北東北の旅【13】(2010/08/17)
びっくりバーガー:
お次は津軽地方で営業するもうひとつの私鉄路線である弘南鉄道の車両を見に行ってみようと思う。弘南鉄道は弘南線、大鰐線の2路線を運行しているが、かつては国鉄黒石線を引き受けた黒石線という路線もあった。
まずは弘南線の車庫がある平賀駅へと向かう。と、その前にここから平賀駅までの経路上に道の駅いなかだてがあり、そこに廃止になった黒石線の車両が置かれているという。順番に見て行きたい。

五所川原から田舎館(いなかだて)へ向かう途中、道の駅つるたがあったので立ち寄り。ここは鉄道車両があるわけではないが、カミさんからのリクエストである。ついでに丁度昼時になっていたので食べたいものがあったら買ってみよう。
店内に入ってすぐの所になんかデカいパンのようなものが売られているのが見えた。斤売りの食パンとかフランスパンの様なものかと思ったら、なんと総菜パンだった。びっくりパンというらしい。デカいコッペパンにたっぷり1人前分くらいの量の焼きそばがモリっと挟まっているアメリカンなパンだ。それが三百数十円で売られている。そんなところもアメリカナイズされている。
更にその隣には巨大なハンバーガーも並んでいる。こちらはびっくりバーガーと称するらしい。確かにびっくりだ。こんなのガテン系の人でもひとつで充分満腹になれそうだ。材料の小麦は地元産の物を使っているらしく、地の物なら購入をいとわないカミさんも買ってみようかと乗り気である。どちらも興味をそそられたが、両方は食べられないので、吟味したうえでびっくりバーガーの方を購入してみた。
さて、巨大巨大といいつつその大きさがわかるものを一切提示していなかったが見て驚くなかれ。

この大きさだ。パンを持っている不肖筆者の顔と同じくらいの大きさである。これを胃袋の中に収めるのかと思うだけで胸やけがしそうだ。といっても流石に1人では食べない。カミさんと半分こである。先にカミさんに食べさせてみた。が気が付くとあっという間に半分がなくなっていた。すげー食欲。
半分食べ終えたところで残りが自分に回ってきた。自分も食べてみたらカミさんがあっという間に食べきってしまった理由が分かった。パンの中にはひとくちサイズのハンバーグが3個入っていて、そこにあふれんばかりのデミグラスソースがかけられている。だから想像以上にシズル感の高い口当たりになっていて流動食のごとくどんどん入って行ってしまうのだ。そういうところがびっくりなのか(違)。
弘南鉄道黒石線の保存車:
思いがけず美味いパンに巡り合って腹も膨れたところで、改めて道の駅いなかだてへと向かった。いなかだての道の駅まではここから15分少々の道のり。ここ最近は我も我もといわんばかりに自治体ごとに道の駅を作るのがブームになっている。そのおかげであちこちに道の駅が林立する事態となっている。まぁ〇〇センターのような誰も使わない箱モノを作るよりは良いと思うが。
カミさんは全く鉄道に興味がない人なので撮影は1人で向かうことにした。その間カミさんは館内を散策しているとのこと。
こちらの道の駅は敷地内にレジャー施設を併設している。遊具や広場があって子供たちがはしゃぎまくっているのは見えるのだが、肝心のお目当てが見当たらない。車両はどこだ。
レジャー施設の園地を通り抜けていくと、遊具の向こうになんかサイケデリックな色の物体が見えてきた。近づいてみるとそれがお目当ての車両だった。

こちらがその物件。黒石線は3両の車両が在籍していたそうで、それらがここにまとめて移設されて展示されている。
この車両とその後ろの車両は旧小坂鉄道から譲り受けたという2100形。大切にされているともされていないとも言い難い微妙な保存状態である。ただ放置状態ではないので野晒しの留置の割に車体の傷みはそこまで酷くなさそうだ。

車内は休憩所として開放されていた。一応、後付けの家庭用のエアコンが取り付けられて、休憩所として最低限快適な環境にはなっていたが、車内の換気がイマイチで、重油とカビの混じったような何ともいえない臭いが充満している。流石にここで一息つこうという気にはなれなかった。ちなみに一番手前の席の座面の寸法が合っていない。どこかから持ってきたもののようだが、こんな中途半端なサイズの座席、どこから持ってきたのだろう?
黒石線は前述のとおり、元々国鉄黒石線として奥羽本線の川辺駅と黒石駅の間に開業した路線であるが、後に弘南線が開業。弘前と直結していたこともあって、乗客は弘南線へと流れてしまい黒石線は赤字路線に転落する。その後廃止計画が上がった折に地元自治体から弘南鉄道による引き受けが要請され、結果として弘南鉄道の黒石線として維持されることとなって廃止を免れた路線である。
ところが前述のとおり弘南鉄道は既にこの辺りの中心都市である弘前に直結する弘南線を運営している。元々の競合路線であるうえに弘南線も大鰐線も電化されているのに黒石線は非電化路線である。維持保守も別建てで行なわならないので弘南鉄道にとって黒石線はお荷物でしかなかったことだろう。
それでも増収に努めたことで国鉄時代よりは経営状態が好転したとのことだが、もとより需要の薄い路線であったせいか、根本的な赤字体質が解消できず結果的に廃線となっている。

編成の反対側は国鉄から譲り受けたキハ22形だった・・・はいいのだが、正面に飾られたキャラクターは何だ?
国民的アニメの主人公を彷彿とさせるがどう見ても別物だ。恐らくインスパイヤされたオリジナルキャラクターなのだろう。あるいは版権避け。
これを作った人や掲げる際に立ち会った人など、関係者は誰もツッコめなかったのだろうか。それともみんなうろ覚えでこんな感じだったよね的に認識が一致してしまったのか。まあ車体の方をこんなよく分からない塗分けをしている時点でお察しなのかもしれないが、極めて残念な車両である。

そんなふざけた車両であるが車内は殊の外まじめだった。黒石線の路線データや営業していた当時に使われていたものなどを展示するスペースとなっていて、思わずカミさんをほっぽらかして読みふけってしまった・・・。しかしこれでは黒石線に愛着があるのかないのかよく分からなくなってくる。

この道の駅いなかだては弘南線の線路に隣接した場所にある。その線路がこれらの保存車両のすぐ脇に通っている。行ってみると丁度向こうの方から列車が接近する音が聞こえてきたので撮影。直線の線路を颯爽と駆け抜けていった。
で、ご覧のとおり線路の外側には農道がある。こちら側からも道の駅には進入可能なようになっているので、保存車両を見るためだけならこちら側からアプローチした方がはるかに楽ちんである。