臺湾的婚礼【4】(2007/01/21)

台北101(旅の恥はかき捨て):


少しして、まだスタートまで1時間くらいあるから台北101でも見に行って来たら?と促された。
台北101は行ってみたいと思っていたが今回は行く時間がないだろうからと諦めていた。行けるならぜひ行ってみたい。とは言っても開会まであと1時間ほどしかないので駆け足での見学になりそうだ。まぁそれでも行けるだけで充分。

ということで一旦抜け出して台北101に行ってみることにした。ビルまで件のカメラマン氏が道案内をしてくれることになった。
外に出ると小雨がぱらついていた。傘を持ってきていないので一瞬躊躇したが、大して濡れる心配もない程度の雨だったのでそのまま歩いて行くことにした。

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5分ほどでビル手前の交差点まで来た。ここでカメラマン氏がその辺にいい感じで立ってみてとジェスチャーで訴えてきた。
おお、記念撮影してくれるのか、済まないねぇなんて思いながら無難なポーズを決めたら、そうじゃない!と激しく首を振って、お姫様だっこの仕草をしたりぎゅっと抱きしめるような仕草をした。え、ここで!?

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周りには人や車が激しく往来している。こんなところでカミさんを抱きしめるポーズをしろなんて何考えてるんだと一瞬戸惑ったが、ここが台湾であることを思い出した。台湾人は他人が何をしているかなんて大して気にしないらしいという話を聞いたことがある。だったらその程度のポーズでは誰も気に留めないのかもしれない。

躊躇う方が恥ずかしい気がしたので旅の恥は掻き捨てとばかりに思い切りポーズを取ってやった。
そうして撮って貰ったのが上の写真。これは比較的ユルい写真である。他にも数枚撮影してくれたがまぁ後で見たら恥ずかしいったらない。

とはいえまぁいい思い出になった。写真を撮り終えたら満足したらしくカメラマン氏は会場に戻って行った。
あれ?ビルまでアテンドしてくれるんじゃないの、と思ったが、まぁビルは目の前にある訳だし戻り道も覚えているのであとは自分らで気兼ねなくやるか。

 

台北101(ピンチ):


それから2人で歩いて台北101の入口に到着。
台北101は高さが509m、101階建てのビルで当時世界で最も高いビルであった。ビルの袂に立って見上げるとてっぺんは消失点の向こうみたいな感じに見える。

台湾人の誇りなので、見に行ったら?という言い方で促されたが見に行って欲しかったのだろう。もちろん自分もぜひともこの目で世界最高の眺めを体験したいと思っていた。ビルの展望台は89階、地上382mにある。東京タワーのてっぺんよりも都庁展望台よりも高い場所からの眺めである。果たしてどんな景色が見られるのだろうか。

展望台へ上がるためには入場料が必要になる。で、財布を取り出したら殆ど金が入っていない。あ、そうか。きょう午前中のお土産購入で散財しまくったんだった。。。どうせ後は披露宴に出席して明日もそのまま帰るようなスケジュールだからもうお金要らないな、と思って両替もしていなかった。なので2人分の入場料分のお金すら所持していなかった。

となればカミさんの財布をアテにするしかない。カミさんにお金ある?と聞くとカミさんもご祝儀を包んだり日中の美容院で支払ったりして殆ど残ってないと言う。

 

困りましたな。。。流石に日本円では支払えないだろうし銀行がどこにあるかも分からないから両替もままならない。とりあえず2人の残高を合計したらどうにか入場料分くらいはあったが、その結果手元に残るのはわずか10元ばかり。もう一文無しではないか。カツアゲするなら今だぞw

とはいえ少なくともこの後ホテルに戻るまでお金を使う場面もなさそうだし、台北101を目の前にしてこのまま引き下がるのはあまりに悔しいのでそのなけなしの残金を入場料につぎ込むことにした。

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と言うことで入場券を購入して展望台へ向かうエレベーターに乗る。展望台までの380m余りをわずか40秒で結んでいるそうだ。時速にすると60キロを越えるらしい。動き始めたらすぐに耳がキーンとなった。

展望フロアに到着してエレベーターを降りる。するとすぐ脇にあるカウンターで日本語案内のトランシーバーを貸し出していた。だがそれは有料だった。なんでも金やな。。。もちろん10元で借りられる訳もなく諦めるより他なかった。

まぁ多分風景のランドマークなどを案内してくれるものだろうから、それが分からないくらいなものだ。そこは想像力で補ってやるw

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とりあえず世界一高いビルからの景色とやらを堪能しようではないか、と窓際の方に移動したのだが、ビルが頻繁に雨雲の中に入ってしまって外の景色は見えたり見えなかったりだった。そうか380mもの高さまで来ると雲の中に入ってしまうのだな。

雲が切れても下界が見えるだけで遠くの景色は殆ど見えなかった。そのうえ時間は既に夕方で辺りは薄暗くなり始めており、街並みに徐々に明かりが灯っていくがまだ夜景という時間でもない。視界が利きにくいうえにコントラストも低いという中途半端なタイミングに来てしまった。

まぁ、この景色だったら日本語ガイドを聞いても大して分からなかっただろうなと負け惜しみ。

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雲が途切れた隙に下界を見る。流石に高い。何せ地面は400m近い向こうにあるのだ。道を歩いていて400m先と言ったら随分先である。

でも怖さは殆ど感じなかった。自分が高所恐怖症でないからと言うのもあるが、極めて安全な場所にいると分かっていると全然平気なのだ。窓越しだから向こう側の景色に現実感がないからかもしれない。これが建物の外で手すり1本の向こうは下界とか、窓が開放されていて外の風がビュービュー吹き込んでくるような場所とかだったら、流石に自分でも物凄い恐怖心を覚えるのだろうとは思うが。

だから凄いなぁと思いながらミニチュアの様な景色を愛でるのが正しい楽しみ方だろう。
もちろんどの辺を見ているのかとかどっち方面を見ているのかもさっぱり分からない。唯一、上の写真中央右上の方で紫色に光っているビルが披露宴会場の新光三越であることだけは分かった。

 

展望台は一周できるようになっていてぐるっと1周回ったが、立ち止まってじっくり見たい景色もなかったのであっという間に戻ってきてしまった。折角の最高所からの眺めだというのにちょっと持て余してしまっている。まだ披露宴の開始まで時間があるのでもう少ししてから降りようと近くのベンチに腰掛けてカミさんと他愛もない会話をして時間つぶし。

ふとカミさんからの返答が途切れたなと思ってカミさんの方を見るといつの間にか眠りに落ちていた。このどこでも眠れる特技が羨ましい。まぁ疲れているんだろうなと思い自分だけでフロアをもう一周回った。

 

2周目を終えて戻ったところで受付開始の時間が近くなったのでカミさんを起して会場へと戻った。
今度は天気の良い時にもう一度見に来たいと思った。

Posted by gen_charly