身延・東松山【2】(2010/04/10)

ほったらかし温泉:


蕎麦屋で少しのんびりしていたせいか、気がつくともう間もなく15時になろうかという時間になっていた。とりあえず身延山以外の観光は考えていないので、後は温泉でも浸かってのんびり帰りましょうということになった。

山梨には最近有名になっているほったらかし温泉というのがある。山の中腹にわく温泉で、眼下に甲府盆地を見晴らせる絶景の露天風呂があるらしい。じゃあそこへ行ってみようということで甲府方面に戻る。が、その途中でがっつり渋滞にはまってしまった。理由は分からないがとにかく進みが悪くて、ほったらかし温泉のある山の麓にたどり着いた時には既に日が暮れてしまった。

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これはその温泉へと向かう山道の途中に見晴らしの良いところを見つけたので、車を停めて撮影してみたものだ。手前側がやたらと明るいのは、車を崖に向けて停めてヘッドライトをつけっぱなしで撮影したためだ。結果妙な合成写真のようになってしまった・・・。

 

そこからもうひとしきり登ると砂利の駐車場があり、温泉に到着。人気の温泉ということで駐車場の入口に交通整理の人が立つほどの盛況ぶりだった。車を停めて建物の方へ向かうと、あっちの湯こっちの湯というふたつの露天風呂に分かれていた。これらの温泉はそれぞれ別料金になっていて、ハシゴしてどちらも楽しむためには料金を倍払わなければならない。

どちらに入ろうかとそれぞれの入口の方へ行ってみると、露天風呂から撮影した風景の写真が掲載されていた。どちらも露天風呂なので見晴らしが良いことに違いがないが、どちらかというとこっちの湯の方が絶景が楽しめるらしい。とはいっても今の時間だと多分さっき撮影したような夜景を眺めながらの入浴になるのだろうから大した違いはない気もする。

入口周辺に集まる人を見ているとどちらも盛況で中もそれなりに混雑していそうだ。だったらどっちでもいいじゃないかという話なのだが、何度か行ったり来たりした末、できるだけゆったりと浸かりたいという理由であっちの湯の方に入ることとなった。こちらの方が湯船が広いらしい。

まぁ、今にして思えば男女分かれて湯舟に入るのだから、意見をまとめずそれぞれが好き好きに入ってもよかった気がする。

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カメラを持って行かなかったので、携帯で写したざらっとした写真で恐縮だが、あっちの湯である。山小屋風というか掘っ立て小屋風というか、そんな感じの手作り感のある建物で、入口の下足入れも個別のロッカーなんて洒落たものはない。大昔の学校の下駄箱みたいなものになっている。

前評判のとおり、あっちの湯の露天風呂からはあまり景色らしいものが見えなかった。山々に灯る光がないので暗いと何も見えないのと変わらないのだ。ただ、そのせいでこっちの湯の方に人が流れているのか、こちらの露天風呂はそれほど混雑しておらずのんびりと入浴することができた。

程よく上がって出てきたが女子連中はまだ入浴中だった。この温泉は建物内に休憩所がないので、入浴後は建物外の広場に設けられたベンチなどで休憩をすることになる。そうして湯冷ましをしつつ待っていたら、やがて2人も上気した顔で上がってきた。

 

小作:


さて、こんな時間になってしまったので夕食も済ませてしまうことにした。山梨といえばほうとうという意見に全員一致で賛成だったのだが、例によってこの辺りのほうとう屋が分からない。どうしようかと思っていたら、

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広場の一角に近隣の店の一覧が掲示されていた。同じことを考える人は多いということだろう。掲示されている時間を見ると、ほうとう専門店は軒並み19時くらいで閉店するようで、ほとんどの店は今から行っても間に合わない。20時までやっている山作でも微妙。ということで消去法的に22時までやっている小作が残った。

