所建物があるが、自分が手配してもらったのは別館の方だった。主な施設は本館の方に集約されているらしく何かあれば本館まで移動しなければならないのだが、別館の方は建物がまだ新しく小奇麗だった。
チェックインして通された部屋は最上階の15階の部屋だった。
シングルで手配してもらった筈だが部屋に入ったら妙に広い。ベッドはダブルだし、
風呂トイレもユニット式ではなく別々。こんな部屋を1人で使わせてもらってよいのだろうかと少し心配になった。
一応フロントに確認したらシングル料金で問題ないとのこと。何か手配上の手違いがあったのかもしれない。こちらとしては棚ボタなのでありがたい限りだが。
ちなみにこうしてゆっくり入浴できる浴室まで付いている部屋だが、本館には別途大浴場があるらしい。本館はこの建物から目と鼻の先にあるので夕食を食べに行く時に大浴場に行ってみることにした。
食事の前にまずはお風呂。大浴場は温泉ではなかったが広い湯船で足を伸ばしてじっくりと旅の疲れを落とすことが出来た。
お風呂で体をさっぱりした後に食事処に行って夕食。食事の内容はもはや記憶にないが値段を考えれば上等という感じの内容だったような気がする。
当時のビジネスホテル事情でも1泊4000円台で大浴場ありの2食付きなんてプランをやっているところは殆どなかった気がする。
また松江で宿泊する機会があったらもう一度利用してみたいな、と思わせるホテルだった。
食事を済ませたら別館の自室に戻る道すがら松江駅のみどりの窓口に寄って、帰りのサンライズ出雲の切符の手配を済ませておくことに。
サンライズ出雲はA寝台、B寝台を連結しているが開放式はなく全て個室になっている。ノビノビ座席も雑魚寝部屋のような作りだが頭の部分だけは仕切りで隠れるようになっていて今風の設計である。
他の寝台特急は開放式2段寝台がメインで個室寝台は数両だけ申し訳程度に用意されている感じの列車が多い。B寝台の開放式の寝台料金と同じくB寝台の個室であるソロの寝台料金が一緒、というよく分からない値段設定になっているので大抵個室はあっという間に埋まってしまう。
今時カーテンの仕切りだけで寝るのは防犯的な面でも望ましいものではないと思うので個室化されるのは時代の要請なのかもしれない。
それはさておき、みどりの窓口で列車の手配をしたらすんなり手配完了。やっぱり平日ならこんなもんか。車両の設備がグレードアップしているせいかB寝台個室シングルの料金はソロよりも少し高めになっていた。
1泊を過ごす代金としては本日の寝床のホテルの値段から考えてもちょっと高い気がするが、寝台料金として考えると妥当かなという気もする。
駅からの戻り道でコンビニに立ち寄ったら、ご当地メーカーのコーヒー牛乳が売られていたので買ってみた。木次と書いて「きすき」と読む。島根県にある自治体だ。
パッケージに書かれているイラストは今でもこのままなのだろうか。何かしらのケチが付いてもおかしくなさそうなややきわどいイラストである。自分はこういう味のあるイラストは好きなのだが。
こうして人生初の山陰地方での夜は相変わらず街中を散策するでもなく静かに過ぎて行った。