九州めぐりと寝台特急はやぶさ乗り納めツアー【13】(2008/11/24)

熊本市電:


さて、今回の旅もいよいよ終盤戦。旅の締めくくりはこの旅のタイトルでもある寝台特急はやぶさ号の乗車だ。
はやぶさは15:57に熊本駅を発車する。寝台列車なのに昼間のうちに出発するというのはなんだか妙な感じだが、熊本から東京まで18時間かかるのでこの時間に出発しても東京駅到着は朝10時。どんな旅になるだろうか。

で、今の時間はというと既に13時を回っている。この後レンタカーを返却する時間なども考慮すると観光をしている時間はもう残されていなかった。やむなく熊本城の散策は見送ることとなった。カミさんの視線が痛い。。。

 

ともかくまずはレンタカーの返却である。返却は熊本駅前の店に乗り捨てることになっている。返却の前に近隣のガソリンスタンドで給油。そのあとナビで熊本駅を設定して一路熊本駅を目指す。ところがここでちょっとしたアクシデント発生。
ナビでは途中で行きどまりになっている道がその先まで開通したらしく、曲がりそびれて直進してしまった。カーナビ上は道のない所を走っている状態になるので自車がどこを走っているのか分からなくなってしまった。

仕方ないので適当に進んでいったら、やがてナビが近隣の道を見つけてそちらにリルートした。だが改めて捕捉された自車位置が実際の位置とずれてしまい、ナビが指示する道の形状と全く合わない状態が続いた。結果どんどん訳の分からない方向へ進んでしまい、どうやって熊本駅方向へ目指せば良いのか分からなくなってしまった。

暫く後にようやく正しい自車位置への修正が済んで案内と実際の道の状態が合うようになったが、それで20分くらいロストしてしまった。


ナビが元に戻った時に丁度コンビニがあったので一旦立ち寄って今晩の夕食と明日の朝食を調達しつつ、営業所最寄りまでやってきた。
ちょっと路肩に止めて車内の整理を済ませることにしたら、背後の線路を熊本市電の電車が通り過ぎていった。

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荷物を整理しつつ、電車の走行音が聞こえてきたら一旦手を止めて車両を撮影。
写真は9700形。熊本県警の広告ラッピング電車になっていた。高地の土佐電鉄で見かけたサービスエリアの広告電車も物珍しかったが、警察のラッピングというのはさらに珍しい気がする。

こんなラッピングで走ってきたら、周りを走る車は警察車両が来たと思って安全運転を心がけるだろう。うまく考えたものだ。

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次にやってきたのは1200形。こちらは熊本市電の昔ながらの車両のひとつ。
よく見ると尾灯の所が昔のバスのリアのライトユニットになっていて、ウィンカーが付いている。曲がる時に点滅するのだろうか。

 

で、片付けも済んだので車を店に返却して駅へ歩いて行った。

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こちらが熊本駅。洋風な駅舎になっている。時間を見ると15:20。あと30分強で出発の時間である。そのまま駅に入ってもよかったのだが滅多に来れないところなのでもうひと頑張りしたい。

何をもうひと頑張りかというともちろん熊本市電の撮影である。それまでカミさんには駅構内の店を見て時間つぶしをしてもらうことにして、自分は15分のリミットを決めて路面電車の乗り場に向かった。

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ということで、1000形。

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こちらは2度目の1200形。

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8500形。あれ、このラッピングは。。。長崎の路面電車にも同じラッピング車両があった。変な既視感になんでだろうと一瞬戸惑ってしまった。

・・・とこの3両を撮影したらもうタイムアップ。時間がある時ならもうちょっと、とか言いながらズルズル延長戦に突入することが多いが、今回は時間厳守である。

 

寝台特急はやぶさ:


カミさんと合流して改札へ向かおうとしたら、小腹が減ったねと言われた。言われてみれば確かに軽い空腹感を感じている。とはいえ夕食はもう買ってしまっているのでここでがっつり食べるわけにはいかない。なんか手軽に食べられるものは、、、と思いながら駅前の店を眺める。もう出発の時間もだいぶ迫っているのでのんびりはしていられない。

と、ふと吉野家が目に留まった。あそこで牛丼を持ち帰りで注文して列車内で食べるかと提案したらカミさんも賛成とのことだったので、店で注文。こちらの焦りを知ってか知らずか出来上がるまでにすこし時間がかかった。

出来上がった牛丼を受け取って急ぎ足で駅に向かう。なんとか出発15分前には改札を通過。ところが出発ホームを見てもまだ列車は入線していなかった。じゃあ入線してくるまでの時間も有効に活用せねばともう一頻り車両の撮影に勤しんだ。

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まずは815系電車。近郊型とよばれるタイプの車両で、車体の形状は基本的な物だがデザインはだいぶあか抜けている。

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普通車両のみならず特急列車も奇抜だ。787系特急つばめ。特急車両で濃いグレー一色というシックな色合いを採用したものは近年あまり目にしていなかったので物凄く新鮮な印象だ。前面も変形ロボみたいに実際に使う用途があるのかないのか分からないスリットが設けられている。

九州ではこういう奇抜な車両が立て続けにデビューしているが、関東の車両も最近は奇抜になってきている気がする。ただ方向性は違っている。関東の車両はなんか時代の先を行き過ぎた感じのするものが多くて、そのセンスを理解するまでに時間がかかる。その点JR九州の車両は分かりやすいカッコよさがベースになっているので、見た瞬間にカッコいいなぁという感想が素直に出てくるような車両が多い。こうした車両を日々見られる九州の人が羨ましく感じる。

 

それから程なく列車の入線を知らせるアナウンスが流れてきた。

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ED76形機関車を先頭にはやぶさ号が入線してきた。前面の銀帯はなんか色がくすんでプラモデルにマーカーで塗った時のようなムラだらけの色になっている。ブルートレインってこういう所大事にするんじゃなかったっけか。

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それはさておき、列車が到着したので我々も3番線に移動。

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はやぶさ号が東京・熊本間を結ぶ寝台列車であることは冒頭で述べているが、日本で最も長距離を走る定期列車である(臨時も含めるとトワイライトエクスプレスが最長)。その乗車時間は18時間、半日以上を列車の中で過ごすと思うと長く感じるが、大陸の方では3昼夜走りっぱなしの列車なんてものがあるのだから、それ基準だと18時間という時間は旅情を味わうにはやや短い。

過去に乗った寝台列車は、旅をしている実感を感じる前に就寝時刻になって、起きたらもう慌ただしく準備を済ませて下車、みたいな物ばかりだった。まぁ乗車時間が長くても8時間くらいだったのでしょうがない部分はあるが、これでは旅情どころではない。

そう考えると旅情を味わうにはやはり最低2泊3日はほしいところだ。今日は何をしようかなみたい余裕があって初めて味わえる物なのではないかと思う。そんなの日本国内では実現不可能なのは分かっている。この18時間の列車ですらもう少しで無くなってしまうのだ。

せめてその18時間がどんな乗車体験となるのか、じっくり堪能してみたい所である。

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という訳で乗車。
指定の席へ行って荷物を降ろした後、再びホームに出てカミさんと記念撮影などをしているうちに出発時刻が近づいてきた。列車に戻るとほどなく扉が閉まって出発した。

あれ、発車のベルが鳴らなかったぞ。。。ぼやぼやしていたら身一つで取り残されるところだった。

Posted by gen_charly