四国・山陰初日の出【19】(2009/01/03~01/04)
皆生温泉 旅館浦島:
どこでも食べられる回転寿司だったが腹が膨れたら満足感は一緒。相変わらず単純な胃袋だ。
で最後に近隣の温泉で汗を流して帰路につくことにしよう、ということで周辺の温泉地を探したところ皆生(かいけ)温泉という温泉街の中にある旅館浦島という宿が日帰り入浴を提供しているようなのでそこへ行ってみることにした。
他にも日帰り入浴施設はあるのだが旅館浦島のお風呂は500円と安かった。
風呂道具を持って入口をくぐる。カウンターにいた受付の人に日帰り入浴で来た旨を伝えると、なんか怪訝な表情をして奥に下がってしまった。あれ、、、日帰り入浴やってるって情報はガセか?もしやっていない旅館だったら、何言ってるんだこいつら状態である。ごめんなさいと言って立ち去りたくなるようなソワソワした気持ちで暫く様子を伺っていたら、女将さんらしき人が出てきてどうぞと招き入れられた。
なんだよ。やってるならそんな怪訝な顔しないでよ。。。で、靴を脱ごうとしたときに、女将さんから、
「ご夫婦ですか?もしよければ一緒のお風呂に入られますか?7時くらいまででしたら大丈夫ですよ。」
なんて言われて思いがけず貸し切り風呂に入浴できることになった。特に追加料金などは不要らしい。それで貸し切りとは嬉しいじゃないですか。
女将の後ろについて浴室まで移動、こちらをお使いくださいと言われた入口を見ると「女」の暖簾。ちょっと!ちょっと!!
一緒のお風呂って個別の貸し切り部屋じゃないのか。流石に女風呂に入って別の入浴客が入ってきたら一大事である。
心配になって女湯ですけど大丈夫ですか?と尋ねると、いま宿泊のお客様が食事中なのでお風呂に入る人がいないから大丈夫ですよ、と柔らかい口調で説明された。
毎日この宿のお客さんのコントロールをしている女将が大丈夫というなら信じるしかない。女将にお礼を言って脱衣所に入る。とはいえ入口前に貸し切りを宣言するものを掲げる風でもなくそのまま下がって行ったので、入ろうと思えば誰でも入れる状態だ。もしかしたら食事を早々に済ませてちょっと早めに温泉に行こうかしら?なんていう人がいても不思議じゃない。そんな宿泊客とバッタリしたら一大事である。服を脱いでいる間に誰かが入ってこないか不安で仕方なかった。
そそくさと浴室に移動。お風呂は小ぢんまりとしたもので3人ほどで一杯になる程度の大きさ。そこに2人で入るのだから丁度いい貸し切り具合である。ただしお湯はかなり高温でとても入れたものではない。誰もいないのをいいことに水で湯温を下げてから入った。
湯舟に肩まで浸かってふぅ、と一息。お湯はさらっとした気持ちの良いもので、今回の長旅の疲れを全部流していこうと思った。
だがその一方で、やはり女湯に浸かっているという事実が自分をずっとソワソワとした気分にさせ続けた。次の瞬間もし宿泊客がお風呂に来ても自分には全く逃げ場がない。何も知らずに素っ裸になった女性が入ってきたら自分は確実に変質者扱いされる。カミさんが一緒にいるとは言え、そんな事態になったらちょっとした騒動に発展するのは避けられない。
入浴の間じゅうずっとそうなってしまった時の言い訳を考えていたのだが、結局女将が言っていたとおり誰とも遭遇することなく上がることが出来た。ただリラックスには程遠い入浴となってしまった。まぁそれでもとりあえず体は温まったので良しとしよう。
女将にお礼を伝えて宿を後にする。これで今回の旅は全ておしまい。あとは帰宅だけである。
帰路:
帰宅だけと簡単に言ってもここは鳥取県。東京までは800キロ近くある。長旅になりそうだ。流石に一気に帰れるとは思えないので途中休み休み進んでいこう。
ナビに従って米子自動車道から中国自動車道の順に進んでいく。兵庫県に入って暫く進んだ辺りで大阪市内で渋滞が発生しているという情報を確認。渋滞の中を進むのはダルいので最寄りの加西SAに入ってやり過ごすことにした。
2009/01/04
2時間ほど車内で仮眠をとって再び道路情報をチェックしたら渋滞は解消されていたので出発。ところが今度は大阪に入った辺りで京都あたりに渋滞発生の情報。京都付近も以前から渋滞しやすい場所として知られていて、その緩和策として最近新たに京滋バイパスというものが開通した。そちらの方は渋滞がなかったので迷わず京滋バイパスに進む。
京滋バイパスはそのまま進んでいくと瀬田で再び名神高速に合流するルートをとるが、進んでいくうちに新名神高速と書かれているのが見えた。いつの間にそんな道が開通していたのか。掲示されている案内を見ると滋賀の南部を経由して東名阪道へつながるバイパス路のようだ。こちらの道を経由しても四日市経由で東名に戻れるようなので興味本位で進入してみた。
まだ開通して間もないのか、道は真新しく交通量も少なめで快調に進んで亀山で東名阪道にたどり着いた。東名阪は名阪国道と接続しているので交通量は多めだったが、渋滞というほどの渋滞は発生してなかった。
そして伊勢湾岸道を通って名古屋を通過するころに徐々に夜が明けてきた。まだ眠気は感じていないが、結構長距離走ったのでぼちぼち小休止ということで刈谷PAに入る。
PAの道路情報を見るとこの先豊田JCTの辺りから20キロの渋滞となっているらしい。流石に帰省ラッシュが始まったようだ。更には浜松の辺りでも10キロ以上の渋滞になっている。このまま東名を進んだら地獄を見ることになるので中央道経由で戻ることにした。
中央道へは豊田JCTを直進しそのまま東海環状道に入って進んでいくと、土岐JCTで乗り換えることができる。
中央道は東名間の経路としてはかなり遠回りになるので敬遠されがちで基本空いている。今回もこれと言った渋滞もなくずんずんと進んでいけた。
長野県に入る頃には太陽も高く上がって東の空から登る太陽が眩しい。でも空気の綺麗な所を走るので景色は素晴らしい。
今年も八ヶ岳の雄姿を拝むことが出来た。
そして富士山。これを見るとあともう少しという気持ちになる。と言っても富士の裾野から都内まではまだ2時間以上かかるのだけど。。。
自宅には14時過ぎに到着することが出来た。完徹で走ったので流石に眠い。明日から仕事なので旅行の荷物の荷ほどきもそこそこに床に就いた。
あとがき:
昨年に引き続いての年末年始旅行。今回は高知の西側や冬の鳥取・島根に初めて足を踏み入れることが出来た。タイヤの空気が少なくなっていることに気づくのが遅れて旅の最中は車高の低さに悩まされてばかりだった。来年からタイヤを変えた時にはすぐに空気圧をチェックするようにしたい。というか出発当日の夜中にタイヤ交換なんかするもんじゃないな。
幸いひどい積雪に遭遇することなく回る事ができ、冬の日本海側の雰囲気を知ることが出来たのが自分にとっての収穫だった。まぁ流石に北陸とかはこんな物じゃないのだろうと思うが。
来年はどこへ行こうか。思い切って東北方面を攻めてみようかななんて思いも去来したが、カレンダーを見たら来年の年末年始は並びがあまり良くなさそうだ。。。
(おわり)