富士山に登ろう【3】(2009/09/05)
吉田口五合目へ:
2009/09/05
いよいよ出発である。今回のツアーは東京駅からツアーバスに乗って一気に吉田口五合目まで運んでもらう。そこで暫く高地順応してから登山を開始し、七合目にある山小屋まで登ってそこで1泊。夜のうちに出発して明け方に山頂まで登り、ご来光を見た後速やかに下山、そして再びバスで帰着というプランになっている。
集合時間は6:20東京駅八重洲口である。早ぇ。山頂に着くのが明日の明け方だというのにこんなに早く集合する必要があるのだろうかと怪訝に思いつつ家を5:30に出る。5:30なんてほぼ始発である。自分らの家は都区内にあるがそれでこの時間だから集合に間に合わない人の方が多い気がする。前泊するのだろうか。
指定された集合場所に行くと今回の発案者であるMちゃんとその彼氏のW氏が既に待機していた。程なく主催者の添乗員が現れて点呼を取られた後バスに乗り込む。これで吉田口まで行くものとばかり思っていたが、新宿で乗換だそうだ。何のために?
新宿に停まっていたツアーバスはこちらだ。ベンツである。ベンツが観光バスなんか作っているとは知らなかった。
新宿に集合する人もいるらしく、こちらは結構な参加者が集まっていた。それらが乗車するバスはなんと8台。修学旅行か。
このバスもほぼ満席状態。しかしベンツのバスなんて初めて乗った。車内はなんだか80年代の観光バスのようなテイストの装飾になっている、小さい頃に遠足で乗ったバスがこんなだった気がする。バスそのものはそんな古いものではなさそうだったが、これがベンツのテイストなのか、はたまた経営者の趣味なのか。まぁそれは良いのだが。
とりあえずバスは吉田口五合目へ向けて出発した。早朝から行動を開始したせいで眠くてしょうがない。MちゃんW氏共に同じ状態でみんなぼんやりしている。そのうち誰からともなく睡魔にやられて寝息を立て始めた。自分もその流れでウトウト。
途中談合坂SAで休憩。といっても談合坂は何度となく来たことがある場所なので物珍しさもなく、トイレに行きたいわけでもなかったのでそのまま車内で待機。
SAの片隅に途轍もなく古いファミリアが停まっていた。分類番号が1桁の骨董品だ。エアコンなんかが付いている時代の車ではないのでドライバーは開け放った窓から手を出している。昔はこうだったなぁ。しかしよく維持されていらっしゃる。
休憩が済んで再び出発。それとともに再びウトウト。
高地順応:
そして東京駅を出発して4時間ほどで吉田口五合目に到着。ずっとシートでウトウトしていたので首が痛い。。。
ここで高地順応のため1時間ちょっとの休憩だそうだ。我々はこのタイミングで昼食を済ませることにした、といってもそこいらの店に入るようなメンツではない。皆自宅から弁当持参である。空いている場所に陣取ってそれを食べる。お腹空いていたからあっという間に食べてしまった。
レストハウスの裏手に神社があった。富士山小御嶽神社というそうだ。せっかくなので登山成功のお参りを済ませる。
その小御嶽神社のさらに裏手は展望台になっていて麓の景色が良く見える。。。はずだったのだが、ご覧のとおり濃い目のガスがかかって麓の風景はぼんやりとしていた。視線を移動すると河口湖も見えたのだが、こちらはもっとガスが濃くて目視はできるが写真には写らなかった。
登山中の天気は大丈夫だろうか。
七合目日の出館へ:
景色を眺めたりしているうちに集合時間になった。待ち合わせ場所に指定されているレストハウス前に移動すると、既に今回のツアーの参加者が三々五々集合し始めている状態だった。
それから程なくガイドから今日の行程の簡単な説明があった。改めて今日の宿泊先となる山小屋が七合目の日の出館であると説明される。
なんで七合目なのだろうか。しかもこの日の出館は七合目の中でも麓側から数えて2番目の山小屋である。そんな手前の山小屋なんてあっという間に到着してしまうだろうから、夜までの時間を持て余してしまいそうだ。元気のあるうちにもっと上の方まで登れれば明日のアタックが楽になるのに。
御一行様は70人程の集団。大所帯だ。もちろん我々のツアーの他にも様々なツアー団体がぞろぞろと登り始めているので、登山道には登山者が長い列を作っている。噂には聞いていたが、これほどまでに富士登山をしようとする人が沢山いるとは。
最初のうちは参加者の体調や体力の様子を見る目的でもあるのか、15分歩いて小休止というペースでゆっくりと進んでいく。だがまだこの辺りは六合目にも達していないので息も上がらないし何の疲れもない。なので小休止の時間が冗長に感じられた。
そして六合目に到着。ここまで45分くらい。無休憩で登れば15分もかからない距離なので相当なスローペースだ。
六合目でも15分ほどの休憩が入る。
麓の方を眺めると、つづら折りの登山道がずっと下まで続いているのが見える。これだけ見るとだいぶ高いところまで登ってきているように見えるが、
六合目はまだ序盤も序盤。その上の方へも遥か見上げる高さまでつづら折りが続いている。だが、角度の問題でここから頂上は見えていない。写真に見える一番高いところまで登っても頂上はまだ先である。
この辺りまで来ると森林限界を突破し、周囲に高木が見えなくなってくる。植生に乏しい登山道は荒涼として見える。
半パンの外人が立っているところは登山道の擁壁である。擁壁といっても溶岩を積み上げて崩れないように鉄柵でガードしたものだ。なんか溶岩を集めているように見える。お土産に持ち帰るつもりだろうか。そんなものそこに登らなくてもその辺に転がってるのに。
そして、いつの間にか雲の上に抜け天気は快晴になった。でももう暑さは感じられない。半袖で心地よいくらいの気温である。
写真はMちゃんとW氏。Mちゃんはカミさんと同級生でW氏は自分と同じ年。そういう組み合わせであるせいか、妙に馬が合う感じがする。おかげでここまでの行程も実に気が楽だった。
ただし体力に覚えのあるMちゃんの彼氏が運動音痴なワケはなく2人揃って体育会系。故に自分との体力の差は歴然。自分は少し前から息が上がる場面が少しずつ増えてきているが、カミさん含め3人ともケロッとしている。足を引っ張らないようにしなければ。。。
眼前には抜けるような青空。自分は前回の登山の時もこんな天気だったので、雲の上に躍り出たら後はこんなものだと思っていたのだが、毎年登っているカミさんによると、今回はかなり天気が良いらしい。これほどまでに山の稜線がくっきりと見えたことがない、と言ってしきりに感動している。
そして花小屋前を通過。この山小屋は七合目の一番麓側にある山小屋である。
それから日の出館に到着。ここで一時の仮眠をとる。時間は16:30。登り始めてから3時間弱、六合目からも2時間あまりかけて登ったのでだいぶスローペースだ。早着して時間を持て余すのではと思っていた我々の予想は全く杞憂だった。このペースだとせいぜい進めても八合目の手前までである。ちゃんと計算されているのだな。
ガイドが点呼を取り、チェックの済んだ人から順に山小屋の中へ入る。中に入る前に靴をしまうためのビニール袋と明日の朝食用として弁当が入ったビニール袋を渡された。