北東北の旅【4】(2010/08/15)
盛駅:
2010/08/15
カミさんに起こされて目を覚ました。時間は7時、自分的にはまだ早朝といって良い時間帯だがそれでも一番の寝坊助だった。なんなら伯父さんは既にゴルフに出かけてしまったらしく家にすらいなかった。
リビングに行くと朝食が用意されていた。昨日買った田舎豆腐と油揚げに納豆と味噌汁。大豆ばっかりやないかーい。とはいえどれもうまい。油揚げなんか軽くフライパンであぶって生姜醤油で食べたらもう絶品だ。田舎に来ると食事が美味くてつい食べ過ぎてしまう・・・。
朝食後に従弟が迎えに来た。今日は彼がアテンドしてくれるので自分は従弟の車のリアシートでふんぞり返っていられる。こういうところは長兄の役得だw
向かうは気仙沼市にある大理石海岸。その名のとおり大理石を産出する海岸で、かつては採石が盛んだったそうだ。その時に切り出された石が銀座三越の柱に使われているとのこと。
陸前高田の市街地に入ると道の駅高田松原がある。ここのレストランの磯ラーメンが美味いと従弟がおススメするので、ここで昼食をとることにしたのだが、お昼時だけに店内は大混雑。だいぶ待たされそうだったので少し時間調整をすることになった。
時間調整のために向かった先は隣の大船渡市にあるJR盛(さかり)駅。自分がリクエストしたら、じゃあ行こうとなった。と、その前に道の駅の近くにある釣具屋に立ち寄り、仕掛けを入手した。コマセをどうするか考えたが従弟はサビキはやらないとのことだったので偽エサを使うことにした。

盛駅にはJR大船渡線の他、三陸鉄道南リアス線が乗り入れている。一関から1時間ちょっとで来られる場所だが、これまでなかなか訪問の機会に恵まれなかった。
盛駅から岩手開発鉄道という私鉄路線が延びている。この路線は今は貨物専業だが、数年前まで旅客営業も行っていた。1日数本、不格好なディーゼルカーが行き来していて、いつかは写真を撮りに行きたいと思っていたのだが、その願い叶わぬまま旅客営業を取りやめてしまった。90年に一関を訪れた時にお袋にお願いして連れて来てもらえばよかったな。

岩手開発鉄道は心残りではあるが、三陸鉄道の方はちゃんと撮影できた。
盛駅の訪問と往復で小1時間ほど費やして再び道の駅高田松原に戻ったのだが、お盆であるためか昼時を過ぎても全然空く気配がない。すると従弟から、大理石海岸近くのドライブインの磯ラーメンもおススメだからそっちに行ってみようよと提案があった。
あまり土地勘がないので正直大理石海岸がどこにあるのかもよく分かっていないのだが、そういうのであればお任せするので頼むと伝えてその店に移動することに。
ドライブインからくわ:
高田の街から10分ほど南下すると宮城県気仙沼市に入る。それから程なく大理石海岸への入口に差し掛かった。従弟は国道から分岐する道に入ってすぐのところにある駐車場に車を入れた。ここが従弟がお薦めするドライブインからくわだそうだ。
店構えはもう昭和のドライブインそのものである。ただし商売っ気がないのか国道には面していないし、店に看板も掲げられていない。辛うじて入口の引き戸にドライブインからくわと書かれていることでようやく店の名前が分かる。知っている人でないと絶対に来ない店だ。
店内もパイプ椅子とテーブルが並べられた昔ながらの定食屋のような風情で、昭和のまま時間が止まっている。なかなか堪らない。こういう雰囲気大好き。だが立地条件ゆえ店内は閑古鳥状態。誰も客人はおらず我々の貸し切りだった。
言っちゃなんだがこういう店の料理は大抵ハズレである。従弟の味覚センスを疑わざるを得ない事態だが、付近に飲食店は愚かコンビニもないのでここで食べる以外にない。覚悟を決めて全員で特製磯ラーメンを注文。
店内にエアコンはなく窓が開け放たれている。その窓の向こうに広田湾が遠景となり、そちらの方から生暖かい海風が吹き込んでくる。片隅に設置されたテレビから甲子園の中継が流れている。これぞ夏休み。今日は何をしようかなと思いつつ、やることが決まらなくてぼんやりとテレビを眺めていた子供の頃の一関の夏休みを思い出させてくれた。もう1日中ここでぼんやりしていたい。
けだるい夏の午後に遠い記憶をオーバーラップさせていたら、カウンターの奥からガチャガチャと音がして程なく磯ラーメンが運ばれてきた。

こちらが特製磯ラーメン。1,000円。ワカメなどの海藻がふんだんにちりばめられた上にエビ、イカ、ホタテ、ムール貝などの海鮮がどさっと乗せられている、思った以上にボリューミーなラーメンが出てきた。
だがさっぱりとした塩スープのせいで食が進みあっという間に食べきってしまった。こういう店の料理は大抵ハズレである、なんて豪語したが見事に外れた。精進せねば。
ちなみにここのラーメンのメニューはこの特製磯ラーメンの他に磯ラーメンというものもある、というかその2種類しかない。そちらは半額の500円。店員に尋ねると違いは魚介が乗っているかどうかだそうだ。ということはこの魚介類が500円か。そう考えるとややお高い気がするが予想を裏切る美味しいラーメンだったのでいいか。従弟の味覚センスも普通だと分かってひと安心。
(2025年註:現在は休業中とのこと。ストリートビューで見ると、建物が跡形もなくなっていたので、廃業が正しいステータスかもしれない。)