沖縄離島探訪【12】(2006/11/22)
東崎の与那国馬:
続いてはテレビドラマDr.コトー診療所のロケセットの見学に行くことにしている。
この島は各所がそのドラマのロケ地として使われており、診療所のシーンで使うための建物も島内に建てられた。撮影後はこれを島の観光資源として活用するため町が取得し現在もそのまま残してあるそうだ。
自分はこのドラマの原作となったコミックが好きでドラマの方も見た。なのでこの島に来たからには絶対に見ておきたい場所である。上述のとおり町で管理しているので見学するためには事前に町役場へ連絡を入れる必要がある。
と言うことで連絡してみると、現在建物は施錠されていて外部の見学しかできないのだが、16時になったら解錠しに行くのでそれ以降であれば内部の見学も可能ですとの回答だった。どうせなら建物の中も見学したい。時計を見るとまだ14時で今から行くとちょっと早い。そこでその間に他の見どころのチェックを済ませておくことにした。
まずやってきたのは島の東端にある東崎(あがりざき)。ここには日本の馬の在来種である与那国馬が放牧されているそうだ。
岬の入口の道路上にテキサスゲートが設置されていてそこから先が放牧エリアとなっている。ゲートと言っても門がある訳ではないので見た目にはただ道が続いているようにしか見えない。詳しくはリンク先を参照いただきたいが、ひづめを持つ生き物はひづめが嵌りそうな場所を避けるという習性を利用して地面に溝を切っているのだそうだ。いわば見えない壁である。このようなもので敷地外へ出ることを防げるのだから面白い。
通過するとそこらじゅうに馬の姿。本当に敷地の外に出ていない。我々の姿を気にするでもなくめいめい好き勝手にやっている。
車を駐車場に停めて少し散策。馬が自由に動き回っている場所なので道の至る所にふんが落ちている。
それを踏まないように気を付けながら歩いていると、カミさんが自分のカメラを持って好き勝手に散策を始めた。
それから暫くして戻ってきて撮影した画像を見ろとカメラを渡してきた。
何か珍しいものでも撮影できたのだろうかとカメラの画像を再生したら。。。
馬糞にキノコが生えていた。ちょっとあんまりな写真なので最小サイズで掲載する。ピンボケでよかったw
クリックしても大きな画像は出ないのであしからず。
与那国島観光(軍艦岩、サンニヌ台、立神岩):
先ほど映像にお見苦しい点がございましたこと深くお詫びいたします。今後ともよろしくお願いいたします。
気を取り直して次の見どころへ向かう。この辺りでようやく天気が回復して雲が切れてきた。それと同時に気温も上がり始めた。暖かくなってきたので再び長袖を脱いだ。
さて、その次の見どころは島の南東部に点在する奇岩類である。
まず最初が軍艦岩。ご覧のとおり軍艦のように見える岩礁である。それ以上でもそれ以下でもない。柱状節理などによって形作られた物であろう。ということは与那国島もかつては火山島だった時代があるということだ。
そこからすぐの所にあるのがサンニヌ台。漢字で書くと三根ノ台、らしい。写真がどこを写しているのか分からないのは勘弁。
サンニヌ台まで遊歩道が続いているが遊歩道にしてはなかなか道が険しい。手すりがあまりないのでちょっとスリリングだった。
ステージ状になった岩礁の上まで行くことが出来る。あまり予習せずに来てしまったのでここの楽しみ方があまりよく分からなかったが、とりあえず登ったり降りたりして散策した。
そして次が立神岩(たちがみいわ)。
まぁ写真を見れば説明は不要だろう。各地に伝わる男根信仰の類のもので子宝祈願で訪れる人もいるそうだ。
学術的な話で言うと、かつてここにあった火山の火道にあった古い溶岩であるはず。
これをビロウと言ったらバチが当たるかもしれないが、ビロウついでに自分の腹も再びビロウな状態になって来た。ゴロゴロ言い始めたので慌てて駐車場のトイレに駆け込む。。。
もういや、こんな生活(きれいな写真でごまかす。。。)
Dr.コトー診療所のセット:
岩場を見学していたら程よい時間になったので、いよいよDr.コトー診療所のセットを見学しに向かった。
このセットは島の南側に位置する比川集落の浜に作られている。
そこまでの道がナビなしの車では若干分かり辛かったがどうにか到着。ドラマで見たあの志木那島診療所がそのままの姿で残されているのが見えた。これはテンション上がる。
Dr.コトー診療所は志木那島という架空の島にある診療所を舞台に繰り広げられるドラマである。原作によると鹿児島県の離島である甑島(こしきじま)の診療所が作品のモチーフとなっているらしく、志木那島と言う名称は、甑の「しき」に「那」と言う字を加えたものであるようだ(明記されていないが)。なんか「しきなじま」という音の響きに耳覚えがあるなと思ったら伊豆諸島にある式根島だ。そして漢字に含まれる「志木」と言えば埼玉県新座市の地名である。なので架空の離島の物語であるにもかかわらず、何となく耳馴染が良いという不思議な感覚で原作やドラマを見たものだ。
ドラマの収録は甑島ではなくここ与那国島で行われた。なぜこんな最果ての島をロケ地にしたのだろうか。甑島も僻地ではあるが九州本土からそれほど離れていない場所なのでそれほどアクセスが難しい訳でもない。
落ち目の女優が自身の出演するドラマ撮影のために志木那島にやってくる、という話が原作本にある。何の娯楽もないような島にそうそうたる俳優や撮影クルーが押しかけてきたので島民の面々が浮足立つ、という情景が描かれていた。実際の甑島もそんな騒動になることを敬遠したのだろうか。いや、単に与那国島の方が空路でアクセスできて、それでいて僻地のような光景があちこちに広がっているからだろう。
ドラマのオープニングにも登場する、浜辺に打ち捨てられた廃船までそのまま保存されていた。