富士山に登ろう【2】(2009/09)
アイテムクエスト:
というわけで思いがけず決まってしまった富士山再アタック。だが、前回のアタックは前述のとおり小学4年の頃だ。それからろくすっぽ登山なんかしていなかったので登山アイテムは一切持っていない。とにもかくにも最低限の登山用品だけでも揃えなければならず神田小川町のスポーツ用品街に買い出しに出かけることになった。
必要になるものは、
・インナー・アウター
・防寒具
・雨具
・手袋
・トレッキングシューズ
・その他小物
である。ザックとストックはカミさんが以前使っていたものをお下がりで譲り受けることになった。
ここ最近は登山もメジャーなレジャーとなりつつあり商品開発も活発になってきている。故にアイテムごとに高機能なものからそれなりのものまで幅広いラインアップの中から自分に合ったものを選ぶことができる。
それらの商品を選ぶ際のキモは、今後の登山においてオーバースペックとなるようなものは不要だが、最低限の機能は備えていなければならないということだ。夏山しか登らないのに冬山の装備はいらないし、低山しか登るつもりがないのに高山用の装備もいらない。さりとて価格が安いからといって性能が著しく劣っているものや耐久性のないものを買うのは金をドブに捨てるようなものだし、ことと次第によっては命の危険に晒されることにもなる。役に立たないものはただの荷物でしかないのは自明の理。その見極めが大切、特に最低ラインはしっかりと見極めなければならない。
カミさんの極意としては、持って行けるものは全て持って行くが、できるだけ軽いものだそうだ。そりゃそうだ。ただ、軽くて高性能なものを求めるのは誰しも一緒なのでそういう商品ほど高額になる。ここで財布との相談という話になるわけだ。
まぁ、その辺りは何年も登り続けているカミさんに目利きをお任せしておけば大丈夫だろう。
しかし、かつて小学生の頃に富士山に登った時は、運動靴と半パン、ジャージ姿に5合目で買った金剛杖といういでたちで登っている。それで何ら不自由はなかった記憶がある。上の写真を見ても登山ルックで身を固めている人など皆無だ。それと比べたら隔世の感がある。
とりあえずスポーツ用品店街の散策を開始。スポーツ用品店街を謳うだけあり、夥しい数の店舗が軒を連ねている。ただしこの街はスポーツに関するあらゆる商品を取り扱っているので、店によって売られているスポーツのジャンルが異なっている。なので登山用具の取り扱いがない店を除外するとその数はそれなりに絞られる。それらの店で必要なものが揃えられればと思う。
ちなみに登山用具は近所のホームセンターなどでも売られているが、価格が安い分性能もそれなりである。小川町の場合は高性能な商品が割安で売られていたりするのでそれを狙うのだ。もし掘り出し物が見つけられなければ、近所のホームセンターやワークマンで手堅くおさえるつもりである。
まず最初に行ったのがヴィクトリア。ここで安売りしていたトレッキングシューズとインナーをゲット。トレッキングシューズは5000円未満で買うことができた。他の高価格帯の商品と比べて若干重量感があるが必要と思われる機能は揃っていた。
続けて隣のアルペン。この2店は山グッズを扱う大手だ。ここでは吸湿性に優れた生地でできた長袖を購入した。もうひとつ、レインコートが4000円ほどで売られているのを見かけた。レインコートなんか使うかどうかわからないんだから、あれば充分という意味ではこれでいいんじゃないの?とカミさんに聞くと、防水性と吸湿性の良し悪しは着用時のストレスに大きく影響してくるので他のも見てから考えるとのこと。
更に隣のエルブレス。ここはヴィクトリアの別館で、より登山関連商品に振った専門店である。ここでは登山用のズボンを購入。ここで購入した登山用のズボンは生地が薄く伸縮性に富んでいて、それでいて多少の防寒性もあるという商品だった。更に温度調整用としてひざから下の部分がファスナーで繋がっていて脱着できるようになっていたのもポイント。
小学生の頃、親が買ってくれたジャンパーで袖から下がファスナーで脱着可能になっていたものをすごく気に入って使っていたことを思い出した。昔からそういうギミックに凝ったものが好きな性格だった。
ついでに別のフロアにも立ち寄ってダウンジャケットを下調べ。ダウンジャケットは防寒具の位置づけだが、どのくらいの厚さのものを買えばよいのかイマイチイメージが掴めなかったので下調べのみで保留。そうこうするうちにあっという間に日が暮れて閉店時間になってしまった。まだまだ買い足りないものがあるので翌日も小川町へ繰り出すことになった。都心部に住んでいるとこうした往復が気軽にできるのがうれしい。
翌日。再びエルブレスへ行き、別のフロアで売られているレインコートをチェック。専門フロアだけに多種多様なラインアップがあるのだが、基本的には本格的なものばかりで、価格は1万数千円から高いものになると3万越えまである。3万超えの商品はゴアテックスという生地で作られていてカミさんが今使っているものがそれらしいのだが、これは防水性と透湿性が抜群に良いそうだ。でもレインコートに3万もの出費はキツい。。。本当にそれを買った方が良いのか、ちょっと店員にも話を聞いてみることにした。
9月の上旬に富士山に登るのだが、それ用に雨具を買う場合ゴアテックスは必要か?と聞いてみたら、ゴアテックスを持っていればオールマイティに使えるので便利だが、夏の富士山に登るだけならそこまで高機能でなくても充分対応できるとのことだった。
