小笠原上陸 - 19(2008/09/15)
はいっちゃった。。。
が、一番最初の感想でした。
ほんの一瞬の出来事でした。
ボードが完全に湾内に入りきった所でエンジンの出力が弱まり、再び辺りは波の音だけの世界になりました。
少しの間放心したような感じになった後、鮫池に入った事が徐々に現実として認識されてきました。
鮫池に入れたと言う事は、すなわち南島に上陸できると言う事です。
ついに、夢にまで見た(見てないけど)南島に上陸できるのです。
ついに、夢にまで見た(見てないけど)南島に上陸できるのです。
しつこく2度も書いてしまうほど、このときはめちゃくちゃ感動しました。
(ってまだ早いw)
原付は大きくガッツポーズをしたのですが、他の3人はこの凄さが余りピンと来なかったのかきょとんとしていました。。。
どうやらうちらが一番乗りだったようで、鮫池には監視員のボートが止まっているだけです。
ボートはゆっくりと、上の写真中央部の上陸場所に向けて進んでいきます。
じゃ、ここら辺で、南島の基礎知識を。
南島は父島の南西に浮かぶ無人島で、「沈水カルスト地形」と呼ばれる、一度石灰岩質の土地が隆起した後、 地殻変動と雨の浸食により再び沈下することでできた島で、世界でも、ここと他にもう一箇所しかないと言う大変貴重な場所です。
また、カツオドリの営巣場所にもなっています。
後ほど紹介しますが、この島はとても美しい自然に恵まれており、かつて観光客が多数訪れ、島の植生を踏み荒らしたりしてしまったため、現在では自然保護のために、さまざまな制限が行われています。
沢山あるので、箇条書きにすると、
- 指定されたルート以外は立ち入り禁止
- 上陸できる人数は一日100人まで
- 島の滞在時間は2時間まで
- 東京都認定のガイドの同伴が必須
- 一人のガイドが案内できるのは15人まで
- 11月~1月までの間は植生回復の為上陸禁止
- 植物の種子や生物の卵などの持ち込み、持ち出し禁止
- ゴミは全て持ち帰り(これは当然ですね) 等々
と言う事になっています。
出港前に靴底をブラシでこすったりしたのもここに上陸する為です。
母島の記事の辺りからずっと波で上陸できない心配の事だけを書いていましたが、それ以外にも今回のツアーが南島に最初に行ってくれるのか、最後になるのか分からず、一日の上陸人数が100人までと聞いていたので、ツアーの最後に立ち寄った場合、制限に引っかかって入島できない可能性が有ったが結構不安でした。
— 上陸! 南島 —
と言う事でいよいよ上陸です。
当然ながら桟橋などはないので、ボートの先端を岸にくっつけて、その間に飛び移って上陸します。
と簡単に言うものの、弱いとはいえ波でボートは上下・前後に揺れるし、陸地側は尖った石灰岩が剥き出しなので、タイミングを見計らわないと何時まで経っても上陸できません。
「迷わずに行く時には思い切って行っちゃった方がいいよ」
照一さんはそうアドバイスしてくれましたが、背の小さい人は不安でしょうね。
カミさんは小さい人ですが、野ヤギのように身軽に飛び移って無事上陸できました。
全員上陸したのを確認して、照一さんは再びボートに乗り込み、「船を回してくるからここで待ってて」と言って沖合いの方に出て行ってしまいました。
上陸して、最初に撮った写真。
一昨日も昨日も訪れた人が上陸できず、おめおめと引き下がるしかなかった島です。
二日続けて駄目なんだから、今日も駄目だろうと上陸できなかった時の自分への言い訳を考えたほど、恋煩いのように頭から心配が離れなかった島に、いま、確実に降り立ちました。
月に初めて降り立ったアームストロング船長もきっと同じ気持ちになっていたはずです!
(と、言い切ります。)
写真の通り、人が通ってよい道は、獣道のようになっていて、飛び石が敷かれています。
しばし4人でぽつねんと待っていると、別のツアーの船が鮫池に進入してきて、原付一行が上陸したのとは別の場所に接岸しました。
船には30人くらい乗客がいて、ぞろぞろと上陸して上の写真の道を歩き始めました。
うへ。。。
折角一番乗りで誰もいない景色を撮りまくる事が出来ると思ってたのに。。。
と思ったら、照一さんが戻ってきました。
そしたら、別のツアーのガイドさんが、こちらを先に通してくれて、再び一番乗りになりました。
よかった。。。
照一さんは、「飛び石の上だけを歩くようにしてね」というので、気をつけながら飛び石の上だけを選ぶように全員一列になって歩き始めました。
なんだか、こうやって見ると、北アルプス辺りの山を歩いているようですが、ここは南島です。
高木が育たないので、高地のような風景になってしまうのですね。
島の中央の山は日本の景色とは思えない、城砦のような形をしていました。
尾根を通り越すと道が二手に分かれ、片方は、山を下る方へ、片方は尾根に登る方へ続いています。
先ほどのご一行とは別れ、原付一行は尾根に登るコースに入りました。
奥に南島のハイライトとなる場所が写っていますが、まだ書きませんw
もったいぶらせて頂きますwww
写真奥に見える池は陰陽池と呼ばれる池。
池の色は緑色をしていて、徐々にその大きさを縮小しているそうです。
ご覧の通り、尾根道の方は人の高さくらいのフクギ(かな?)が生えています。
フクギの間を通り抜け、ちょっとした崖を登ると、尾根のてっぺんに到着しました。
鮫池を振り返る。
入口に鎮座する岩が如何に邪魔な位置にあるのかこの写真でよく分かります。
鮫池と言う名前は、ここの湾内にネムリブカと言う鮫が沢山いるから付いた名前です。
鮫と言っても性格は至って大人しいそうです。
今日は見れませんでしたが。。。
反対側を振り返ってみると、父島と南島の間の海をとおせんぼするように浮かんでいる島があって、「閂島(かんぬきじま)」 と言うそうです。
なんともヒネリのない名前だ。。。w
そして、南島の真向かいにあるのが、明日行く予定のジニービーチ。
写真で言うと、尾根の裏に当たる場所にあるジョンビーチと共に父島では知る人ぞ知るビーチです。
が、このビーチへ行く為には小港海岸から徒歩でいくつも山を越えていかなければならないので、大変難易度の高いビーチでもあるのです。
そして、写真中央に見える周りの崖と色合いが違う所が、千尋岩(ちひろいわ)と呼ばれる岩。
別名、ハートロックと呼ばれていて、正面から見ると、ハート型に見えることから付いた名前です。