沖縄離島探訪【6】(2006/11/21)
かざぐるまのピナイサーラの滝とカヌーツアー:
港の待合所を出た所に今回のカヌーツアーの主催者であるかざぐるまの人が待っていて合流。バンに乗り込んで5分ほどで事務所に到着。
ここで参加申込書の記入や道具のレンタルをしてもらってカヌーの出発地点まで車で移動。
出発前にスタッフから水濡れして困るものは置いて行ってくださいと言われた。操作を誤るとカヌーが転覆するからだ。水濡れの問題ももちろんあるが、うっかり海中に落下させてしまうと回収できなくなる可能性が高い。ということで今回、水中撮影対応の使い捨てカメラを持参することにしたのでデジカメや貴重品は事務所にデポした。
そんな訳でここから先、ツアー中の写真は全て使い捨てカメラで撮影したものをスキャンしたデータなので画質がざらついている。見づらいものが多いと思うがご容赦願いたい。
今回我々が申し込んだのは、カヌーに乗ってマングローブ林の中の水辺を進んだのち、ジャングルトレッキングをしながらピナイサーラの滝の上まで登るという盛りだくさんのコースである。
昨晩のエントリにも書いたが、自分はこれまでこういう類のツアーに参加したことがない。ツアー中にボッチになりたくないからだ。1人で行けばボッチになりそうだし、そんな参加者がどうにも要領が悪かったら他の参加者の足手まといになって場を白けさせてしまいかねない。そんな立ち位置に甘んじる自分も許せない。なのでもし今回1人旅だったらやっぱりこういうのには参加しなかったと思うのだが、一方のカミさんは逆にこういった体験モノが好きらしい。
やりたいと言っているのにやめとこうよと言うのも甲斐性がなさすぎるので、今回思い切って申し込んでみたのだが、はたして楽しめるだろうか。とはいえ尻込みしていても始まらないので思い切ってやってみよう。
カヌー初挑戦:
まず最初は陸上でパドルだけを持って漕ぎ方のレクチャーを受ける。基本的には右、左と順番にパドルを水面に入れて後ろにかくことでカヌーが進んでいく。曲がる時は曲がりたい側のパドルを水面に差し込んでおくと、パドルに当たる水が抵抗になって自然と方向を変えるそうだ。なるほど。
バックはパドルを反対回しで漕ぐだけだが、その状態で曲がりたい時は少しややこしい。基本的に曲がりたい側のパドルを水面に差し込んで抵抗を作るという動作自体は一緒なのだが、後ろを向いているのでとっさにどちらのパドルを差し込めばよいか混乱しそうだ。
もっとも車を運転する人ならバックしながら車庫入れとか普通にやると思うのでそれと同じ感覚と言えばイメージしやすいだろうか。
で、そこまで話を聞いたらもう乗船だそうだ。脳内でのシミュレーションは出来たが実際にイメージどおりに操作できるのだろうか。ガイド氏にカヌーを押さえてもらって恐る恐る乗り込む。まずは立ったままカヌーに足を置くのだが、船底が丸いので殊の外フラフラと動く。立っているから余計だ。バランスを崩さないように注意しながらゆっくり腰を降ろし体育座りような体制になるとようやくふらつきが治まった。
ガイド氏の後についてゆっくりとパドルを漕いでみる。力を入れなくても水中にすっと差し込んでそのまま流れに合わせて軽く後ろに動かしてやるだけでもゆるゆると進む。最初は緩やかな動きで右に曲がったり左に曲がったりして、パドルが水を掻く感触とカヌーの挙動に意識を向けて感覚をつかんだ。
この辺りは写真を撮影していない。まだ先の行程が見えないのでフィルムの浪費を懸念したのと、水に濡れてもよいカメラではあるが万一落下させてしまったら取り返しがつかなくなるのでもう少し慣れてからカメラを出そうと思っていたからだ。
両側には密林と呼んで差し支えないレベルでマングローブが密生している。木々を割るように川の流路があって我々はその上に浮かんでいる。この辺りはほぼ河口なので水の流れは殆どなくパドルを軽く掻くだけでカヌーはスルスルと滑るように進んでいく。これは面白い!
