奄美皆既日食観測ツアー【5】(2009/07)

旅の手配(その他こまごま編):


さて、あらかたの手配を無事終えることが出来たが、まだひとつ課題が残っている。それは22日の夜から23日朝の出港までの時間をどうやって潰すか、だ。宿はもはや取れる見込みはないのでレンタカーの予約を1日延長し、もう1日車中泊してしまおうと考えてマツダレンタカーに連絡してみたのだが、奄美の営業所は開店時間となる朝8時までは返車不可とのことだった。それだとフェリーに間に合わない。。。

ダメもとで他のレンタカー会社にも問い合わせしてみたがやはり軒並み満車ということで取り付く島もなかった。ただ、問い合わせのついでに島で夜の時間つぶしが出来る所がないかと聞いて回ったら、24時間営業のファミレス(ジョイフル)があるという情報と、観光協会にも聞いてみて欲しいという情報を得ることが出来た。

そこで観光協会に問い合わせしてみたら、島内に24時間営業のインターネットカフェがあることを教えてもらった。すぐさまそのネットカフェに電話してみたら、予約は受け付けていないとのことだった。

ともあれ良い情報が得られた。そのネットカフェにありつければベスト、もしNGなら次善の策としてジョイフルでやり過ごすという二段構えが出来そうだ。どちらも寝る環境ではないが野宿に比べたら万倍快適だろう。まぁ、もし両方ともダメだったらもう野宿しかない。夏の奄美だから寒さの心配は全く不要だが雨が降ったらちょっと困るかもしれない。せめて屋根のあるところが確保できれば良いが。。。

その後予め手配しておいた新幹線のチケットを受け取りに駅に出向いた。ついでに帰京が那覇経由となったので博多で借りるレンタカーの日程を変更、博多から鹿児島間はつばめと九州新幹線での移動に変更したのでそのチケットも手配した。

駅で発券してもらったチケットを見ると新幹線の乗車日が7月18日になっていた。あれ、1日早い。。。

取り直そうと思ったのだが、カミさんに九州なんてめったに行けないところだからと相談したら、呆れられながらもOKを貰ったので、1日早めて18日の出発になった。それに伴いレンタカーの日程も1日早めて、返却を2日早める変更を済ませた。

k_20090718_01

ちなみに乗車券はこのような区間で購入した。ある程度鉄道に精通している人には当たり前の話かもしれないが、長距離の乗車券の場合記載の有効期間の範囲で途中下車が可能となっている。つまり博多で下車して2日余り散策する期間は途中下車ということである。こういう買い方もあるのでご参考まで。というか東京から鹿児島の切符ってブルートレインのあった時代ならいざ知らず、ここ最近ではなかなか手にすることのないものだ。


これで全ての手配が完了し旅行日程も確定となった。こんなプランである。

7/18 昼ののぞみで博多に移動、その後レンタカーを借りてどこかで車中泊。

7/19 九州の鉄道写真を撮影しつつ散策し、どこかで車中泊。

7/20 レンタカー返却後鹿児島へ移動。夕方の船に乗船し船中泊。

7/21 早朝、名瀬着。ロケハンを兼ねて島を移動。当日は車中泊。

7/22 日食の当日。観測した後レンタカーを返却して朝まで時間を潰す(ネカフェが確保できればベスト)。

7/23 早朝の船で那覇へ。夕方に那覇着後、羽田行き最終便で帰京。

・・・・・。

なんか途方もないプランになってしまったw。車中泊3泊、船中泊1泊、宿泊先未定1泊、の計6日に渡る旅行、30代の人間がやる旅ではない。でも様々な難関を突破して手に入れたプレミアチケットである。自分的にはそれほどしんどい旅になるとは思わなかった。


その日の晩。

ネットでニュースを見ていたら近ツリが企画している日食観測ツアーにまだ結構な空きがあるという記事を目にした。あれだけどこの宿に連絡しても満室と言われ、フェリー会社に連絡しても満席と言われ続けたのは一体何だったのか。

