小笠原上陸 - 18(2008/09/15)
— 上陸できるか、南島 —
朝6時半に携帯の目覚ましがなって、小笠原3日目。
今日は今回の小笠原旅行のメインイベントとも言える、ドルフィンスイムと南島上陸の日です。
沖縄近海をうろうろしていた台風は、一旦勢力を弱めたかに見えたのですが、昨日から再び勢力が強くなってきたそうで、いよいよ心配です。
朝食を食べに食堂に入ると、
朝食もご覧の通りの手の込みよう。
さらりと平らげて、荷物を持って集合場所の二見港青灯台へ。
例によって船酔いしないように酔い止めも飲んで出発です。
港なのに、海底が見えるほど水が透き通ってます。
そこで暫く待っていると、近くに居た二人組の女の子が「come・クルーズさんに参加する方ですか?」と聞いてきたので、スタッフの人かと思ったら、二人も参加者でした。
一人は島に在住の子で、もう一人の子が父島に遊びに来たので同行で参加したそうです。
以前に父島でダイビングショップにいたらしく、スノーケリング初心者のカミさんも心強いと思っているようです。
4人で5分ほど待っていると、ボードが接岸して、中からcome・クルーズの主人、照一さんが降りてきました。
海人(うみんちゅ)らしいがっしりとした体格の照一さんに挨拶して、手渡されたバケツとブラシで、靴底を掃除。
これは南島に上陸した際に、父島(または内地)から植物の種子や生き物の卵などを持ち込まないようにするための措置だそうです。
一行4人はボートに乗り込み出発!。。。かと思いきや、300mくらい沖に出て停船。
ここで参加者の情報を書き込む紙を渡されます。
陸にいる時に渡してくれ~(--;
湾内とはいえ、多少揺れるので、原付は文字を書くことはNG。
カミさんに紙を渡して記入してもらいました。
で、レンタルのゴーグルとフィンを受け取り、ひとしきり説明を聞いて出発です。
今日も波の具合が微妙なので南島は上陸できるかは現地に行ってみないと分からないとの事です。
あ~、こりゃ今回はNGになってしまうのかなぁ。。。
4人を乗せたボートはとりあえず、と言う感じで南島に向かって出発しました。
湾の外に出ると、徐々に波が強くなってきましたが、小さなボードなので、水切りの石のように水面を跳ねながら進んでいきます。
途中、海岸沿いの崖にあいた四角い穴を発見。
これも銃眼の跡ですね。
船に乗って崖を良く見てると、結構あちこちに銃眼が開いています。
戦時中にこれだけあちこち掘っていたんですね。。。
海の向こうに南島が見えてきました。
父島の一部と、南島の付近は地質が石灰岩になっていて、比較的浅瀬になっているため、海の色が上の写真のように南の島風の綺麗なアクアブルーに変わってきます。
父島列島や、母島列島は主に火山の噴出物である暗い安山岩で構成されていて、 しかも、水深が急に深くなっているので、リーフが発達している所が少なく、海の色も濃い目のマリンブルーの場所が多いです。
南の島と言ってイメージしがちな隆起サンゴ礁の島のアクアブルーの海を見られる場所が少ないので、思いのほか南の島に来たような感じがしないのですが(気温はまさしく南の島ですが)、上述の通り、この辺だけ地質が異なるので綺麗なアクアブルーの海を見る事が出来るので、ひと時の南国気分を味わえます。
向こうからシーカヤックで、こちらに向かってくる人がいました。
一隻で向かってきたので、単独でカヤックをレンタルされたのでしょうか?
こんな綺麗な色の海を間近に見ながらカヤックを漕いだらさぞ爽快だろうと思います。
が、原付は絶対に酔う自信があります。。。w
この辺を進んでいるうちは外海とはいえ、それ程波もひどくないので、これはもしや、南島に上陸できるかも、と思って照一さんに聞いてみると、南島の入口付近は潮の流れが速くてこの辺で波が穏やかでも、島に近づけない事がある、とのことです。
むむ。。。
まだ予断を許さない状況です。。。
そうこうしているうちに、南島の先端部に差し掛かってきました。
差し掛かるにつれて、確かに徐々に波が高くなってきました。
そして、島の入口に差し掛かったときに、波が穏やかでないと上陸できない、と言っていた意味が分かりました。
島の入口に当たる場所は、鮫池と呼ばれる湾になっているのですが、上の写真の通り、丁度湾の入口に当たる場所に蓋をするように岩が生えているのです。
写真の白波が立っているあたりの他とは色の違う岩がそれです。
この岩と南島の間を抜けて湾内に入るのですが、入口の幅はおよそ4mくらいしかありません。
ボートは一旦写真の場所で停泊し、波の様子をうかがっています。
上陸できるかの瀬戸際。
ここを入れなければ南島は諦めなければなりません。
緊張の一瞬です。
1分ほど様子を伺って、ボートは全力推進で加速し始めました。
まごまごしていると、波にボートが流されて座礁してしまうので、全速力で一気に通過しなければならないのです。
激しく左右に揺さぶられる中で写した一枚。。。
丁度岩のところをすり抜ける瞬間です。