操作に慣れてきたところで少し余裕が出てきたのでここで写真を撮ってみた。カメラは防水バックに仕舞って足元に置いてあるのだが、その袋から取り出そうとした時に軽くふらついた。今思えばそれで転覆するようなふらつきでもなかったのだが一瞬焦った。
どうにかカメラを取り出して半ばメクラ打ち状態でシャッターを切った。カメラを構えるために腕を上げたら(重心が上がるので)ふらつくし上半身をひねってもふらつく。ふらついても転覆しない範囲がまだ掴めていない状態なので構図を決めることに集中出来なかった。
カメラを仕舞って改めて周囲を眺める。目に見える範囲の全ての物がのんびりとしていて、ユルユルとした空気感の中をゆったりとした動きで漕ぎ進めていく。こんな時間の流れ方を味わうのは久しぶりな気がする。
再びカメラを取り出して撮影。カメラをいちいち防水バックに仕舞っているので取り出す時に時間がかかる。そうしてモタモタとやっているとシャッターを押すころにはガイドもカミさんもどんどん先に進んでしまう。流石に自分を放置して行ってしまうことはないと思うが、ガイド氏が写真なんか撮ってないで早く来いよ、と苛立ったらまずいのでなるべくつかず離れず進むことを心がける。
少し広くなったところでガイド氏が自分の元に寄ってきて、写真を撮るからカメラを貸してくれと言って来た。
カメラを渡したらこんな写真を撮ってくれていた。夫婦2人でカヌーに乗っている写真は彼にしか写せない。貴重な写真をありがとう。
よく見ると背後の山の斜面にピナイサーラの滝が見える。このあとあの滝の滝上まで行くらしいが道あるのか?あまり険しい道でないことを祈る。
河口付近の広いところまで出たら今度は別の川筋を登る方向に進路変更。ここからは流れに逆らって進まなければならないのでこれまでよりもいくらか頑張らなければならなかったが、とは言ってもほぼ流れがないのは一緒でそれほどキツくもなかった。
暫く進んだ所で接岸して上陸。カヌー体験はここまで。やってみたらカヌーは思いのほか楽しかった。これがシーカヤックとかになったら波に翻弄されて船酔いグロッキーになるのが目に見えているが、こうした緩い水域をのんびり漕ぐのはまたやってみたいなと思った。
ジャングルトレッキング:
さて、ここからジャングルトレッキングである。ガイド氏の後についてざくざくと進んで行く。一応歩く道筋はあるのだが足元の状況はあまり良くなかった。結構な急斜面を登っていくので普段から運動不足な自分は案の定すぐに息が上がり始めた。
途中ガイド氏が近くの立ち木を指さした。その方向を見るとキノボリトカゲが木に張り付いていた。
それをこともなげに尻尾から掴んでカミさんの顔の近くに寄せる。カミさんはこういうのでビビらないので興味深そうにトカゲに見入っていた。ガイド氏はちょっと期待外れの顔をした。
というかなんでトカゲの尻尾掴んでちぎれないの?トカゲの尻尾切りなんて有名な慣用句もあるほどよく知られたトカゲの生態である。が、このキノボリトカゲは尻尾がちぎれない種なのだそうだ。そんな種がいるなんて知らなかった。
ジャングルの真っただ中をガイド氏の先導で進んでいく。こんな所1人で歩いたら不安で仕方ないが3人もいるので周りをのんびり眺める余裕もある。まぁ木しか見えないんだけど。
少し進んだ所で再びガイド氏が立ち止まった。傍らの立ち木を指さしてサシマスオウノキであると教えてくれた。この木は写真に撮ってないが特徴的な根の形状をしている。木の幹の高さ1.5mくらいの所からロケットの土台部分のような板状の根が張り出している。
この根の部分は板根(ばんこん)と呼び、台風などで強い風に晒されがちな南国の木でよく見られるものだそうだ。確かにこれは安定感がありそうな形状である。