沖縄社員旅行2007【1】(2007/07)
今年も毎年恒例の社員旅行の季節がやって来た。エントリタイトルのとおり今年の行先は再び沖縄本島となった。これで3年連続である。
それまでは毎年のように違う所に行っていたのになぜこのところ沖縄本島ばかりなのか。幹事が手を抜いてるんじゃなかろうか?と言いたくなるところだが、実は幹事は今年の旅行を計画するにあたって並々ならぬ苦労をしていたのだった。
と言うのも今年は行き先を決めるにあたり、色々な人の様々な思惑が絡み合ってしまい、それぞれの調整に追われてしまったからだ。
これからその経緯を書くが、興味のない人は次のページの沖縄に着いてからの話を読んで頂ければと思う。
自分の職場は数年前に上海に子会社を立ち上げた。だが社員のほとんどは上海のことを全く知らない。子会社があるのに現地を知らないままでは良くないと、今年の社員旅行は上海に行くことになった。上海だと3連休で行くにはスケジュールがタイトなので、ゴールデンウィーク中に4日間使って行くそうだ。
上海か。。。自分も勿論上海がどんなところなのか全くイメージが掴めていない。どんな見所があるかもわからないし、そもそも中国語なんて英語以上にさっぱり分からないので自由行動と言われてもどうしたらよいか困ってしまう。そのうえあまり治安もよくないという話を聞いているのでホテルから一歩も出られずに終わってしまいそうな気がする。
そんな旅行に行っても、どう考えても楽しい社員旅行にはならなさそうだったので今回はスキップすることにした。もう4回欠かさずに参加したのでぼちぼち1回くらいスキップしても怒られることはないだろう。と言うことで、参加可否のアンケートは不参加に〇をつけた。
ところがそのアンケートを見たうちの部の上司が幹事に異議を申し立てた。
この上司は上海法人のインフラ構築に駆り出されて何度となく上海へ出張している人なので現地事情に詳しい。彼は上海は殆どの場所が広東語オンリーで日本語はおろか英語すら通じないうえ、治安が悪く日本人は金持ちだと思われているので、団体行動をしていないと襲われる可能性が普通にあるし、まして普段の社員旅行で酒飲んでハメを外すような連中を上海に連れてったら、確実に事故が起こって社の信用に傷が付くので絶対に反対だ、と主張した。
まぁ、表向きそういう抗議だったのだが、実際のところ何度も行っているから行きたいところがないうえに上海近郊に面白いゴルフ場がないから、というのが真相らしい。そのうえ事情通であることをいいことにみんなからガイドを頼まれるのが目に見えているから嫌なんだ、と休憩の時に話していた。
それで困ったのが抗議の矢面に立った幹事。今更再検討したくないのか、決まっちゃったことなので。。。と困惑した表情でこぼすのみ。
幹事に訴えても埒が明かないと悟った上司は今度は社長に直談判に行った。社長は今回の上海行きについて、みんなが行きたいっていうなら上海でいいんじゃない?という立ち位置だった。だが実は社長もまたゴルフ大好き人間なので、ゴルフが面白くないことについて不満を感じていたらしく、そこへ上司からの直談判。渡りに船と思ったかどうかは知らないが、それなら上海に行くのはもっと考えた方がいいな、と反対派に回ってしまった。
社長からそう言われて、決まったことなので・・・と回避することが出来なくなった幹事はイチから再検討する羽目になってしまった。しかも社長からどうせなら上海の連中も社員旅行に参加させてみんなで集まればいいんじゃないか?的な注文まで追加されてしまったらしい。自分の勤め先は東京だが、上海の他に国内の札幌、名古屋、大阪に拠点がある。例年の社員旅行の時ですら全拠点の社員から不満の出ない場所を選ぶのに苦労していたというのに、更に上海の連中のことまで考えなければならなくなってしまい、随分と困っていた。
幹事が行き先で悩んでるらしい、という話を聞きつけて何人かの社員がここなんかどうだろうか、と無責任に提案を始めるのだが、どれも誰かしらが不満を漏らすのが目に見えている場所ばかり。。。
完全にスタック状態となってしまい、結局どうしたらいいですかね?と社長に泣きついた。結果社長から発せられた鶴の一声が沖縄でいいんじゃない?だった。社長の発言は葵の御門なのでそれに対して反対意見を述べるものは誰もおらず、沖縄で確定となったという訳だ。
それにしてもなんでうちの会社は社員旅行でここまでアツくなるんだ?wというか社長が最初から鶴の声を発しておけば幹事が思い煩わずに済んだのに。ぶっちゃけ自分的には福岡あたりのレストランを借りてそこで食事会を開いて後はめいめい好きな所に行かせておけばいいんじゃないかとも思うが・・・、それは自分が楽しいだけかw
さて、そういう訳で社員旅行の行先が沖縄に決まった訳だが、あれこれすったもんだがあったせいで、GWの出発には間に合わなくなってしまった。リスケの末新たに決まった日程は7月の3連休だった。沖縄だったら行ってもいいかな。ということで日程が変更になったことをいいことに再度回って来たアンケートには参加に〇を付けた。
それからようやく社員旅行に向けた各種手配が始まり、後は出発を待つのみとなった。
ちなみに上海法人も沖縄に集まるのかと思ったら、こっちはこっちですったもんだがあってディズニーランドと富士登山というプランで確定したそうだ。なんだよ、同じところに集まってないじゃんwだったらどこでもいいんじゃないの、なんて言うと藪蛇なのでそこは黙っておいた。
と言うわけで入社以来5回目となる社員旅行は3度目の沖縄本島となった。上で「沖縄だったら行ってもいいかな」などと随分と上から目線のコメントを書いたが、これは本島で自分が見たい観光地や見所を概ね行きつくしてしまったからだ。理想を言えば沖縄でないところが良かったのだが好き勝手言える立場でもない。
とはいえ折角行くのだからどこでもいいので観光はしておきたい。どの辺に行こうかと調べているうちに、なんか自分の琴線に触れるB級スポットの記事を見つけてしまい、そこに行きたくなった。それらは普通の沖縄観光の見どころとしてはまず選択肢に入らないような場所なので、時間の浪費的な観光となる訳だが、主だった見どころを見学済みだからこそ出来る浪費である。こんな贅沢な沖縄観光きっと面白いに違いない。そう考えたらワクワクしてきた。
ところが。。。きちまった。アイツだ。
日本の南海上で発生した台風が、発達しながら沖縄に向かっているらしい。流石に台風直撃したら観光どころではない、というか多分上陸できない。外れてくれますように、という願いもむなしく出発前日に大型で強い勢力で沖縄本島を直撃した。盛大に猛威を振るって沖縄本土を隈なく蹂躙しているらしい。そんなニュースが流れてきて、こりゃ旅行は中止だなと観念した。
それから少しして幹事からメールが来た。台風の被害も出ているが出発日には通り過ぎる予報となっているので、飛行機が飛ぶなら予定どおり決行したく明日は一旦空港へ集合してください、とのこと。荷物準備して空港行って結局欠航なんて話だと徒労のあまりぐったりしてしまいそうだが、問題なく飛んでくれる確率もそこそこあるようなので、そうなってくれることを期待して準備を進めた。