自分はこれまでこの店の存在を知らなかったのだが、山梨県内ではあちこちに店を出しているほうとうの超有名店だそうだ。ネットで「ほうとう」と入力したらサジェストの一番上に小作と出てくる。この店は以前カミさんも食べたことがある店だそうだ。味を知っている人がいるなら安心して店に入れる。

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この時間帯でほぼ唯一といってもよいほうとう料理の店だけに店内は思いのほか混雑していたが、待っているうちに席に通された。だが、3人での入店にもかかわらず、大きなテーブルを囲むような相席になってしまった。

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注文したのはちゃんこほうとう。ちゃんこ風に具材多めになっている。

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ちなみにカミさんが選んだのは、定番の豚肉ほうとうであった。なお、Yちゃんがオーダーしたものは非公開とのこと。メニューにあずきほうとうなるものがあって大層興味を惹かれた。あずきというからにはお汁粉のような甘いものなのだろうか。注文するタイミングが分からない商品である。他人事のようにYちゃんにネタ作りに注文してみてよと唆してみたが断固拒否された。当たり前か。

 

小作に入店するのは初めてだが、ほうとう自体は過去にも食べたことがある。大月にある猿橋のたもとのお茶屋みたいなところで食べたのだがそれがあまりに美味しくて、以来山梨に行ったら無条件にほうとうを食べようと思うくらいに好きな料理のひとつなのだが、その割に山梨で食事をする機会があまりなかったので、小作の存在にも気づかなかった。小作は前述のとおり超有名店なのでほうとうのデファクトスタンダードといってよい。自分のようなそれ以外の店から入った人間でも違和感なく食べられてとても美味だった。まぁ、味噌で肉や野菜とうどんを煮込んだような郷土料理なのであまりまずくなる要素はないのだとは思うが。

ここのほうとうはそこそこいいお値段するがその分量が多い。男でも普通に食べたら満腹になるほどの量なのでコスパは悪くない。

 

そんなわけで3人とも店を出る頃には満腹状態、非常に満足した。あとは帰路に就くだけ。といってもこの時間なので今出発したら自宅に着く頃には23時近くなる。それからだとYちゃんも帰るに帰れなくなってしまうので、Yちゃんを地元まで送り届けることになった。ルートは大きくふたつある。中央道を高尾まで戻ってそこから圏央道で埼玉へ向かう方法。もうひとつは雁坂峠経由で山越えする方法だ。

渋滞情報をチェックすると談合坂付近で渋滞の表示が出ていたので雁坂峠経由で埼玉を目指すことにした。距離的には幾らか遠回りになるし高速もないが、渋滞の高速を進むよりは早くたどり着けるだろうと踏んでのチョイスである。

 

この雁坂峠を越える道は国道140号線で、山梨県側では雁坂みち、埼玉県側では彩甲斐街道という愛称がついている。彩甲斐街道なんてセ・リーグの某球団みたいな愛称だが、名前のイメージとは裏腹に雁坂みちの方が道路状況が良い。

峠まではほぼ直線的に片側1車線の道路が続いていて快適に走れるのだが、峠を越えた先はカーブの続く険しい道になっている。埼玉県側のほうが山が険しいうえ、そこへの道路開通も古いことから、やや規格の低い道になっているせいである。その険しい埼玉県側の道で麓に降りるまでの道のりが長かった。途中道の駅あらかわで小休止を挟みつつ、Yちゃんの住む埼玉中北部の街に到着するころには23時を回ってしまった。これなら高速経由でも大した違いはなかったか・・・。まぁ、ともかくYちゃんを無事に送り届けることができたので、そこで解散となった。

 

さて、ここから東京の自宅までの所要時間は2時間あまりである。このまま帰ったら日付が変わってしまうので、その辺で仮眠を取ってから帰りたいとカミさんに提案したら賛同が得られた。ついでに明日の昼間に周辺の散策をすることも提案したらそれにも賛成だった。ということで今日は高坂SAで仮眠をとることにした。

Posted by gen_charly