もうひとつ、そもそもダウンジャケットとレインコートだったらどっちを優先した方が良いか?というのも聞いてみた。こちらの回答は夏の富士山であればダウンジャケットを着なくてもしのげる場合も多いが、いつ天気が崩れるか全くわからないのでレインコートは必須だそうだ。そもそもレインコートを持たずに登って雨に降られたら、体が濡れることで体温が奪われて非常に危険とのこと。その点ある程度のグレードのものであれば、雨風が凌げるだけではなく簡易的な防寒具としての役割も果たすので安物は選ばない方が良いとのこと。
ということでエルブレスオリジナルブランドのレインコートを買った。上下で12000円、高いなぁ。でもまぁこれが自分の命を守る最後の砦になるかもしれないと思えば、そのくらいの出費は目をつぶるべきか。
レインコートに思わぬ出費となってしまったので、ダウンジャケットは家にある古いものを活用することにした。
最後に神田一安いというキャッチフレーズのロンドンスポーツへ。ここは前年モデルやシーズンオフの売れ残り、倒産処分品などを買い集めて販売している店だ。そういう店だけに店内は雑然としている。ドン・キホーテは店内をあえて雑然とさせているそうだが、ここは必然的に雑然としている感じだ。
小物類は分類もせずに大きな段ボール箱に無造作に放り込まれているが、売られているもののほとんどはブランド物のアイテムだ。その中をかき分けて欲しいものが見つかればお宝Getというスタイルである。もうちょっと掘れば何かいいものが見つかるかも、と思うと更に掘ってみたくなるが、通路が狭いので集中しすぎると他の買い物客の邪魔になる。
雑然と商品が置かれているのでプライスタグなんかいちいち付いていない。値段は天井から吊るされた段ボールにマジックで殴り書きされている。それを読むと値札(商品の元々の正札)の価格をまず半額にして、そこから更に30%引いた値段、なんて書かれている(商品によって何パターンかある)。
なので、いちいち頭の中で暗算してその価格を算出しなければならないのだが、計算しなくとも6掛け以下なのだから他の店では絶対にその値段では手に入らない価格である。そもそも他の店で同じものは売られていないと思うが。欲しいものが見つかったら即買いで問題ないだろう。
ということで1時間ほど物色して入手したのが、
・手袋(冬用の厚手のもの)
・ニット帽
・ネックウォーマー
・薄手のフリース
である。常々不思議に思うのだが、前年のモデルとかがすぐ型落ちとして在庫処分されるのはなぜなのだろう。1年くらいで陳腐化するようなものでもないしそのアイテムが〇年のモデルなんて情報、よほどのマニアでもなければまず分からない気がする、仮にそのマニアからツッコミを食らったとしても、前年に買ったやつだと言えば誰も調べようがない。であれば前年のものだからといって着ていて恥ずかしくなるようなものでもないのだから値崩れする理由にはならない。もちろんものによっては機能が大幅に変わっていて今年のモデルの方が断然使い勝手がいいとかはあるだろうが、それにしてもここまで値崩れしてしまうようなものでもない気がする。
まぁ、シーズン終了時に売れ残ったものは翌シーズンまで在庫になってしまうので、その保管費用とかまで考慮すると叩き売りに出した方がトータルの損失が少ない、とかはあるのかもしれないが。
これでひととおりのアイテムは揃った。帰宅後、出発の荷造りをしていたら、自分が所有しているダウンジャケットが思いのほかかさばることが分かった。リュックの中に仕舞うと空気を含んで膨らんでしまって邪魔でしょうがない。それにお店で売られていたものと比べるとなんとも重たい。普段使いにおいて気になる重さではなかったが、使うか使わないか分からないのに持参するものであることを考えると、もう少し軽いものを持参したい気もする。
とはいえエルブレスの店員も持って行かなくても何とかなると思うって言ってたのだから、持って行かなくてもいいかなという気もする。だがカミさん曰く夜の富士登山における山頂の気温は0度近くまで下がるそうだ。そこで日が昇るまでじっと待つので防寒対策は欠かせないという。
ということで更に数日後、再びエルブレスへ出向いた。そしたらラッキーなことに先日見に来て目を付けていたダウンジャケットが更に値下げされていた。ただ、このダウンジャケットは薄手のもので富士登山において十分機能するかカミさんも判断しかねていた。
そこで再び店員の出番。店員の回答はシンプルだった。曰く、雨が降って寒い時はダウンジャケットをレインコートの下に着ることになるので薄手のもの一択だそうだ。言われてみれば確かに。冬山に行くのでもなければ薄手のもので事足りるし、それでも寒かったらレインコートを羽織れば充分とのこと。目からウロコだった。結果、新しいダウンジャケットもゲット。これまで持っていたものと比べたら圧倒的に軽い。そのうえ専用の収納袋が付いていて、丸めてツッコんでおけばリュックの中でもかさばらない。やっぱりちゃんとしたものは違うね。
というわけで山登りに必要なアイテムをひととおり揃えた結果、6万円ほどの浪費投資となった。カミさんから、これだけ揃えたからには今後もたくさん山に登るからねとクギを刺された。もちろんです。体力と気力の続く限り元を取るまで頑張りますです。はい。
そうして頑張る宣言をしたら、登山の途中で挫折して敗退なんて惨めな結果になることが恥ずかしい気がしてきた。少しくらい体力を蓄えておかないとその辱めを受けることになるので、1カ月前から自転車通勤に切り替えた。職場までは片道10km未満なので大したトレーニングにはならないかもしれないが気は心。それとタバコも減らした。禁煙はできなかったが、1日1箱を1日2本まで減らした。軟弱?なんとでも言えw