臺湾的婚礼【3】(2007/01/21)
午前、散策:
2007/01/21
起床してホテルのレストランに朝食を食べに行った。
バイキング形式だが、台湾料理の品数が多く興味本位でいくつか皿によそってきた。味はどれも自分らの口に合うものでとても美味かった。特におかゆが食べられるのが台湾ならでは。
本日はSちゃん夫妻の披露宴当日。開始は夕方からなのでそれまでフリーだが、カミさんが出席前に美容院でセットアップをすることになっているのでその時間を考慮すると正味午前中のみが自由時間となる。明日は特に予定はないが昼過ぎの便で帰国することになっているので、慌ただしくなりそうな気がする。そこで食事を済ませたあとお土産を手配しに行っておくことにした。
実は今回は出発前の時点でお土産に買うものを予め決めていた。台湾茶、、、ではなく新東陽のビーフジャーキーである。以前、職場の海外担当の人が台湾出張のお土産で買ってきてくれたもので、柔らかくてコショウが控えめの優しい味は食べたその日から味のトリコになりました、と言うものだ。
折角の訪台なのでぜひともこれを買って帰りたい。ラッキーなことに新東洋の店舗がホテルから近いところにある。この店はお土産を多種多様取り揃えていてパイナップルケーキなどの定番お菓子も売っている。なので自分のお土産のみならず職場へのお土産もここでまとめて手配することが可能。
という訳で散策に出発。主目的は上述のとおりお土産の手配だが、それとは別にカミさんが今回披露宴で着る服に宛がうワンポイント的なアクセサリーを付け加えたいらしく、それを探しに行くのがサブミッションとなった。
ホテルは繁華街から少し外れたところにあるのだが、周囲はそこそこの街中である。道すがらはアーケード街のようになっていて一見賑やかそうなのだが、出発した時間が早すぎたせいかあまり店が開いていなかった。
歩いていると途中の中華料理屋?らしき店の店先に置かれた大きな水槽に見慣れない変な生き物がいた。よく見るとカブトガニだ。こんなところでお目にかかるとは。
カブトガニと言えば日本では天然記念物である。岡山にはカブトガニ博物館なんて建物が建つほど貴重な生き物である筈だが、それを食べるというのか。
ネットで調べてみたら東南アジア方面ではちょこちょこ食べる文化があるらしい。もっぱらメスの抱えた卵を調理するそうだがゴムみたいな食感であまりうまくないらしい。一応身を食べることもあるそうだが図体のデカさの割に可食部は少なくこれまた大してうまくないらしい。それでも食べようとするのだからガッツがあるなぁ。
歩いていく道々で何度か路地の奥の方で何やらパーティーをしている人たちを見かけた。あれが噂に聞いた(と言うかネットで見た)台湾の路上披露宴か。本当に道のど真ん中に並べたテーブルを囲って大勢の人が集ってワイワイやっている。
とある路地では奥の方から花やアクセサリーなどで派手にデコレーションされたBMWが路地から出てくるシーンなんかも見られた。これだけあちこちで一斉にやっているということは、今日は台湾のめでたい日なのかもしれない。
のんびりと開いている店を覗いたりしながら1時間ほどかけて新東陽までやって来た。店内で試食を頂いたりしつつ、ひととおりお土産の手配を済ませる。これで後顧の憂いなしだ。
もうひとつのミッションを忘れてはならない。カミさんのアクセサリーである。まだ入手できていない。来るときにそれっぽい店がなかったから戻りは別の道を歩いてみるかなぁ、と思いつつとりあえずホテルへと来た道を引き返した。するとあれから少し時間が経ったせいか行きにはまだ閉まっていた店が開店しているのがチラホラと見受けられた。それらの店を外から覗いて期待できそうな店は中も覗いて、といった感じで何軒か見て回ったら、とある店でいい感じのファーが売られていた。カミさんの服にはそれが似合いそうだったのでゲットと相成った。これでカミさんの心残りも解消。
ホテルに戻るともう昼時だった。とりあえず昼食を済ませると今度はカミさんが美容院へと行く時間。店はSちゃんにホテル至近の店を予約して貰ったそうだ。そこまで1人で向かうらしいのだが方向音痴気味のカミさんなので迷わないか心配。。。
カミさんが戻って来るまでの間、自分はホテルでお留守番。2時間くらいかかるということだったがその間これと言ってやることがない。
ベッドの上でどうやって時間つぶしをしようかな、なんて考えていたらいつの間にか午睡に入っていたらしい。気が付いたらカミさんが部屋に戻ってきていた。
パーティー用のおめかしがされた状態で帰ってきたので、ちゃんと店にはたどり着けたようだ。ん、でも待てよ。よく考えてみたらどうやって店員とコミュニケーションをとったのだろう。日本語が通じる店だったのかな?
カミさんに聞いたところ、Sちゃんと電話を繋いで彼女に通訳をしてもらったらしい。準備で忙しい筈なのに。。。凄く気を使ってくれる子だ。
それから少しして携帯が鳴った。昨日会いに来てくれたSちゃんの友達が迎えに到着したとのことだ。彼らと合流して会場へ。
セレブな披露宴会場へ:
披露宴の会場はもしや道端なのか、と思ったら新光三越という所だそうだ。三越?デパートの?
車の後部座席に乗って到着したのは世界一の高層建築物(当時)である台北101のすぐ近く。日本でいえば銀座と表参道を足して2で割ったような繁華街にそれはあった。めっちゃ豪華やん。もしかして新郎新婦はセレブなのか?
いや、それはうすうす感づいていた。なんと言っても娘を日本に留学させられるだけの力を持った親なのだから、それが貧乏人である訳がない。昨日会いに来た時にベンツでホテルに乗り付けてきたこともそれを裏付けている。
なんなら今日迎えに来た2人もボルボに乗って来た。そして彼らの身なりはみんなパリッとした衣装を身にまとっていて隙が無い。
こりゃ彼らはセレブのコミュニティのメンバーなんだな。なんかそう考えると一平民に過ぎない自分にとって場違いな場所に来てしまったような気がして卑屈な気持ちが芽生える。安物だが新調した服で来ていることだけが唯一の安心材料。。。
ま、そんな卑屈なところを見せたら笑われると思うので堂々としていることにしたが、案外身のこなしでバレるかもしれない。。。
彼らの先導で会場までやって来た。だがまだ受付開始前でお友達だけが先着して準備を進めている所だった。新婦のいる控室までそのまま入って行って一言二言会話を交わした。それから準備を進めていた友人たちが集められ紹介された。ひととおりの皆さんと挨拶をしたが、すまん、誰1人として名前を覚えられなかった。。。
新婦のドレスの裾でおちゃらけたポーズをとっているこの男が本日のカメラマン氏である。年が近そうだし馴染んでいたので新郎新婦の友達かもしれない。
人物撮影のカメラマンだけに、ちょこちょこ笑いを取ってこぼれた笑顔をすかさず撮影。流石である。
それから一頻りカミさんとSちゃんが談笑。Sちゃんは日本語で話してくれるから何の話をしているのか分かるのだが、新郎や友達は台湾語なので相変わらずさっぱり分からない。ただ、みんなから幸せオーラが発散されているのは言葉が分からなくても理解できる。それを見ているだけでこちらも幸せな気持ちになって来る。言葉は不要だ。