沖縄社員旅行【4】(2005/09/17)

浜屋:


そんなわけでいまいち煮え切らない離島めぐりを済ませて再び沖縄本島へと戻ってきた。
お次はYちゃんのリクエストで浜屋という店で沖縄そばを食す。店は北谷(ちゃたん)町にあって、今いる場所からだと島の反対側の海岸沿いになる。

この店は沖縄で一二を争う有名店ということだが、我々が訪れた時は食事時の時間から外れていたせいか並ぶことなく入ることが出来た。
店の外観を撮影していないが、外観はいかにも地元民相手の食堂といった趣の店だ。観光客が気軽に入りづらそうな雰囲気だったがYちゃんの手前怖気づくわけにもいかず、素知らぬ顔で入店した。

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で、注文したのは浜屋そば。ソーキが乗っている。
浜屋そばは小と大がある。まだ10時前だが今日は4時に起床しているので既に6時間が経過している。腹もいい感じに減っているので大を選びたくなったが、この後食べ歩きが続くので小で我慢。

沖縄そばは麺がややぼそぼそとした感じがあるが、かつおだしのスープと一緒に食べると実に美味い。ソーキも柔らかく煮込まれていて絶品だった。小さいサイズなので空腹の自分の胃袋にあっという間に収まってしまった。食事している間に徐々に店内が混んできたので食後はそそくさと店を出る。

食事がやたらと遅かったり、食事が済んでいるのに混雑を気にせず長っ尻したりする女性がいる。Yちゃんがそういうタイプだったら一緒に行動してストレスを感じそうで心配だったのだが、そういう所はちゃんと弁えている子だった。食事は手際よく済ませて速やかな退店に不満そうな顔をすることもなく出て来てくれたので安心感があった。

この先もお互いが楽しい旅にしたいところだ。

 

象のオリ:


次に向かったのは楚部(そべ)通信所である。通信所とは?と言う話だが米軍の軍事通信の受信施設である。
この施設は国が代執行することで地主から借用した土地を米軍へ提供と言う体裁をとっていたが、その借用期限の更新の少し前に米軍兵による婦女暴行事件が発生したことで沖縄県民の対米軍感情が悪化。その影響で地主や当時の沖縄県知事が土地の賃貸契約の更新を拒否した。
それを受けて国は沖縄県を相手取って訴訟を起こす事態にまで発展した。

そうしたナーバスな問題だけによくニュースでも取り上げられ、その施設の形状から「象のオリ」と表現されていた。
訴訟の方は正直なところあまり興味がなかったが、象のオリと言うものがどんなものか一度この目で見たいと思ったのだ。

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これが象のオリ。読谷(よみたん)村と言う所にある。
この円形に配された鉄塔が受信用のアンテナだそうだ。写真では比較対象があまりないので分かりづらいと思うが、とにかく巨大なアンテナだった。

こんなに大きなもの、象の檻として使うなら象はよほど快適だと思う。なんなら恐竜を囲っておくことも出来そうなほどのサイズ感だ。

 

上記の事件をきっかけとして通信施設の移転を条件に返還されることが決まったのだが、この旅行時はまだ返還前だった。米軍の施設と言うことで物々しい雰囲気になっているのではないかと懸念したが、付近一帯は長閑な雰囲気に包まれていた。

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施設に隣接するグラウンドでは少年野球の試合中で、

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海の方を向けばアメリカンテイストな塀の向こうに大海原が広がっていた。

ということで、ただ見学しただけだったが見られて満足だった。Yちゃんからこの施設はどういうものなんですか?と聞かれて説明に四苦八苦したことは内緒であるw

 

斎場御獄:


さて、次である。今度は趣向を変えて斎場御獄(せーふぁうたき)へ行ってみることに。
御嶽とは本土で言う所の神社のようなものであるが、この御嶽は沖縄で一番位が高い聖地とされている。

2000年に世界遺産へ登録されたのでご存じの方も多いと思う。

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ということで到着。この御嶽は一般開放され自由に見学ができる。見学自由な御嶽は割と珍しいのだそうだ。
※2007年から有料化している。

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御嶽までの通路は石畳になっている。ここを2人で歩いていたら、向かいから職場の別部署の上司が歩いてきた。げ、こんなところで。。。

その上司は我々を見るなりニヤニヤしながら目を細めて、ふーん2人はそういう関係なのかぁ!という目つきで我々をじろじろと眺める。なんか慌てて否定するのも藪蛇な気がしたのでしれっと挨拶だけしてすれ違った。

なんか○○さん、誤解してるよねとYちゃんに話すと、まぁそれならそれでいいんじゃないですか?とさらっと返された。
なかなか肝の座ったお嬢さんだ。そんな風に堂々としてくたらむしろ清々しいwよしそれで行こう。

前述のとおりカミさんとのお付き合いを公表していなかったので、その上司からYちゃんと付き合っているというミスリードが広まることは、こちらとしてもカモフラージュになるのでむしろ好都合なのだ。

 

それはさておき御嶽である。御嶽へ続く通路は森の木陰になっていてうだるような暑さも一息。
そのまま進んでいくと広場に出た。

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大庫理(うふぐーい)と呼ばれる場所である。
左手側はオーバーハングした絶壁がせり出していて、その下には祭祀に用いる道具などが点々と配されていた。

大庫理は一番座を表す物で一番座はいわゆる客間を指す言葉である。
その祭壇の上のオーバーハングした崖から牙のような石が突き出している。見た感じ石灰岩っぽい岩に見えるが、こうした風雨にさらされる場所で鍾乳石が発達したという話は聞いたことがない。どのような理由でこんな造形になっているのか不思議だった。

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その先にあるのが三庫理(さんぐーい)。この御嶽の象徴とも言うべき場所である。御嶽入口のモニュメント(3つ上の写真)もこの場所をモチーフにしている。

巨岩が岩盤にもたれかかれるようになっていて、その下がトンネルのようになっている。傍らに立っている子がYちゃんである。人のサイズと比較するとその巨大さが分かると思う。

ご覧のとおりもたれかかっている方の岩盤はまっ平らに切断されたような面を向けている。人工的なテクスチャのように見えるが、これほどの物を古代の人たちが人力で切り出すのはまず不可能だろう。恐らく断層面のようなものと思われるが、そうした神秘性もここが御嶽として祀られるようになった理由のひとつなのかもしれない。

 

このトンネルを通り抜けると、その向こうは三方を岩に囲まれたこじんまりとした拝所となっている。

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一方のみ木が生い茂り、その木々の間から額縁で切り取られた絵のように、海と久高(くだか)島の姿が見えた。久高島も沖縄信仰の最高聖地とされる島であり、その島を遥拝しながら祈りを捧げるのにまたとない場所になっている。

そんな久高島を遥拝できる場所であるがために、この場所が最高位の御嶽となっているのかと思っていたのだがそうではないらしい。と言うのもかつてはこの海に面した側にも岩があって、久高島は見えなかったのだそうだ。
当時は四方を絶壁に囲まれた閉鎖的な空間だったらしいのだが、岩が崩れてしまってこのような風景が生まれたのだという。

とはいえ、斜めにもたれかかった岩によるトンネルも久高島方向だけ見える拝所も、偶然の産物にしてはあまりにも神秘的過ぎる。
そこに何らかの神がかり的な作用があったとしてもおかしくないな、と思った。

Posted by gen_charly