北東北の旅【9】(2010/08/16)

七戸十和田駅・野辺地駅:


というわけでこれから津軽半島の方へと移動する。せっかくだから最寄りの鉄道を押さえつつ進みたい。とはいえ鉄道の訪問ばかりではカミさんが飽きるので、めぼしい見どころのないエリアでは地域の文化に触れつつ進むことにした。といっても博物館や郷土資料館へ行くわけではない。カミさんはあまりそういうものに興味を惹かれないタイプなのだ。

じゃあどこで地域の文化に触れるのかというと、もっぱら道の駅である。それかスーパー。カミさんにとっての地域文化は伝統行事や歴史に触れることではなく、その地域で売られている地のものを見ることなのだ。

 

ということでやってきたのが道の駅しちのへ

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カミさんを店内へ放流して、自分はここへ来る時に車窓から見えた、ちょっと気になる建物を見物しに行ってみた。

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それがこちら。空き地ばかりのだだっ広い敷地の一角に大きくて近代的な建物が唐突に建っている。こんなところに建つ大きな建物といったら総合病院くらいしか思い浮かばない。が、なんか病院っぽくない。じゃあ何なのだろうかと気になったというわけだが、近くへ寄ってみると建物の壁面にJR七戸十和田駅と書かれていた。

あ、駅だったのか。七戸十和田駅は東北新幹線の駅である。といってもこの時はまだ未開業。東北新幹線は八戸駅と新青森駅の区間の建設が進められており、12月に開業予定であった。その区間の中間駅として開業予定なのがこの七戸十和田駅である。そのことをすっかり忘れていた。この駅は単独駅で東北本線との接続もない。駅前広場になる予定の場所も含め、道の駅以外の建物がほとんど建っていない。これから開発するのだろうが、安中榛名駅みたいなことにならないことを願う。

ちなみにこの駅のある場所から北東に200mばかり行ったところに今しがた訪問してきた南部縦貫鉄道の線路跡がある。ここに東北新幹線の駅が開業することが決まった当時はまだ南部縦貫鉄道線も営業中で、接続駅として、また野辺地駅への連絡路線としての活路に期待が寄せられていたそうだ。

ところが当の新幹線は1982(昭和57)年に盛岡まで開業したきり、その先が一向に開通せず停滞してしまったため、結局新幹線の開通を見届けることなく南部縦貫鉄道の方が力尽きてしまった。仮に東北新幹線の開業がもうあと20年くらい早かったら、あるいは南部縦貫鉄道が今日まで生きながらえていたら、あのレールバスに東北新幹線から下車した乗客を乗せて野辺地まで運んだりしたのだろうか。そう考えると胸熱である。

現在より鉄道輸送のウェイトが高かった当時なら、新幹線から南部縦貫鉄道に乗り換える人も多かったのではないかという気もするが、今や完全な車社会だ。仮に見事接続を果たせたとしても青写真のとおりの未来が訪れたかどうかは何とも言えない。あと仮に接続を果たせていたら、流石にあのレールバスでは十数両からの新幹線から降車してくる乗客を捌けない。となれば早々に車両のリプレースが計画されるはずだ。

もしそうなったら、あのレールバスは早々にスクラップとなることだろう。そう考えるとこれで良かったような気もする。関係者に聞かれたら怒られそうだが。

 

一服しながらそんな妄想をしていたらカミさんが戻ってきた。道の駅には取り立てて興味を惹かれるものはなかったと言ってがっかりしていた。

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再び出発して青森市へと向けて国道4号を北上していくと野辺地駅がある。野辺地駅は南部縦貫鉄道の始発駅だった駅だが、下北半島を北上する大湊線の始発駅でもあるため、列車が入線していたら撮影しようとちょっとだけ立ち寄り。

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時刻表を確認すると大湊線の列車はこの時間帯には発着がなく暫く先になるようだった。他の列車はとさらにチェックすると特急が間もなく到着するようだ。じゃあそれを撮影しておこうとホームで到着を待った。

やってきたのはJR北海道の789系。お、ラッキーと思いつつカメラの電源を押したら電源が入らない。なぜ!?と思ったらバッテリが入っていなかった・・・。自分が使っているデジカメ(ニコンP90)はバッテリの持ちが悪いことで知られている。予備バッテリを買っておけばよいのだがまだ持っていなかったので運転中に車内で充電して凌いでいた。結果装着するのを忘れてしまった次第。

カメラをゴソゴソしてそのまましまったら変に思われるかと思い、電源の入っていないカメラを構えて撮影するフリだけした。空しい。

 

浅虫温泉:


結局、収穫のないまま先に進むことに。とはいってももう夕方に差し掛かっている。今日は津軽半島側にある道の駅十三湖高原に寝床を求めている。そこまでの移動のことも考えるとぼちぼち散策を切り上げないとならない。

とりあえずまずは風呂ということで浅虫温泉に行ってみることにした。この温泉は先行する弟も立ち寄っていて写真が送られてきている。なかなか良いお湯だったそうだ。

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こちらが弟から送られてきた写真。目の前の足場が邪魔だが海の見えるお風呂であるらしい。海を展望しながら入浴するなんて贅沢ではないか。

ところが走り始めたら意外に遠い。結局浅虫温泉に到着した時には18時を回っていた。太陽も半ば沈みかかってこのままでは景色もへったくれもなくなってしまう。早い所入らねば・・・と気は逸っているのだが肝心の施設が見つからない。弟から送られてきたメールには浅虫温泉に入ったとだけ書かれていて、どの施設に行ったのかが全然分からない。なので写真から判断するしかないわけだが、写真のように海に面している建物が見当たらない。海岸に沿って国道が通っていて国道より海側に建物がないのだ。だが沖合に浮かぶ特徴的な小島は今いる場所からもよく見えているので場所は間違っていないはず・・・はて。

 

何度か国道を行ったり来たりしてそれっぽい施設を探した結果、写真と同じ角度で島が見える場所は道の駅浅虫温泉しかなかった。一旦道の駅に車を止めて情報収集を兼ねて建物の方に行ってみたら、意外にも道の駅の建物の最上階に展望風呂があった。ここだったのか。確証はまだ得られていないが、なんか行ったり来たりしているうちに面倒になってきて、もし違っていたとしても、もうここでいいやという気分になっていたので、そのままこの温泉に浸かってしまうことにした。

改めて風呂道具を取り出して最上階の展望風呂を目指しエレベーターに乗り込む。中に貼られていた貼り紙に、工事のため女湯からは外を見ることができませんと書かれていた。展望風呂なのに展望できないのか。景色が見られないなら行きたくないとカミさんが言い出したら困るので、日が暮れてるからどのみち大した景色は見れないと思うよとかなんとかごまかしつつエレベーターを降りると、そこは確かに入浴施設だった。

 

料金を支払って中へと進むと休憩室があった。その窓から見えたのが、

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この景色。やっぱり弟たちが入浴したのもここだったようだ。写真の景色から海沿いに建っているのだとばかり思っていたが、高い場所から撮影したので下の道路が見えていなかっただけだった。

ということで無事弟が入浴した温泉にたどり着けたわけだが、肝心のお風呂の方はというと思ったよりも小ぢんまりとしているうえ混雑していたのでのんびりと浸かることができなかった。その点がやや不満だったが、お湯自体は前評判のとおり、良く温まる非常に気持ちの良いものだった。

夕暮れ時の入浴だったので窓から見える景色はほぼシルエットだった。女湯は予告どおり何も見えなかったそうだが、男湯も大して変わらなかったよと伝えておいた。

Posted by gen_charly