沖縄離島探訪【17】(2006/11/23)
のりば食堂:
ということで今回の旅行で3度目となる石垣島上陸である。と言っても前回はトランジットのためだけの上陸だったので1時間もいなかったが。今日はこのあと夜の飛行機で那覇へ戻ることになっているので今回も半日ばかりの滞在時間だ。とりあえず島内観光をして回ることにしている。
この島でもレンタカーを手配してあるので空港近くのレンタカー屋に行って手続きを行う。
いかにもウチナンチュといった精悍な顔立ちの店員が対応してくれたのだが、その精悍な顔で会話の語尾に「しましょうねー」と付けるので力が抜けそうになる。具体的には「では、こちらの書類に記入しましょうねー」とか「車のチェックをしに行きましょうねー」とか。オレは子どもかw
子ども扱いされているような感じがしてなんかくすぐったかったが、どうやらこれは沖縄ではよくある言いまわしらしい。
車を受け取ったらまずは腹ごしらえという事で、事前にネットで調べておいたのりば食堂という店に行ってみた。
(註:この店は2024年現在、移転し店名が変わっているそうだ。)
ナビの案内に従ってやって来たその店はなんか懐かしい雰囲気のある食堂だった。沢山の車が停車していて店内の盛況ぶりが伺える。
店内に入るとやはり満席で少々お待ちくださいと言われてしまった。普段なら違う店を探す場面だが、評判の店だということなのでそのまま順番を待つことにした。
暫くして声がかかったので席へ移動。
自分は鶏の照焼き丼を注文。あちこちで沖縄そばを食べているので今回はちょっと変化球のつもりで注文したのが、気が付けばちゃっかり沖縄そばを付けている。味比べのつもりで食べたらこの麺も八重山そばになっていてモチモチして美味かった。
そしてカミさんが頼んだのがそば定食。
写真のとおりまず驚くべきはその量の多さである。とはいえまぁこのくらいの量なら難なく食べられる。カミさんは流石に残すかもしれないが、いつもどおり自分が引き受ければいいや、なんて思いつつ食べ始める。味は写真の見た目どおりで安定して美味い。
だが食べ進めて行くうちに強烈な満腹感がやって来た。味は美味いのでまだ食べたいのだがどうにも箸が進まない。かつて経験したことのない感覚に戸惑う。いつもなら難なく食べられるくらいの量なので自分の体調の問題だろうか。昨日までの腹下しがまだ悪さをしているのかもしれない。そう考えて無理をするのはやめておいた。
結局、完食ならずで3分の1ほど残してしまった。もちろんカミさんの分を引き受けることも出来ず。。。何とも勿体ない。
両方とも値段は650円。これだけ食べて650円は安すぎる。行列ができるほどの人気店であることがうなずける名店だった。
腹がパンパンでどうにも身動きがとりづらい。食後に車の中で少し胃袋を落ち着けてから出発した。
名蔵アンパル、川平湾:
とりあえず食事は済んだので観光に出発。だが実は石垣島でどこを見て回るかはあまり考えていなかった。時間が半日ほどしかないので体験型アクティビティをする時間としてはちょっと心もとない。その位の時間でも楽しめるものは何かしらあるとは思うが、それだけで終わらせちゃうのはそれはそれで勿体ない。
という訳で石垣島の有名な観光名所を回りつつ一周することにした。
まずは島の西岸沿いに走って名蔵アンパルで車を停めた。
ここは名蔵川の河口部に位置する干潟である。マングローブや多種多様な動植物の宝庫とされていて、ラムサール条約にも登録されているらしい。と言ってもそういう前情報を得たうえでの訪問ではなく、単に走行中に見えた看板に従ってやってきただけなので見所がよく分からず、浅瀬の波打ち際で遊んだり、浜辺をちょろちょろと動き回るカニにちょっかいを出したりするのみで終わってしまった。
次に訪れたのが川平湾である。
川平湾は島の北西部に位置する。深く入り込んだ湾の入口を小島が塞ぎ、白い砂浜、青い海、多島海の美がいっぺんに楽しめる波穏やかな場所で石垣島きっての景勝地となっている。
残念ながらこの日はやや曇りがちな天気だったのであまりコントラストの高い写真が撮れなかった。まぁ何となく沖縄風ということで。
駐車場には平日だというのに沢山の観光バスが停まっていた。多くの観光客が周辺を散策したり観光船に乗ったりと賑わっている。
我々は展望台からの景色を堪能した後、砂浜に降りてみた。
ほとんどの観光客は観光船に乗りに行ってしまうようで砂浜を散策している人はそれほど多くなかった。
砂浜にはそこいらじゅうにカニいた。カニを見つけると捕まえてみたくなるのはなぜだろう。
カミさんが真っ白なカニを捕まえたので記念に1枚。
我々がカニを囲ってキャッキャ言っているそのすぐ近くでなにやら独り言をゴニョゴニョ言いながら砂を集めているご婦人がいた。なんかその人の周りだけ黒い影が見え隠れしているかのような異様な雰囲気を漂わせている。露骨に避けるのも何かと思い彼女の存在に気づかないふりをしてカニいじりを続けていたのだが、すぐ近くにいるものだからその独り言も耳をすませば何となく聞こえてくる。聞くとはなしに聞いていると、その人はこの砂浜で星の砂が取れると思っているらしくそれを必死に探しているようだった。
星の砂はものすごく小さいものだ。それをこの夥しい砂の中から探さなければならないので大変だ。そもそも本当にここに星の砂なんかあるのだろうか。。。あまりに必死な空気を醸し出していたので話しかけることもできず、静かにその場を離れることしかできなかった。