臺湾的婚礼【6】(2007/01/22)
台湾式マッサージ(カッピング):
2007/01/22
その後、例の友達にホテルまで送り届けてもらって解散となった。
そうそう、披露宴で美味い物をたらふく食べたらすっかり忘れていたが、自分らは恐らくあの会場内で断トツの貧乏人だったのだ。このまま帰国まで持ちこたえるのは流石にリスクだと思いフロントに行って両替をしてもらった。これで一安心。
帰りがけにSちゃんからもし時間取れたらホテルに行くよと言われた。来たらもう一頻りゴンシーと連呼してやろうと思うが、まぁあの分じゃすぐには出てこれないだろう。とりあえず先にシャワーを済ませておくことにした。
それからほどなくSちゃんからコール。ダンナが酔っ払って具合悪そうなので今日はちょっと行けないとのことだった。だろうね。あんな飲み方したら具合が悪くならない方がおかしい。
また日本に来る時かこっちが台湾に行くときにゆっくり会いましょう!という会話をして電話を切った。
彼らがホテルを訪ねて来ないことが分かったら、なんか気が抜けてどっと疲れた。とはいえまだ時間があるのでこのまま寝るのは勿体ない。じゃあ旅の疲れを癒しにマッサージでも受けに行くか、と提案したところカミさんも賛成とのこと。ホテルで貰ったガイドマップをめくっていたら背中に半球状の透明なカップを沢山あてがわれている写真が目についた。
以前、済州島に社員旅行で行ったときに同じようなものを見た。自分はやって貰っていないのだが、同僚が受けて真っ赤になった背中を見せてくれた。火罐(パークヮン)ないしはカッピングと言われる施術だそうだ。同僚はそれをやって貰ってすっきりしたよなんて言っていたので自分もやって貰えばよかったなと思ったことを思い出した。
店はホテルから歩いて数分の所にあるようなので行ってみようよ、とカミさんを誘った。
店で施術を受けたい旨を伝える。日本人向けガイドに載っていた店なのでそれで問題なく通じた。だが店の名前は失念。一番大事な情報なのに。。。
店員の案内でベッドが並んだ部屋に通された。まず最初に足のマッサージと全身のもみほぐしてもらったあと上半身裸になってベッドに横たわるよう言われ、指示どおりに横になると例の半球状のガラス容器のようなものを背中にあてがわれた。
背中に付くと同時に背中の肉が引きずり込まれるような感触があった。次々と20個ほど背中のあちこちに大小さまざまなカップをあてがわれた。
店員が写真を撮ってくれた。ちょっとグロテスクな見た目の写真で恐縮だが、カップは真空状態で背中に当てられるので肉が吸い出されてこんな風になる。と言っても写真を見るまでこんなに盛大に吸われているものだとは思わなかった。
済州島で施術を受けた同僚は、これをやって貰っている間背中が痛くてしょうがなかったと言っていたが、自分はなんか吸われているなと言うくらいの感覚で痛みは感じなかった。
これは何をしているのかというと、吸引することによって赤くなったところに悪い血を集めるのだそうだ。店によってはこの後うっ血したところを針で刺してその血を抜き取ったりする(抜罐と言う)らしいのだが、背中じゅう血だらけになることを考えたらゾッとしないし痛そうなので、この店はそれをやりますか?と店員に聞いてみたらそこまでやらないとのことだった。一安心。
10分ほどこの状態で放置された後カップが外された。
この施術を2度行って施術完了。うっ血した悪い血はどうするのかと言うと、自然に排出されるのでそのままでよいとのことだった。
カップを外した後の背中は一面真っ赤っか。タコの足のようになってしまった。
この跡は1週間から1ヶ月程度で消えるそうだ。消えるのに時間がかかる人ほど体の具合が悪いらしい。あまり深く考えずに興味の赴くままに施術を受けてしまったが1か月もかかるのか。暫く風呂屋には行けないな。
心なしか体がスッキリして軽くなったような気がする。足取りも軽くホテルに戻って少しぼんやりしていたら、隣の部屋からベッドのきしむ音と女性の吐息が漏れ聞こえてきた。おいおいもう夜1時だぜ。お盛んなことで。。。
カミさんはこういうビロウな物事に全く動じないので、2人してなんだかなぁと言う顔をして床に就いた。
帰国:
さて、短いようで短い台湾旅行も最終日。あとはチェックアウトして帰国するだけである。
起きて昨日施術してもらったところをさすってみたらちょっとでこぼこしていた。1日経ったくらいでは変化ないか。肩や背中のだるさが随分と軽減していた。もみ疲れのようなことにはならなかったがどうにも眠い。これは施術の影響だけではないと思うが。
朝食は今日もバイキング。例によって沢山盛りつけた。
朝食後、部屋に戻って荷物をまとめていたらSちゃんから電話がかかってきた。何事かと思ったら引き出物を渡すのを忘れてしまったので、今から届けに来てくれるそうだ。
暫くしてSちゃんがやって来た。ダンナは今日もダウンしているらしい。お大事に。。。
またの再会を誓って解散となった。
それから程なくチェックアウトの時間となり部屋を出た。廊下で昨晩ハッスルしていたお隣さんとバッタリ遭遇。なんか気まずいがこっちが聞こえていることは知らないはずなので(知っていたら出来ないと思う)、素知らぬ顔で軽く会釈。おはようございますと返ってきた。日本人かよ。。。壁薄いんだから気にしてくれよな。まぁそれはさておき。
チェックアウトを済ませてバスで空港へ送ってもらい、後は淡々と帰国便に乗って帰って来た。
飛行機の窓から利島が見えた。利島をこのアングルで見られるのはちょっと珍しいかも。この島もいずれ行ってみたいな。
あとがき:
しかし、まさか自分が海外の披露宴に出席する日が来るとは夢にも思わなかった。日本と似ているようでやっぱり違う文化やしきたりに興味が尽きなかった。
言葉が分からないし喋れないので、現地でただの置物のようになってしまうことを覚悟の上で臨んだ台湾旅行だったが、なんかみんな人懐こくて喋れようがなかろうがジェスチャーで話せるじゃん!みたいな感じで相手の方から近づいてきてくれる。
日本でそんな奴が回りにいたら暑苦しくて嫌悪しかねないところだが、台湾では不思議とそういう気持ちになることはなかった。時々箸休めのように日本語を喋ってくれる人がいるのもアウェー感が和らいで安心できた。なんか台湾いい所だな。
ところで火罐の跡だが自分は1週間ほどで綺麗に消えてくれた。一方カミさんは3週間ほど残ってしまった。冬場だったから困ることもなかったが夏場だったら薄着になるのでもっとソワソワしたかもしれない。
気持ちよかったからまた受けてみたいところだ。また機会があるといいな。
今回、僅か2泊3日のショートステイで現地滞在はほぼ1日半くらいしかなかった。殆ど観光らしい観光もできなかったので次回訪問の折にはもっとゆっくりあちこち見て回りたい。新幹線が開業したのでそれにも乗ってみたい。Sちゃんに案内してもらえたら最高なんだけど。
(おわり)