近ツリが企画した旅行としてその記事が紹介していたのは、例の悪石島へのツアーと奄美大島のツアーであった。どちらも滞在中はテント泊になるというワイルドなプランだが、その価格は悪石島で30万、奄美大島で10万。テント泊の旅行にそんなに出せないという人が多かったのだろう。。。

※と、言いつつ自分が手配した今回のプランもなんだかんだで10万くらいかかっているので笑えない。。。


日食を撮影するために:


まぁ、とにもかくにも手配が済んだので後は出発日を待つだけである。日食は自らの目でも見たいが、自分の記憶力はアテにならないので映像にも残しておきたい。ただ家にはコンパクトデジカメしかなく、これで撮影するのはいささか心もとない。

そこでこの機会にもっと性能の良いデジカメを購入しようか悩んだ。買えば今後も何かと使えるのはもちろんなのだが、使うから買うというにはちょっと高い。たまたまそんな話を職場で同僚に話していたところ、その人に変わって日食の写真を撮影してくる、という条件で使っていない一眼レフを貸して貰えることになった。これは有難い申し出。ただ借りるからにはいよいよ失敗が許されない。それはそれでプレッシャー。

とりあえず借り受けた後すぐに近隣をあちこち撮影してその操作方法を覚えた。デジカメはニコンのD70という機種。撮影してみたらやっぱりコンパクトデジカメとは表現力がケタ違いだった。

ところで、カメラで太陽の撮影をするためにはNDフィルターというものが必要になる。太陽は直接撮影することが出来ないのでこのフィルターを使って減光させる必要があるのだ。ネットの受け売りだが。それによると太陽を撮影する時に使えるフィルターはND10000という物だそうだ。10000という数字は分数の分母。つまり1万分の1に減光する能力があるフィルターということだ。

それを買いにヨドバシカメラに行ってみたらもう売り切れていて、売られているのはND4とかND8というとても太陽の撮影には使えないようなものしかなかった。とりあえず皆既日食の間は太陽光はなくなるわけだからフィルターも不要になる。その前後だけでも写せれば良しとしよう。太陽光を直接見ると失明の危険があるので、肉眼での観測用に日食グラスを購入して帰宅。


それから数日の間、どうにかしてNDフィルターの代わりに出来るものがないか検討してみた。候補に挙がったのはアルミホイルやアルミ蒸着されている袋など。

ところが、ずっと雨続きで太陽が一向に顔を出さないので実験がままならず。。。結局出発の前日になってようやく晴れたので実験してみたら、アルミホイルは全く光を通さなかったのでNG。アルミ蒸着された袋はポテトチップスの袋を使ってみたのだが、1枚では役立たずだった。だが2枚重ねてみたら思いのほかいい感じにフィルタされることが分かった。ただし、パッケージ表面の柄まで透けてしまってなんか微妙である。

こりゃダメかと思った時にふと日食グラスを当ててみることを思いついた。

20090715_101833

試してみると効果抜群。いい感じに余計な光を吸収して太陽の輪郭がはっきり捉えられることが分かった。そりゃ肉眼で見られるレベルで減光してくれるのだから効果があって当たり前か。なぜそのことにもっと早く気が付かなかったのだろう。

何せもう前日なので今からもう1枚日食グラスを調達しに行くことが出来ない。仕方ないので現地で肉眼で見る時とカメラで撮影する時とでうまく工夫しながら使い分けていくしかない。

とまぁそんな感じで準備は整い、いよいよ出発日を迎えた。気になる日食当日の天気だが、今の所晴れ時々曇りという予報になっている。日食の時間帯のみ晴れてくれれば御の字だ。

関東はこのところ雨続きでろくでもない天気だったが、奄美は数日前に梅雨明けをしてここ数日は晴天が続いているという話なのでいい方向に外れてくれることを期待したい。

Posted by gen_charly